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【J2:第12節 熊本 vs 東京V】レポート:後半に修正を加えた東京Vが2得点で完封勝利。敗れた熊本は6試合無得点で19位に転落。(12.05.04)

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チャンスは多く作ったが、結果に結びつけることはできなかった。東京VをホームのKKウイングに迎えた熊本は、後半に2点を失い今季6敗目。通算成績は2勝4分6敗の勝点10のままで、遂に19位まで転落。厳しい状況に追い込まれている。

それでも、前半は悪くなかった。前節が隣県の大分での試合だったこともあって、移動による体力の消耗は東京Vの選手たちに比べれば小さかったのだろう。序盤から、この数試合で取り戻したアグレッシブな姿勢を見せて主導権を握る。前節に続いてボランチに入った藏川洋平をはじめ、最終ラインの3人、さらに両ウイングバックも、前の3人のアプローチに応じて相手との距離を詰め、東京Vのつなぎを分断していた。

そうした守備も効いて、ボールを奪ってからの攻撃でも前節以上にいい形を作っている。東京Vの川勝良一監督は「相手の長いボールによって選手間の距離を伸ばされた」と話したが、特に空中戦でも競り勝っていた齊藤和樹、「あとの2人が足元で受けるタイプなので、自分は裏へ抜けようと」意識したという五領淳樹の2人の若いシャドウが躍動。養父雄仁が戻ったことで中盤にタメができ、ウイングバックの市村篤司が本来持つ縦への推進力を生かして前を追い越す動きからボールを引き出す場面も少なくなく、前節の試合後に「続けていれば点は入る」と高木琢也監督が述べた通り、得点への期待をじゅうぶんに抱かせる展開を繰り返した。

しかしゴールは遠い。熊本が前半に放ったシュートは6本あるが、このうち枠内に飛んだのは26分の藏川のミドルと43分の崔根植のヘッドの2本のみ。試合後の会見で高木監督が振り返っているように、確かに枠を捉えなければゴールの可能性は高まらない。だがそれよりもむしろ、シュートにはカウントされていない場面も含め、それ以外の決定的なシーンで「冷静さと大胆さ」(養父)を欠いたことにも目を向ける必要がある。「点が入っていないことを意識して堅くなっているというか、大事に行き過ぎている場面もある」と藏川が話しているが、ゴール前での落ち着きがあれば前半のうちに1、2点取れていてもおかしくなかった。

迎えた後半、東京Vは「タテだけではなく横にも速くボールを動かす」(川勝監督)という狙いで修正。熊本の運動量が落ちたことも関係してボランチの梶川諒太と和田拓也が前に出る場面も増え、前後だけでなく左右のつなぎにもその力を発揮。もっとも、両サイドの飯尾一慶と西紀寛がワイドに張るのではなく外から中へ入る動きを繰り返していた前半から、タッチライン際に生じたスペースに右の森勇介などサイドバックが押し上げてくる場面は目立っていた。そうしたスピードに乗った東京Vの攻撃に対し、熊本がファウルで止めるケースが増えていたのも事実。前半の消耗が響いてか、徐々に対応が遅れ始めたことを物語る。

56分の先制点もそうした縦と横の動きをミックスしたものだ。中盤でボールを奪った阿部拓馬がキープして右の西へはたくと、西はこれをワンタッチで左のスペースへ。さらにこれを受けた飯尾が中へドリブルで切れ込み、ペナルティエリアの外、約18mの距離から右足を振り抜いた。「最初は(杉本)健勇に出そうと思ったけど、中に運んでからシュートに切り替えた。股の間しかシュートコースがなかったので、そこを狙った」という飯尾の言葉には、熊本に足りなかった冷静さと大胆さの両方が含まれている。

その後、熊本は57分に山崎侑輝、66分に白谷建人をシャドウの位置へ入れたが、スペースへ抜けることを意識していた五領が抜けたことで東京Vの裏への展開は極端に少なくなり、逆にリードした東京Vには精神的な余裕も生まれる。終盤には前線に高橋祐太郎を入れ、藏川を最終ラインに下げて4-4-2の形にするなどアレンジを加えたが流れは変わらず、逆に85分には片山奨典が2枚目の警告を受けて退場、さらにアディショナルタイムには交代出場したばかりの小林祐希に、1点目と同じような左右の展開から追加点を許した。

東京Vは、内容が良いなかで敗れた前節から「やり方は変えないで」(川勝監督)前半をしのぎ、相手の出足が落ちた後半にたたみかけるしたたかさを見せて4位に浮上。若い選手も多いが、チームとしてのスタイルを確立しながら結果を出すことで自信を深めている。

一方の熊本は、これで6試合、無得点で勝ちなしという状況が続いている。確かに守備面の安定感は増し、攻撃でも狙いとする形は徐々に出始めた。ゴールへの意識も決して低いわけではない。だが結果が出ないようであれば、いい部分を継続していくのと合わせ、あらゆる面を見直すことも可能性として考える必要がある。悪い時に変化を加えるか、それとも辛抱して様子を見るかという選択は、ゴール前と同じように冷静さと大胆さが求められるものではある。しかし「気持ちだけでは点は入らない」(高木監督)のともまた同様に、思いだけで結果を得ることは容易ではない。シーズンはあと30試合、プレーオフ圏との勝点差12を縮めていくのに、残された時間は決して多くない。

以上

2012.05.04 Reported by 井芹貴志
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