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【J2:第9節 甲府 vs 町田】プレビュー:町田の新システムは機能するのか。でも甲府にはそんなの関係ない、どんな策を練られようがホームでは勝つしかない(12.04.22)

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昨年の天皇杯2回戦で対戦した甲府と町田。カテゴリーが違ったが対戦してしまっているので、「初物に弱い甲府」というジンクスは純粋に当てはまらないかもしれない。「開幕戦に勝てない」というジンクスを打ち破ったJFK甲府だからあまり気にならないが、楽観はできない。最近は2試合に1回は躓いているのだ。ホーム・山梨中銀スタジアムで迎え撃つ町田はJ2リーグに船出したばかり。第3節、4節と連勝したものの、その後は4連敗中で、今節は4−4−2から3−5−2にシステムを変えて臨むことが予想される。アルディレス監督は「ここまで主導権を取れてもコーナーキックや空中戦で(試合に)負けることがあった。その問題を改善するため」とシステム変更の理由を話す。試合2日目前の練習では、サブ組を甲府と同じ4−4−2にして、レギュラー組の3−5−2と対戦させていたが、聞こえた範囲のコーチングの言葉に「対甲府」を意図した言葉は少なく、町田がどう戦うかというコーチングの言葉が多かったように感じた。選手に3−5−2について聞くと、「(相手の)ペナルティエリア付近までボールを運んでも崩せなくて時間がかかっていた。早めにアーリークロスを入れて状況を打開していこうということ。トップ下に1枚入るので前でタメを作りやすくなると思う。そこを起点にしていきたい」(津田和樹)、「攻撃の枚数が多くなるのでやりやすい感じがする。何とか先制点を取りたい。(トップ下の)庄司(悦大)が前を向くと1本のパスで(決定機に)直結する。そこの動き出しを意識して飛び出していきたい」(勝又慶典)と攻撃面のポジティブな話が多かった。

3バックで甲府の2トップを抑えるという意図もあるシステム変更。両サイドにスペースを作るというリスクもあるし、マークの受け渡しなど選手間のコンビネーションにも不安はある。これを一週間で解決することはできない。リトリートするときはスタートポジションを3−4−3にすることを選手間で確認しあっているが、問題はボールを失った瞬間の守備。ディフェンスラインが高いだけに危うい部分もある。ボランチの柳崎祥兵と下田光平や太田康介を中心とする3バックはガチガチとマークをしに行くが、甲府は2トップが封じられると点を取れないという同じパターンで勝点を失うことは終わりにしたい。カウンターでもセットプレーでもいいし、手数の多さで町田の守備陣が埋めるスペースを打開できれば尚よろし。

第3節で鳥取から3点も取って勝った町田を、鳥取から1点も取れなかった甲府が迎え撃つのだが、「1節前の試合とまったく様子の違う守備を相手がやってくる」と、城福浩監督の負けん気はすでにボーボーと燃えている。チームも地域も熱い北九州戦(第6節)がその起点だが、甲府にも課題はある。ここまで7ゴールのダヴィと1ゴールながら伸び代の宝庫・高崎寛之のツートップに頼りすぎた戦いをしていたという点だ。先発の座を確保しつつあるボランチ・井澤惇が、ディフェンスラインの裏を狙うパスや積極的な攻撃参加で手数を増やそうとしているが、現時点では結果には繋がっていない。「そのうち何とかなる」と楽観視することもできるが、そうするなら目標順位は10位くらいに下方修正しないといけないかも知れない。J1に昇格し、定着できるチームになりたいのなら、ホームでは何がなんでも勝点3をもぎ取るしかない。

「自分たちがいいサッカーをしたときしか勝てないのでは駄目。『相手も一生懸命頑張ったけれど俺たちはコーナーキック1本で勝った』という顔も見せられないと駄目」と城福監督はいう。いい内容で勝つことが目標だが、そうできないときにも勝つからこそ上の順位に行くことができる。今節の甲府がどっちの顔を見せるのかは戦ってみないと分からないが、昨年の天皇杯2回戦・町田戦のように難しい試合でも勝たないと夢は語れない。平本一樹が加入したことで町田の攻撃陣は確実に恐さを増しているが、あの試合から町田は半分のメンバーが変わり、甲府は同じ先発メンバーは2人の見込みなので殆ど別のチーム。約7ヶ月前の対戦は参考にならないだけに、「町田の3−5−2は機能するか」、「甲府は手数を増やせるか」、という楽しみが生まれる。お互いに負けたときに失うものは大きいだけに、激しい試合になりそうだ。

以上


2012.04.21 Reported by 松尾潤
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