草津のホームだったはずの敷島(正田スタ)は、千葉サポーターによってメインスタンド、バックスタンドともに半分以上が占拠された。とくにアウェイ側バックスタンドを鮮やかな黄色で埋めつくした千葉サポーターの迫力は、空席が目立つ草津のそれを完全に凌駕していた。振り返ると敷島のバックスタンドを埋められた時点で今日の結果は決まっていたのかもしれない。
連敗阻止を図った草津は前線に身長190センチの大型FW土井良太を起用、リンコンが土井の後ろに入る4―2―3―1に近いシステムでゲームに入る。連勝を狙う千葉は藤田祥史の相方として荒田智之を先発起用。前線に縦のアクションを加えて草津のDFラインに揺さぶりをかける。結果的には両チームのFW起用が勝敗に影響を及ぼすことになった。
千葉は立ち上がりからワンタッチで草津の裏を突き主導権を握っていく。藤田と荒田の動きに困惑したDFラインは序盤から苦しい展開を強いられる。8分、草津は中盤でボールを失うと藤田に(草津の)右サイドをえぐられて低いクロスを送られる。守備陣は、ゴール前へ勢いよく入ってきた荒田を捕まえることができずあっさりとゴールを許してしまう。センターバックの有薗真吾は「責任を持って守らなければいけなかったので判断が遅れてしまった」と振り返った。千葉は、荒田が指揮官の期待に応えて幸先良いスタートを切った。
一方、草津の前線に配置された土井は立ち上がりこそ何度がポストを受けたもののチームの中で役割をみつけることができずに次第に孤立していく。これは土井だけの問題ではないが、全体のバランスが悪い草津は攻守の歯車が噛み合わずに劣勢を強いられていく。30分過ぎからはボールが動き出してアタッキングサードまで持ち込むこともあったが、フィニッシュまで持ち込むことができずに前半をシュート0で終えることになる。
草津はハーフタイムで土井に変えて遠藤敬佑を投入。遠藤が前線に運動量を加えることでリズムを取り戻しかけたが、その矢先の60分に課題であるセットプレーの守備がまたもや崩れる。兵働昭弘がゴール前へ入れたFKに対応できず、山口智に豪快なヘッドを叩き込まれてしまう。「耐えなければいけない時間帯にセットプレーからやられてしまい勢いが消えた」(北一真)。2点のビハインドとなった草津は慌ててヘベルチを投入するが歯車は最後まで戻ることはなく、そのままタイムアップのホイッスルを聞いた。
千葉は、草津の弱点でもあるサイドバックの裏のスペースを効果的に利用してリズムをつかんだ。「草津の両サイドバックは、うちのサイドハーフに中途半端に食いついてくるので、その裏を使おうと思っていた」(藤田)。千葉はリズミカルなパスワークとアグレッシブなプレスで草津を翻弄、効果的な時間帯にゴールを重ねて、内容を結果へと結びつけた。今季初の連勝となった千葉だが、木山監督は「理想が高いかもしれないがもっとボールを動かして攻撃したかった」と連戦の中でもさらなる高みを追求。それはチームに手応えを感じている証だろう。
2010年以来の4連敗となった草津は、結果はもちろん内容も深刻な状態だ。プレーオフ圏内を目指しスタートを切ったはずだが、上位の背中はすでにかすみつつある。「チームとしてイメージが共有できていない。だれが悪いとかじゃなくチーム全員の責任なので立て直すしかない」(松下裕樹)。連敗した4試合はすべて完敗に近い内容で、ピッチから伝わってくるメッセージがない。開幕当初、枯れていたピッチの芝生は勢いを取り戻しピッチは少しずつ改善されている、だが、 “主役”が輝かなければ、ホーム敷島を取り戻すことはできない。
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2012.05.04 Reported by 伊藤寿学















