「前半は、ほぼ狙いどおりのパーフェクトな守備で、相手に何もさせなかった」
横浜F・マリノス 樋口靖洋監督の記者会見での談話の一部だ。
被シュート数は前半1本、後半2本の計3本、FC東京に決定機を1度も与えなかった。得点は兵藤慎剛が挙げた決勝点のみとなったが、それでも“強さ”を印象付けるのに十分なゲーム内容だった。
序盤から横浜FMは、2トップの小野裕二、マルキーニョスを軸に積極的にアタックを仕掛ける。14分には小野が3人目の動きで、マルキーニョスのダイレクトの落としを受けて裏へ抜け出す。20分には再びマルキーニョスのパスから小野がGKと1対1になり、ワンタッチシュート。ネットを揺らすも、これはオフサイドだった。
F東京DFは、相手のダイレクトプレーへの反応が一歩遅れるため、後手を踏み、何度も裏を突かれた。それでも高橋秀人の懸命なカバーリングなどでピンチを凌ぐ。
しかし、31分の先制点は止めらなかった。中村俊輔の横パスをボランチ富澤清太郎が狙い澄ましたダイレクトのスルーパス。そこへ走り込んでいたのは、兵藤。「完璧だった」と自身で振り返る反転しながらのトラップ後、ゴール右隅へ蹴り込んだ。
兵藤は35分にも決定機を迎える。齋藤学のDFの間を通すパスを受けて、フリーでシュート。だが、相手GK権田修一が伸ばした右足1本でのビッグセーブに弾かれた。
F東京の攻撃は、相手DFの前を向かせないタイトなチェックに苦しみ、突破口がなかなか見つけられない。古巣と初めて対峙したボランチ長谷川アーリアジャスール、1トップ渡邉千真も、中央のゾーンで潰され、バイタルエリアで仕事をさせてもらえなかった。
後半に入ると、横浜FMはリスクマネージメントの意識が高まり、無理して攻撃に転じなくなる。それでもラインは下がり過ぎることなく、前線から中盤までの距離がコンパクト。中盤とDFでサンドする守備で、F東京に付け入る隙を与えなかった。
途中、F東京は渡邉を下げて河野広貴を投入。それまでサイドにいたルーカスを1トップに据え、最終ラインを3枚にして、攻撃の厚みを出そうとしたが、うまく機能せず。終盤は、横浜FMが完全に守備ブロックを敷く盤石の試合運びで、1−0ながら達成感の大きい白星を手にした。
横浜FMはこれでリーグ戦7戦負けなし(5勝2分)&3試合連続無失点。昨年の好調時を思わせるしたたかな戦いぶりに、選手たちも手ごたえを感じていた。「今日のゲームをチームのベースと考えて、最低限こういうゲームができるようになれば、上位に行ける」(兵藤)。
試合後、トリコロールパラソルが乱舞し、歓喜に揺れる横浜FMゴール裏とは対照的だったF東京のゴール裏。試合終了後、「シュート打て!」コールとブーイングが入り混じる。ランコ ポポヴィッチ監督は、記者会見の冒頭に「本当に、悲しい試合でした」とポツリ。次戦23日セレッソ大阪戦(@味スタ)で同じ過ちを2度続けることは、絶対に許されない。
以上
2012.06.17 Reported by 小林智明(インサイド)
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