広島の特徴は明快だ。攻撃的なサッカーで前に出る相手からは、得点を奪うことができる。だが、低い位置でブロックを固めるチーム相手には、厳しい闘いを強いられる。結果は、シンプルだ。
ただ、柏戦のパフォーマンスとその後の練習を見ていると、少しずつではあるが広島の「ブロック崩し」の方法論が見いだされそうな予感はある。柏戦で決めた佐藤寿人の1点目、低く構えた相手に対し、ストッパーの森脇良太が攻撃を仕掛け局面で数的優位をつくり、前線の3人が縦に移動を繰り返し、ブロックを揺さぶってスペースをつくった。高萩洋次郎のワンタッチパスとそれに呼応した石原直樹の飛び出しでそのスペースを使ったプレーは、ゾクッとする美しさすら感じさせた。
もう一つ、この試合で今季初得点を決めた高萩が「こちらのシュートを決めたかった」というシーンがある。それは彼のゴールの直前、森崎浩司がドリブルで仕掛け、スイッチする感じで入れ替わった高萩が、森崎浩の飛び出しでつくったシュートコースに正確なミドルシュートを放ったシーンだ。GKのファインセーブによってポストに当たったのだが、ブロック崩しに必要な「ドリブル」「ミドル」に「コンビネーション」も加わった広島ならではの崩しが見えた。今週の練習でも、前線3人の関係性はさらに凄みを増し、ミキッチや山岸智が創るサイド攻撃も機能。チーム全体としての状態の良さも伺わせた。
いずれにしても、広島の生命線はコンビプレーだ。リーグ第2位の19得点を叩き込んでいるが、個人の独力突破によるゴールはほとんどない。シーズン当初は、前線のコンビがうまく機能せず、攻撃の構築に苦労する部分もあったが、石原がフィット感を強めるに従ってボールの動き方がバラエティに富み、サイド攻撃だけでなく中央からの突破も得点につながるようになってきた。
「(佐藤)寿人さんと(石原)ナオくんの動きがすごくいい。寿人さんがあけたスペースにナオくんが走り込んできたり。僕からすれば、ボールを持ったら必ずどちらかにパスが出せる状況ですね」
柏戦で佐藤と石原のゴールをアシストした高萩は、前線トライアングルの状態に自信を見せる。
一方の横浜FMは第8節の対神戸戦で今季初勝利をあげて以来3連勝。そこまでの7試合でわずか4得点しかとれていなかったのに、3連勝中の得点は7。まさに「爆発」という感がある。
横浜FMの主な得点パターンは、セットプレーだ。この3試合、中村俊輔の美しいプレースキックを基点に3得点をゲット。中澤佑二・栗原勇蔵に加え、今や「スーパーサブ」的な存在である谷口博之、さらにマルキーニョスも加われば、その高さの威力は半端ない。もちろん、中村は直接ゴールも狙えるわけで、広島にとっては自陣での安易なファウルは即失点につながる。
さらに際立っているのは、小野裕二と齋藤学という若きアタッカーたちの躍動だ。小野は3試合で1得点2アシスト。運動量も多く、技術と俊敏性が素晴らしい19歳は今や横浜FMの攻撃の中心。そして、横浜FMユースでは小野の2年先輩となる齋藤も1得点1アシスト。水本裕貴が「彼の調子の良さは要注意。勢いがいい」と、横浜FMでもっとも警戒する選手として、この若者の名前をあげていた。彼らの動きが前線をかき回し、最後にゴールを決めるのは大黒将志かマルキーニョスか。J1通算110得点をゲットしているマルキーニョスの先発復帰も噂されているが、「動きだしが相変わらず素晴らしい。パスが合っていないから得点はあまりとれていないけれど、本当に危険な動きをしている」と佐藤が警戒する大黒も牙を研ぐ。
名前をあげてみると、横浜FMがJ1屈指のタレント軍団であることがわかる。だが、個人能力の集積で勝負が決まらないから、サッカーは面白い。浦和戦のように横浜FMが引いてブロックをつくる可能性もあるが、それでも広島らしいコンビネーションで堅守を崩す自信もチームにはみなぎる。何より、9年連続二桁得点まであと1点と迫り、シーズン30点ペースを保っている佐藤の好調ぶりがチームに自信を与えている。
「相手は強いチーム。100%の力を出し切らないと勝利することはできない」
高萩の言葉は、全員の認識。さらなる上位を狙うために3試合ぶりのホームゲーム勝利が必要な広島。シーズン当初の「借り」を返すために大型連勝を必要とする横浜FM。好試合必至の対決となる。
以上
2012.05.11 Reported by 中野和也
J’s GOALニュース
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