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【J2:第18節 京都 vs 山形】レポート:高い技術と体を張ったプレーで互いに譲らず。注目の一戦は2−2のドローとなった。(12.06.10)

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首位攻防となった京都と山形の一戦は互いに譲らず2−2で勝点1を分け合った。京都は、コンディション不良でバヤリッツァが、富山戦で腿裏にダメージを受けたサヌが欠場。福村貴幸がセンターバックに入り、黄大城が左サイドバック。そして、久保裕也が前線に入った。対する山形は不動のメンバーで試合に入る。

まずチャンスを作ったのは京都。中村充孝から久保へ送られると、それをダイレクトで前のスペースへ、そこには宮吉拓実。一人かわしてシュートまで持ち込む。勢いを持って入った京都、その勢いのまま9分、先制点を奪う。右サイドからのFKを宮吉が一番裏で、頭で合わせゴール。スコアを動かした。

その後は一進一退の攻防が続く。16分に山形は京都のクリアボールを宮阪政樹がミドルを放ち、京都もCKのこぼれを工藤浩平がコントロールシュートを放つ。前半の中盤以降は山形が京都のサイドのスペースを突く形で押し込む様になる。42分には左から前線を絡め右サイドへと展開しクロス。山崎雅人がシュートを放つも水谷雄一がナイスセーブを見せた。だが、山形は連続した攻撃をしっかりと結果に結びつける。45分、萬代宏樹から裏へ走る山崎雅人へ送られ、これをシュート。GKに阻まれたこぼれ球を中島裕希がきっちり決めて山形が同点に追いつく。3トップが絡み合う巧みな攻めで山形が前半の内に追いつく。

後半は、早々に久保が立て続けにシュートに持ち込むなど京都が再び攻撃モードに入る。そして56分、京都のオフサイドで山形がリスタートしたボールを秋本倫孝が奪い中村へ。これをスペースに入った宮吉へ送ると、宮吉はGKとの1対1を冷静に流し込み京都が2−1とリードする。

すると今度は山形が盛り返し始める。32分には京都の右サイドの裏を取りクロス。途中出場の太田徹郎がシュートまで持ち込む。41分には右からのクロスに中島が頭で合わせるなど、フィニッシュにつなげた。
この辺りが今節の中で一番見応えがあった。山形の攻撃と京都の守備、どちらも体を張った肉弾戦と高い集中が表れた攻防となっていた。
刻々と時間が過ぎ、勝敗が見えてきそうな88分、山形は右CK。ゴール前に入ったボールをGK水谷が跳ね返すと、その浮き球が落ちる前に石川竜也が左足ダイレクトのインサイドボレー。これが京都ゴールネットを揺らし山形が同点に追いつく。
これを受けてまたもや点を取りに行く京都。山形も秋葉勝が鋭いミドルシュートを放つなど攻撃に出る。しかしその後スコアは動かずタイムアップ。結局2−2で勝点を分け合う結果となった。

まず今節、試合後に大木武監督も口にしていたが、11642人のお客さんがスタジアムに足を運んでくれた。京都はホームゲームJ通算250万人を突破。多くのお客さんで達成することができたのは本当に喜ばしいことである。勝利でこの記録を飾れれば良かったが、なかなか上手くいかないものだと痛感。

山形は2度追いつくゲームとなったが、その粘りは特筆に値するだろう。同点弾の石川のボレーは素晴らしいの一言。インサイドボレーという地味な基本キックだが、GKが弾いたボールに順応し、ボールを落とすことなく、冷静確実に、蹴り込むのは、体に染み込んだ技術の賜物だろう。基本技術で観客を驚かせる、その見本となるだろう。

対して京都。宮吉の得点にまず拍手、である。先制のヘディングシュート。高さがない、と言われる中、空中戦の強さを見せる宮吉。これも技術である。2点目の裏への飛び出しも得意のプレーが飛び出した。これも見事である。今節は、もう一人、福村も素晴らしい出来だったのではないか。特に後半は京都のディフェンスの安定感は評価できるだろう。その中でも福村は1対1でも強さをみせ、マイボールにしてからも攻撃の糸口を探そうとした意識も高く、自信が表れていた様にも観えた。

内容は、と言えば、ちょっと京都らしくなかった様にも見えた。後半、京都がリードしてから、山形はロングボールで攻撃を開始していた。前線やサイドへ長いボールを送り、起点が出来ると2列目も攻撃参加、という感じだ。そのロングボールをしっかりと跳ね返し、セカンドに早く対応したのも京都だった様に思うのだが、それがつながって攻撃に入る、ということは少なかった。活性化している時の京都はポジションを乗り越える感じがある。ボランチが前線よりも飛び出す、サイドバックが攻撃参加する、前線が最終ラインからフィニッシュに絡んでいく。良い意味で、グチャグチャ。だが今節は逆に、最終ライン、アンカー、中盤、前線と理路整然な感じがした。この、今までとは違う感じから新しいものが生まれるかも知れないので、これはこれで、「修正点」と決めつけるよりも見守る必要もあるのかも知れない。

これは最近思うことだが「ミスを恐れるよりも、もっとミスになってしまう様なプレーがあってもいいのでは」と考える。中盤でのパスミス、判断ミス。これでゲームが決定してしまうことが多いのだが「ミスから生まれる混沌」をもっと前向きに考えてもいいのではと思うのだ。
例えば、相手の速攻で福村が無謀に突っ込んで簡単にかわされる。次の黄大城も同様にやられたとする。でも、秋本が次行って、安藤淳が戻ることで対応できたとする。その次に秋本が前にボールを出した時に、ぽっかり空いた中盤に、抜かれた福村がボールを受けてつなぎ役になった、という結果論的グッドプレーの可能性も否定できない。
ミスが起こっても「プレーが続けば」それがチャンスになることも多々ある。今節の京都の2点目は山形のリスタートからだが、その時の宮吉のポジションはその直前でオフサイドになったことが影響している。「プレーさえ続けば、直前のプレーがチャンスを産む」様に感じるのだ。
「全員がプレーを続ける」という絶対的な前提は付くが、「ミスが起きても、やりたいプレーをやり続けて欲しい」と、なかなかボールを受けられないリードしてからの戦い方を観て考えさせられた。

以上

2012.06.10 Reported by 武田賢宗
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