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【J2:第9節 徳島 vs 福岡】プレビュー:このまま停滞しているわけにはいかない両者。抱える問題を改善に向かわせて浮上の足掛かりを得るのは徳島か、福岡か!?(12.04.22)

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順調に滑り出したはずであった。徳島も、福岡も、開幕2連勝と目指すJ1昇格に向かってこれ以上ないシーズンスタートを切ったと思われた。しかし、迎えた3節から突然歯車が狂い出す。ともにそこから思うような勝点積み上げができなくなり、現在は徳島が15位、福岡が14位。シーズン開幕前に上位候補と目されていた両者は、まだ8戦が終わったところとは言え揃って厳しい順位に沈んでしまっている。

ただ、どちらにもそのような位置に停滞してしまうのが必然の苦しい要因があると言えよう。今、徳島は攻撃面に、福岡は守備面に大きな問題を見せてしまっているのである…。
とは言えこのままそれに歩みを止められているわけにはいかない。一刻も早くのしかかっている問題を振り払い上位陣追撃の狼煙を上げなくては。そうした意味で、同じような状況にある徳島と福岡が顔を合わせる今節の一戦は、どちらが問題を改善へ向かわせ浮上の足掛かりを得るかに注目が集まる非常に興味深い戦いだ。

ではそのゲームで両チームに必要なものは何かと探れば、まず徳島はサイドからのシンプルなクロスがそれではないだろうか。
過去6戦で僅か1点しか挙げられていない(しかもその1点はPK)事実がそのことを如実に物語っているが、徳島の問題は前記の通り攻撃面である。特にチームは前線へ起点作りのボールを入れた後をなかなか上手く展開できず、実際小林伸二監督も前節・大分戦の終了後「クサビに入った時の精度が上がればシュートまで持っていけたと思う」とコメント。その部分がマズかったことを認めていた。しかしその前節、ゴールの遠い徳島に現状を変えるひとつの糸口が見えたのも事実だ。それがサイドから送り込むシンプルなクロスで、実際細かな組み立てに難しい状態が続いた中でもそのボールはハッキリと好機を生み出していた。
となれば、今節はやはりそれを活かした攻めが不可欠。パスを繋いでの崩しにこだわり過ぎず、右の花井聖、左の西嶋弘之ともキック精度の高いプレーヤーなのだからそうしたクロスを意識して多用しゴールへ迫るべきだろう。そして付け足して言うなら、質のいいクロスを見せることは苦労している組み立ての繋ぎにも好影響を与えるはず。それを入れさせないようにと相手が外への警戒を強めてくれば、きっとピッチの中央にはパスを通しやすい空間が空いてくるに違いない。

3節以降全く白星から遠ざかってしまっている徳島。昨季の悔しさを晴らすと誓って挑んでいる今季がこのままでいいわけはない。もちろん組織基盤を構築し直しているが故の難しさはあるだろうが、それでもやはり結果は強く求められるだけにチームの奮起が期待されるところである。

さて、それに対し守備面に問題を抱える福岡に関しては、選手間のコーチングこそが絶対的に必要なものであろう。なぜなら、前節・水戸戦の失点は守りのバラバラ感から許したものであった。その場面は水戸に中央を破られた形だったが、福岡守備陣にはオフサイドを取ろうと足を止める選手とポジションを下げる選手が混在。そのため結果的にオフサイドとはならず、ゴールを割られてしまったのである。さらに、チームは試合終了間際にも同じようなシーンを発生させていた。その時は相手のシュートミスによって救われたが、そうした繰り返しを見れば意志統一をどこまで徹底できるかが今節の福岡のカギとなるのは明らか。そのために選手同士の密なコーチングは欠かせないだろう。
ただそれさえ徹底できたなら、無得点のゲームがここまで1試合だけという攻撃力で福岡は望む結果にグッと近付けるのではないか。高橋泰や坂田大輔らアタッカー陣が個の好調さも見せているとあって、勝利との距離を縮められる可能性は高い。

果たして、自らの問題に押し潰されず勝点3をもぎ取り浮上のキッカケを手にするのは徳島か、福岡か。激戦必至の鳴門の夜からは目が離せない。

以上


2012.04.21 Reported by 松下英樹
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