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【J1:第8節 柏 vs 鳥栖】レポート:アウェイ初勝点を手にした鳥栖は、自らのスタイルに自信を深め、決め切れず守り切れない柏は苦しい状況が続く(12.04.29)

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昨シーズンの柏は、先制点を奪った試合は17戦16勝、前半をリードで終えた試合は15戦全勝という数字を残した。この鳥栖戦でも先制点を奪い、リードを保ったまま折り返しを迎えたのだが、結局勝ち切れないところに現在の低調ぶりが窺い知れる。

高いライン設定とコンパクトな陣形、豊田陽平とトジンから始まる前線からの一糸乱れぬプレッシング。そしてボールを奪った後は素早い切り替えから攻撃を繰り出すか、前線へのロングボールと、そのセカンドボールを拾って2次攻撃へと転じる。41分にはトジンのインターセプトからショートカウンターを繰り出し、フリーの水沼宏太がゴール左を狙うという決定機も訪れたが、ここはGK稲田康志のセーブに阻まれた。

明確なスタイルを持つ鳥栖に対し、柏は最終ラインとダブルボランチでビルドアップをしながら、幅広くボールを動かしていく。これまでの対戦相手がレアンドロ ドミンゲスにタイトなマークをぶつけてきたのとは異なり、鳥栖はレアンドロを捕まえ切れておらず、マーキングの甘さが目立っていた。実際、先制点につながるコーナーキックは田中順也とのパス交換でペナルティエリアへ侵入したレアンドロが得たものである。前半アディショナルタイムに入った直後、ジョルジ ワグネルの蹴るインスウィングの右コーナーキックを北嶋秀朗がニアですらし、ゴールネットを揺らした。

後半に入ると、鳥栖は高い位置からプレスを仕掛けるというよりは、前半よりやや引き気味に陣形をセットし、長いボールを豊田とトジンを目掛けて蹴り込み、そのセカンドボールを拾うか、柏守備陣のファウルで得たフリーキックから攻撃の糸口を作り出す。たとえ柏がタッチに逃げたとしても、藤田直之のロングスローで持ち前の高さを有効に使えるため、展開としてはパワープレーが続いているような形になり、鳥栖がグイグイと柏を押し込み始めた。
豊田に加え、セットプレー時にはゴール前まで上がるキム クナン、小林久晃ら、180センチ超級の高さを持つ選手が並び、そこに金民友の精度の高いキックや藤田のロングスローで放り込みを続ければ、“何か”が起こる可能性は高まるだろう。70分の同点弾は、まさにその形から。金民友の右サイドでのフリーキックがニアに入り、GKの稲田が処理し切れずにこぼしたところを小林が詰め、1−1のタイスコアとした。

また、ネルシーニョ監督がハーフタイムに「中盤の選手はあまり下がりすぎないこと」と指示を送ったが、柏にとっては逆にこの指示が仇になったようにも思える。もちろん、そこには別の意図があっての指示であろうが、前半は必ずダブルボランチのいずれかが最終ラインに降り、近藤直也と増嶋竜也とともにビルドアップの起点になっていた。しかし、後半は中盤の選手が最終ラインまで降りることがなくなったため、ビルドアップ時のパスの選択肢が極端に減り、右サイドバックの酒井宏樹を含めて無理に縦パスを入れようとするから、鳥栖のボランチやサイドハーフに引っ掛かってしまう。攻撃の陣形を整えているところで浴びるショートカウンターほど嫌なものはない。鳥栖のロングボールに苦しめられただけではなく、そうやって後手を踏むから当然ファウルが増える。そんな悪循環も柏を苦しめる一因となった。
チャンスを作っても、トラップミスや判断ミスが災いして2点目を奪えない。「最後のところで決め切れなかった」と振り返るネルシーニョ監督の言葉を、今シーズンはもう何度も耳にしている。リーグワースト4位の失点数に、攻撃陣が決め切れないとなれば、14位という順位に甘んじているのは致し方ない。

したがって、この勝点1はどちらにとって価値があるかと言えば、それは間違いなく鳥栖のほうである。1失点も、流れの中から崩されたわけではなく、比較的反省の弁が多かった柏の選手たちとは対照的に、「結果として1−1は悪くないと思う。これからは暑くなりますけど、この戦い方を続けたい」(赤星拓)と前向きなコメントが多かったように、アウェイで手にした初勝点に、選手たちも自分たちの戦い方への自信をより一層深めたことだろう。近年、昇格チームの躍進は恒例と化したが、今シーズンその座を担うのは鳥栖になるのかもしれない。

以上

2012.04.29 Reported by 鈴木潤
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