暑い。とにかく蒸し暑い。立っているだけで汗が噴き出る。最高気温は35度超えが続き、大阪市では9日連続猛暑日を記録(8月3日時点)。7月24日から最低気温25度以上の熱帯夜。さらには、平均湿度が60%を下回ったのは7月の1カ月間でたった1日のみ(以上、気象庁ホームページより)という、灼熱、酷暑という言葉がぴったりの大阪。その厳しい環境のもと、崖っぷちの状況に追い込まれている16位C大阪と18位札幌の下位直接対決が、大阪・長居公園にあるキンチョウスタジアムで行われる。
C大阪、札幌の両者とも、苦戦続きの今季。C大阪は6月、7月の2カ月間で2分4敗とリーグ戦白星なし。前節の敗北でとうとう16位にまで後退した。一方の札幌も、前節の名古屋戦でようやく2勝目をあげたものの、それまではリーグ戦9連敗。現在の勝点はリーグ唯一の一桁台(7)だ。ともに、8月最初のJ1となるこの第20節をきっかけに、勝ち星を、勝点を積み重ねて、最低限のノルマとなるJ1残留を達成したい。だからこそ、この一戦の重要度はとてつもなく大きい。
C大阪は、札幌に、今季第9節で0−1と敗れ、相手にJ1復帰後初白星を献上。「最悪の結果」(ケンペス)、「本来やるべきことが出せていない非常に内容の悪いもの」(セルジオ ソアレス監督)と、当時の試合後にも述べていたように、悔しい思い出だけが残る試合だった。この一戦後、C大阪がリーグ戦で勝利したのは第13節名古屋戦のみ。もし、今回も負けるようなことがあれば、今季リーグ戦初の3連敗となってしまい、次節のG大阪との大阪ダービーを最悪の状況で迎えることにもなるだけに、ホームでの札幌戦は必勝こそがC大阪の最大の使命となる。
そこで、鍵となるのは、新戦力の活躍だ。清武弘嗣だけでなく、今季7得点を叩き出していたキム ボギョンまでも海外移籍が決定。攻撃の主軸を失ったなかでの戦いを強いられる今、7月下旬にC大阪へ加入したばかりの2選手にかかる期待は非常に大きい。梶野智強化部長曰く、「2列目から点の取れる選手」という枝村匠馬は、すでに前節の柏戦で途中出場。その翌日の練習試合でもプレーし、すでにチームにも馴染んだ様子。柿谷曜一朗ら前線とのコンビネーションも、練習を重ねるごとに深まっており、得点力アップの切り札となるだろう。
また、イタリアのセリエAで8シーズンを過ごし、今夏にローマからC大阪にやってきたブラジル人MFファビオ シンプリシオも、来日直後の25日には練習試合に出場。「まだ100%ではない」と言いつつも、ボランチのポジションでチームに落ち着きをもたらすプレーを随所に披露し、今週の練習でも積極的な姿勢が目立った。「経験ある選手だし、チームを引っ張ってほしい」と指揮官も期待を込める新7番は、自身も「勝利に貢献したい」と意欲も十分。決勝トーナメント進出を決めたロンドンオリンピック日本代表の山口螢と扇原貴宏が今節は不在なうえ、主将でセンターバックの藤本康太が累積警告により出場停止と苦しいなか、ブラジル代表経験もあるMFが、チームに流れを呼び込めるか。その初陣は、はやくも今回、この札幌戦でやってくる。
対する札幌も、新戦力が注目の的。前節名古屋戦でJ1デビューしたテレ、ハモン、金載桓の新外国籍選手トリオは、ホームの厚別で、チームにC大阪戦以来の勝利をもたらす原動力となり、石崎信弘監督も試合後には「1週間前に新しい選手が加入して、今日のゲームというところで、それぞれ彼らが特徴を出してくれた」と称賛。特にハモンは攻撃のキーマンになりそうな予感が漂うプレーを披露し、C大阪のセルジオ ソアレス監督も「ハモンのことはよく知っている」と警戒している。さらには、前回のC大阪戦で勝利の立役者となった近藤祐介、前田俊介といった選手たちがチームに復帰してきているのは心強い。札幌にとっては、蒸し暑い大阪の地は難所となるが、ここで目前のライバルを叩き、リーグ戦初の連勝を達成したい。
2日(木)の練習に、「プロに入って2、3年目以来かな」という丸坊主姿で登場していたのは、C大阪生え抜き10年目の酒本憲幸。「気分転換」と言いつつ、決意の表れを示した17番は「失点しなかったら負けはないので、大事に入りたい。ホームなのでアグレッシブに前からプレッシャーをかけて相手を圧倒したい。負けられない戦いが続くので、みんな分かっていると思うし、もうやるだけ」と一層の気合いを込める。C大阪は「しっかりと(今節に)集中するため」(セルジオ ソアレス監督)として、異例の2日前から、選手、スタッフ全員での前泊を敢行。相当な危機感を持って、この一戦に臨む。その成果は結実するのか。それとも、またしてもC大阪は札幌に苦汁をなめさせられるのか。8月最初の試合で、C大阪も、札幌も、重要な局面を迎える。
以上
2012.08.03 Reported by 前田敏勝
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