厳しい日程の中行われた試合は、京都が5人、栃木が4人、前節から先発メンバーをを入れ替えて臨んだ。注目は、京都のサヌ。4月前後から京都の練習に参加し、4月26日に正式加入が発表され選手だ。
試合は、派手ではなかったが、両チームの特徴が表れたものとなった。栃木はしっかりしたゾーンディフェンスを見せ、前線、中盤の追い込みで京都の攻撃を止めにかかった。京都はサヌ、久保裕也の個の能力を生かそうと、早めに前線を使う意図を見せつつ、いつものパス攻勢を組合せて栃木陣内に攻め込んだ。栃木の攻めは棗佑喜をターゲットにしてサビアが絡んでいくものだったが、京都の攻撃を中盤で奪っての速攻は迫力があり、30分にはその形でサビアが京都DFをかわしシュートを放ち決定機を作った。京都も、裏を取ってのフィニッシュはなかなか出来なかったが、35分に安藤淳がDFの前からミドルシュートを放ち、見せ場を作った。
後半に入っても膠着が続くと、それぞれに交代カードを切って攻撃を活性化させようとする。栃木は高木和正、京都は宮吉拓実。そこからゲームが動き出す。後半26分、京都は右から崩してシュートに持ち込むと、そのこぼれがサヌへ。サヌから安藤につないでさらにシュートと攻め込む。対する栃木も直後に左サイドからのクロスなどで反撃する。さらに28分には、宮吉が相手最終ラインの裏を取りGKと1対1に。だが、このシュートはポストに弾かれる。ゲームが動き、ゴールへの期待が高まっていく。
そして京都は伊藤優汰、原一樹を入れ、さらに勢いをつけようとする。栃木も荒堀謙次、久木野聡を入れるも、活性化というよりもチーム整備が中心という交代となる。厳しい日程での選手の疲弊が出た様にも観えた。
ゲームを決めたのは、交代出場の伊藤優汰。89分、栃木が攻撃に出て、前に出したボールを原一樹が奪うとドリブルで運び込む。一人かわして右の伊藤に送ると、伊藤が中に持ちだし左足を振り抜くと、豪快に栃木ゴールを揺らした。結局、この伊藤のゴールで京都が4試合ぶりの勝利を挙げた。
試合後、松田浩監督は、パウリーニョの所でボールを奪う形が出てきたことを「意図するところ」とし、栃木のゾーンディフェンスが京都の攻撃を止めていたと話した。「背後をやられなければいいと思うところはあった。DFにとっては自分たちの前、例えば中盤の4人の選手にとってはそこから挟み込むという意味では、やられたという感じはないと思います。そこがコンパクトであればあるほど問題はないと思いますね」と栃木の守備について自信を見せた。
京都は、その栃木の非常に質の高い守備の攻略となるのだが、試合後、大木武監督は、受け手の反応を含め、ボールに対しどう絡んでいくか、また、走り出しの面でポイントを挙げた。これらは反省点という側面もあるが、きちんと表現できている部分もあるので、そこをさらに色濃くしていくことになるのではないか。その意味では今節の勝利は京都にとって非常に大きい様に思う。
勝って終わると、全てのプレーが評価する方向に動く。「あのプレーが良かった」とか「トライすることが大事」とか、プレーを評価する傾向が強くなる。実際、良いプレーも多かったのだから「やり続ける」ことを掲げる京都にとってはこの勝利が良いアクセントになるだろう。次節は中2日で甲府戦となる。この勝利に、さらにプレーへの確信や気持ちの部分を上積みして臨めるか。ビッグゲームを勝ち切る強さを身に付けるための絶好の機会。最高のゲームを期待したい。
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2012.05.04 Reported by 武田賢宗















