「2010年、2011年の強いレイソルに戻りつつある」。柏の“キング”こと、レアンドロ ドミンゲスは自信に満ちた表情でそう語った。10位という現在の順位を見れば、依然として「調子の出ない昨年王者」と言われてしまうかもしれないが、前節の大宮戦の勝利によってリーグ戦は4連勝となった。
上昇傾向にあるチームに手を加える必要はない。スタメンは大宮戦のメンバーがベースとなり、出場停止の増嶋竜也に代わってセンターバックには那須大亮が入る。那須はすでに近藤直也とディフェンスラインを組んだ経験があり、コンビネーションについて問われると「何も問題はない。(近藤は)戦術理解が高いのでやりやすい」と自信を持つ。さらに、今節はハノーバー96(ドイツ)への移籍が決まった酒井宏樹の日立台ラストマッチとなる。「勝って送り出してやりたい」(工藤壮人)という雰囲気がチーム全体を取り巻いており、おそらくサポーターも酒井の躍動を期待し、普段よりもテンションの高い雰囲気を作り上げてくれるに違いない。
柏の選手たちはこぞって「6月の戦いは特に重要だ」と話している。その理由は対戦相手の顔ぶれにある。鹿島、F東京、G大阪と、いずれも難敵揃い。特に今節対戦する鹿島は、昨シーズンこそ柏がホーム、アウェイとも勝利を収めたものの、柏のクラブ史上、最も苦手とするのが鹿島であり、昨年の勝利もホームが9年ぶり、アウェイにいたってはリーグ戦ではカシマスタジアム初勝利だった。今節は、4連勝で昨年の強さが戻ってきた柏の真価が問われる。
鹿島は、連勝で迎えた前節の名古屋戦では永井謙佑の個の力に屈した感がある。試合内容自体が悪いというわけではなく、鹿島の方に傾いていた時間帯が多かったようにも思える。那須が「興梠(慎三)やジュニーニョといった前線に速い選手がいる」と警戒を強めるように、鹿島が名古屋戦で何度か見せたカウンターは速く、鋭い。先制弾をお膳立てした柴崎岳のパスセンスには非凡なものがあり、ビルドアップ時に柏にミスが生じたり、守備にわずかな綻びを作れば、まず鹿島の繰り出すカウンターの餌食になると考えた方がいい。大宮戦でのカルリーニョスのスピードに屈したような場面を作ってしまっては、それこそ鹿島の思うつぼだ。
鹿島の最終ラインには岩政大樹が立ちはだかる。柏の1トップ、工藤とはミスマッチが生じ、当然空中戦では分が悪い。ただ、プレスのきついエリアでパスばかりつなぐのもリスクが発生する。長めのボールでディフェンスラインの裏を狙うことは悪い手ではないため、昨シーズン第6節での北嶋秀朗(現熊本)の先制弾のように、ロングボールでも岩政を外してピンポントで前線に当てることができるか、もしくはピッチ全体をワイドに使い、揺さぶりをかけながら鹿島の陣形をずらし、裏とバイタルのスペースを巧みに使い分ける戦い方が、柏には必要とされるだろう。
気温も徐々に高まり、選手たちにとっては体力的に厳しい時期が訪れたのかもしれないが、暑いバイーア州出身のレアンドロとジョルジ ワグネルは「暑い方が体が切れて調子が良い」と話している。絶対的キーマンの両者だけに、彼らの調子が上がるのは好材料。また彼らのスーパーな力を借り、勝利を挙げて柏はさらに上へと突き進む。
以上
2012.06.22 Reported by 鈴木潤
J’s GOALニュース
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