18時キックオフの試合は公式記録上、気温29.3度で無風。日中の猛暑こそ峠を越えているものの、サッカーをするにはまだまだ厳しい気候だったが、愛媛の選手も大分の選手もその暑さを振り払うかのように90分間走り続けた。互いにゴールに迫る場面が多く、まさに白熱した試合内容でもあった。
前半、主導権を握るかに思われたのは愛媛だった。前半10分、愛媛はスローインからボールをつなぎ、左右にサイドを変えながら攻撃。トミッチのパスでスピードアップすると右サイドを駆け上がってきた高杉亮太の折り返しを前野がスルー、有田がシュートを放った。ゴールには至らなかったが、直後にも同じような形で赤井秀一がシュートを放つなど、愛媛はボールを保持する時間を長くして大分のゴールに迫っていった。
ただ、大分にとっては想定内の展開で冷静に対応。そして愛媛とは逆に、シンプルにゴールを目指すことで先制に成功した。前半25分、最終ラインからのロングボールに森島康仁が競り勝つと、三平和司が頭で押し込みリードを奪った。さらに前半35分には三平が自陣からドリブルでしかけ、西弘則へラストパス。シュートは愛媛のGK秋元陽太がファインセーブで阻んだもの、手数をかけず、スピードに乗った攻撃で愛媛のゴールを脅かした。
しかし、後半に入ると愛媛はシュートにつながる攻撃の形を増やしていく。その中で再三、右サイドからしかけたのは途中出場の渡邊一仁だ。後半3分には深い位置までえぐってトミッチのシュートに結びつけると、後半17分には再び同じようなドリブルでしかけ、ニアサイドの福田健二にラストパス。これも大分のゴールネットを揺らすことができなかったが、渡邊が入ったことで両サイドの攻防を愛媛が制していった。そして勢いを増す愛媛は、後半21分にバルバリッチ監督が3枚目のカードを切ると、この采配が的中。大山はファーストタッチで前を向くと、豪快なミドルシュートで同点ゴールを叩き込んだ。直後に愛媛は大山を絡めてカウンターをしかけたが、前半にはなかったスピードのある攻撃を加えて逆転を狙った。
攻める愛媛、そして守る大分という状況ができつつあったが、それでも勝負強さを発揮したのは大分だった。後半40分、フリーキックのチャンスに再び三平が頭で押し込み大分がリードを奪う。大分にとっては後半2本目のシュートだったが、これが決勝点となり勝点3をつかみとった。大分にとっては順位を一つ押し上げ、首位に手が届く位置にとどまる貴重な1勝。シーズン前半戦の愛媛との対戦と同じように、必ずしも上手くいかない状況で勝点3を取り切るあたりをみると、今後も昇格争いを続けられるチームになっているといえるだろう。
逆に、愛媛としてはまたしても勝負どころで勝点3を引き寄せられないもろさを露呈。5試合勝利から遠ざかる苦しい状況に追い込まれている。それでも、それらの試合を冷静に振り返れば、愛媛らしい、前線から守備を怠らずパスをつなぐサッカーができている時間帯も少なくない。あとは、ひとつ結果を出すだけ。今のサッカーをぶれずに、選手個々がさらに上のレベルを目指してピッチの上で戦い続けることができれば必ずトンネルを抜け出すことは可能だ。
以上
2012.07.30 Reported by 近藤義博













