5月23日、いぶきの森球技場での練習後。記者に囲まれた神戸・西野朗新監督は、前節リーグ戦でのクラブタイ記録となる7得点で快勝した鹿島の印象をこう述べた。「(リーグ戦の)序盤はいろんなリスクを持ってやっていて、機能していないかなと思う。(今節は)代表の関係でメンバーも少し変わるけれど、しっかり形を作ってくるのがアントラーズ。でも、過剰に反応する必要はないと思いますよ」。
大迫勇也がU-23日本代表で抜けるなど、鹿島は快勝した前節の札幌戦と同じ布陣では臨めない。だが、その札幌戦では7ゴールを全て別の選手が挙げていること考えると、大きな問題ではないのかもしれない。誰が出ても鹿島は鹿島、それが強みだ。特に、小笠原満男がゲームをコントロールできれば、遠藤康や興梠慎三、本山雅志らも生きてくる。札幌戦で見せたような、ゴール前でのトリッキーなプレーが出てくれば、鹿島のペースだ。しかも、3月20日のヤマザキナビスコカップでの対戦では、鹿島が今季の公式戦初勝利を挙げている。鹿島の選手たちにとって神戸戦はいい印象を持っている可能性も高く、神戸にとっては嫌な存在かもしれない。
とはいえ、神戸は西野朗新監督の初采配。前回の対戦成績やここまでのリーグ戦の戦いは、あまり参考にはならないかもしれない。西野監督は鹿島戦の采配について「まだ、そんなに選択肢があるわけじゃない」と話していたが、就任後の練習2日目には、左右どちらかのサイドでショートパスを6本つないだ後にサイドチェンジを行うなどG大阪時代のメニューを披露。ゲーム形式の練習では、前節の広島戦でFWとして出場し、今季初ゴールを挙げた森岡亮太をボランチで試すなど、興味深い点もいくつか見られた。さすがにシステム変更は無いかもしれないが、鹿島戦で新しい神戸が見られる可能性は非常に高い。
また、野沢拓也と田代有三、代表に参加していた伊野波雅彦の古巣対決という点も見逃せない。西野監督に変わって「(チームの)空気が変わった」と話す野沢は、「鹿島はすばらしい選手がたくさんいる。誰が試合に出てもおかしくない。でも、(例えばバルセロナの)メッシが11人居ても勝てるかどうかはやってみないと分からない。それがサッカーだと思うので、とにかく名前負けしないように。古巣を意識しないと言えばウソになるけれど、34試合のうちの1試合という気持ちで戦いたい」と静かに闘志を燃やす。
また、前節の広島戦で再復帰を果たした田代は「(リーグ開幕前から)この日に鹿島とホームで対戦するということを意識して、自分の復帰が間に合うようにリハビリしてきた。この鹿島戦への想いは強い。90分出られるかどうかは分からないけれど、途中出場でも何でも、出たらいい結果を残したい」と闘志を前面に押し出していた。
もちろん、この2人だけではなく、新しい監督が就任したことで神戸の選手たちのモチベーションは上がっている。特に、ケガの影響でルーキーの奥井諒にポジションを奪われている右サイドバックの近藤岳登は「いつまでも奥井にポジションを譲ってはいられない。西野監督も来られたことだし、そしてもうすぐ夏。“夏男”としても、しっかりアピールしていくつもり」と意欲的だ。
初采配、古巣対決、そしてモチベーションが高まった選手たち。新生神戸の船出は、見どころ満載のゲームになりそうだ。
以上
2012.05.25 Reported by 白井邦彦
J’s GOALニュース
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