今季序盤の悪夢を思わせる負の連鎖から脱出できるのか。2節ぶりのホームゲームに臨む名古屋のテーマは、その一点に尽きる。負傷者が続出し、連戦の疲れも影響してか前節では最下位の札幌に後半アディショナルタイムで勝ち越され、敗戦。首位を追う立場として貴重な勝点3をみすみす与えてしまった。これ以上の被害を抑えるためにも、今節での勝利は必須条件。この時期の連敗は上位争いからの脱落にもつながりかねない。
だが、名古屋の厳しい台所事情はこの1週間で何も変わっていない。改めて主力の負傷者を列挙してみれば、長期欠場中なのが中村直志、玉田圭司、磯村亮太の3人。他にも楢崎正剛、ケネディ、ダニルソンが別メニュー調整中で、永井謙佑は周知の通りロンドンオリンピックで大活躍を見せている。スタメンを張るべき選手たちの半数が不在という状態は前節同様で、さらにはその試合で退席処分を受けたストイコビッチ監督も今節は出場停止。状況はむしろ悪化していると言っていい。唯一の明るいニュースは7月25日のヤマザキナビスコカップで負傷し全治3週間と診断されたダニルソンが週後半の練習に復帰したことだが、これも本人曰く「まだまだだよ。神戸戦はわからない」とのこと。出場の可能性は残されているが、現段階では厳しいと言わざるをえない。
自らのホームで名古屋に0-1で敗れている神戸は、リーグ中断明けから3連勝の後2分1敗けとまずまずの成績。西野朗監督の指導も徐々に浸透してきたようで、元々のアグレッシブなスタイルに攻撃のバリエーションがプラスされてきた感がある。移籍組の野沢拓也と橋本英郎をアクセントに、朴康造や田中英雄といったバイタリティのあるMFが運動量豊富に組織をつなぎ、フィジカルに優れた奥井諒と相馬崇人の両サイドバックが攻撃に厚みを加える。フィニッシャーには伸び盛りの20歳・小川慶治朗が軸となり、エース大久保嘉人、高さのある田代有三、都倉賢らがしのぎを削る。中でも前節で芸術的なボレーシュートを決め好調をアピールした大久保は、今節のスタメン候補と言えそうだ。
このところ田中マルクス闘莉王をFW起用することで駒不足を補ってきた名古屋だが、今節でもそれは継続が濃厚だ。膝を負傷したケネディの状態はいまだ思わしくなく、3トップにはようやくA契約にこぎつけた吉田眞紀人が入る苦しい布陣。金崎夢生の調子は良いことが救いだが、攻撃力の確保には背番号4のストライカーがまだ必要だ。中盤は藤本淳吾と小川佳純、そしてアンカーに田口泰士という攻撃的なトリオとなるが、守備力には不安が残るだけにDFラインの負担は普段より増える。田代や都倉の高さに対する不安要素はあまりないが、小川や大久保のスピードへの対応は、名古屋にとってひとつの焦点となるだろう。逆に言えば神戸の付け入る隙はそこにあるということ。名古屋の自陣内での攻防は、この一戦の趨勢を握るポイントとなる。
今週、名古屋は炎天下の中で異例の長時間ランニングを敢行してきた。誰もが最下位相手の敗戦に対する“罰走”と見た指揮官の猛ゲキに、選手たちが何も感じないわけがない。前節と何も変わらない苦境の中、メンタル的に刺激を入れられた名古屋の反応は見ものだ。ここから1週間で3試合のハードスケジュールも待つだけに、その初戦は何としてでも勝ちたいところ。久々の聖地・瑞穂でのゲームは、夏本番を迎えた気候以上に熱いものになる。
以上
2012.08.03 Reported by 今井雄一朗
J’s GOALニュース
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