序盤、磐田は松浦拓弥の鋭いドリブル突破、横浜FMは大黒将志の巧みな動き出しからそれぞれチャンスを作ったが、前者は中澤佑二のスライディングタックルを受け、後者はシュートを枠内に飛ばすことができず、互いにゴールはならず。慌ただしいスタートとなった中、アクシデントにより試合開始早々に交代カードを切らざるを得なかったのは横浜FM。7分、足を痛めた中町公祐が途中交代となり齋藤学がピッチイン。中盤の左サイドへ入り、兵藤慎剛がボランチへスライドすることになった。
その後、しばらく均衡した状態が続いたが、23分に磐田のチョ ビョングクがCKから惜しいヘディングシュートを放ち、その直後に横浜FMの小野裕二がドリブルからミドルシュートを放つと、徐々にゲームが動き始める。そして、35分、この試合の決勝点となるスペシャルなゴールが磐田に飛び出した。左サイドの高い位置に侵入した山本康裕からパスを受けた山田大記が相手をかわし、素早いテイクバックから強烈なミドルシュートを放つ。左足でジャストミートされたボールはゴールネットに豪快に突き刺さった。山田の周囲には横浜FMの選手が複数おり、十分な警戒が敷かれていたと言っていい。それをかいくぐっての一発であり、横浜FMのGK飯倉大樹もボールへ懸命に飛びついてはいたが、防ぐことは不可能に近かった。
前半1点リードで折り返した磐田は後半開始直後、ようやく“らしさ”が出る。ペク ソンドンのクロスは相手に防がれたものの、アタッキングサードまでボールを運ぶまでに右サイドでチョ→駒野友一→ペク→前田遼一→松浦→ペクと流れるように短いパスがつながる。その直後に兵藤に決定的なヘディングシュートを許したものの、続く56分には左サイドを攻略。高い位置でボールを持った宮崎智彦とのパス交換から松浦が前を向くと、ここへ連動した山田がサイドへ流れてスペースを作り、ゴール前でフリーとなった小林裕紀が松浦からパスを受け、惜しいシュートを放った。
森下仁志監督が目指すパスワークの片鱗は見せたものの、その後は横浜FMに決定的な場面を作られた。63分に中村俊輔のクロスを大黒に頭で合わされ、あわやという場面を作られると、68分には小野のバイシクルシュートを浴びたが、これは八田直樹のファインセーブでしのぎ、ゴールを割らせない。磐田も74分、75分と松浦がそれぞれ鋭いドリブルを仕掛け、反撃をしかけるもゴールはならず。83分にはCKを栗原勇蔵に合わせられるも、これは山本康がライン際で何とかクリア。さらに試合終了間際にはセカンドボールの攻防からフリーとなった大黒に右足でシュートを打たれ、さらにそのこぼれ球につめた齋藤にゴールネットを揺らされたが、これはオフサイドの判定。アディショナルタイムに山本康に代わりロドリゴ ソウトを投入したところでタイムアップとなった。
試合後、横浜FM・樋口靖洋監督が「正直言って、ゲームを通してやられた気はしなかった」と天を仰いだのも無理はない。中澤、栗原ら守備陣が磐田のキーマン・前田をしっかりとマークし、ほぼ仕事をさせていなかっただけに決定機を一つでも生かせていれば念願の今季公式戦初勝利は手にできたはずだ。「おそらく“ボックス”に入った回数は今シーズンで一番多かったはず。ただ、それが得点に結びついていないのが現実ということもしっかりと受け止めていきたい」(同監督)。アタッキングサードでの精度に欠く場面もあったが、決して悪い戦いではなかった。それだけに勝利できなかった歯がゆさだけが残る。「手応えがあったところで、という話なので…。やはり点を取らなくては」と悔やんだのは齋藤。これで今季公式戦10戦未勝利となった。
一方、勝利した磐田はこれでカップ戦を含め今季公式戦ホーム6連勝。後半途中には今年2月に左腕を骨折した山崎亮平が復帰後初めて公式戦のピッチに立ち、結果のみならずメンバー構成の上でも明るい材料があった一戦となった。
以上
2012.04.22 Reported by 南間健治
J’s GOALニュース
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