2月25日に行われた鹿島とのプレシーズンマッチ前、ある新加入選手が言った一言が印象的だった。
「子どものころから鹿島のことが好きだったので、対戦するのが楽しみです」
Jリーグ開幕時から毎年のように優勝争いを繰り広げてきた鹿島は、多くのサッカー少年たちの憧れの的として存在してきた。「あの赤いユニフォームを着てサッカーをしたい」と思った子もたくさんいるだろうし、「小笠原や本山みたいになりたい」と鹿島の選手をマネしながらプレーした子もたくさんいたはずだ。鹿島は多くの子どもたちに夢と希望を与えてきた。それが20年という時を超えて、大きな力になっていることをその選手の一言で痛感させられた。
対して、水戸はどうだろうか。いまだかつて「水戸のことが好きだったんです」と水戸の選手が口にしたことは聞いたことがない。ただ、選手とそういう話をしていないだけかもしれないが、子どもの頃から水戸に憧れていたという選手はおそらくいなかったと思われる。
Jリーグに昇格してから今季で13年目を迎える。その間に水戸がもたらした大きなニュースは、どちらかというとポジティブなものよりもネガティブなもののほうが多かった。結果に関しても、下位が定位置であった。それでも地域に密着して活動する水戸に憧れたサッカー少年もいるだろうが、それは少数派に違いなく、まだ本当の意味での「サッカー少年たちの憧れの存在」にはなり得ていないと私は思っている。
そんな状況から抜け出せるのではないか。今季のチームを見ていると、そんな希望を抱いてしまう。昨季築いた土台の上に実力派の新戦力が加わり、明らかに昨季よりもパワーアップしている。柱谷哲二監督が「J1昇格」という目標を掲げたのも、決して実現不可能なことではないという自信があるからだろう。
練習を見ていても、うならされることが少なくない。紅白戦で流れるようなパスワークからチャンスを作ったり、1対1で激しいせめぎ合いを見せたり、とにかく過去に見たことがないほど充実したチーム作りが行われているのである。期待せずにはいられないのだ。
いよいよ今週末、水戸の「J1昇格」を目指した戦いがはじまる。ただ、それは同時に水戸の青いユニフォームに「威厳」と「風格」を吹き込む作業でもある。「水戸のユニフォームを着てサッカーをしたい」。水戸のサッカー少年たちが水戸のユニフォームに憧れを覚えるような戦いをしてくれることに期待したい。長いシーズン、苦しい時期もあるだろう。その時には想像してもらいたい。数年後、もしくは10数年後、「あの時の○○選手のプレーを見て、水戸でプレーしたいと思ったんです」という選手が出てくるかもしれない。子どもたちの夢を背負って戦っていると思えば、力も沸いてくるはず。弱気なプレーなんてできっこない。ぜひとも選手たちには、少年たちの視線を感じながらプレーしてもらいたい。それが「J1昇格」への大きな支えとなるに違いない。
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以上
2012.03.02 Reported by 佐藤拓也
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