リーグにおける徳島の状況は、非常に厳しい。残り10戦となっても上位に迫り切れておらず、プレーオフ圏(現在の6位・京都)との勝点差は未だ13も開いているのである。もちろん可能性がある限り昇格という目標を諦めるわけにはいかないが、しかし現実としては上にいるライバルたちの崩れがなければ目指す先への到達が困難な立場。やはり他力に頼るところは大きいと認めざるを得ないだろう。
ただ、だからと言って他力が味方してくれるのを待っているようでは今季の火もきっと消えてしまう。自分たちに出来る最大限のことを実践し、波瀾の展開が生まれるような下地を自らの手で作っていかなければ。具体的に言い換えるなら、これからの残りゲームに勝利し続けることで上位陣にプレッシャーを感じさせ、その影響をもって彼らがグラつく可能性を高めるということだ。
となれば、異なるコンペティションであっても、この天皇杯を別物と切り離すことは出来ない。ここでも自分たちのサッカーを追求し、きっちり白星も挙げて、そのいい流れを最後の捲りのパワーへ繋げることが徳島には求められよう。
そしてその徳島が迎える天皇杯2回戦で最もこだわるべきは間違いなく攻撃面。というのも、チームのそれは最近のリーグ3試合で尻上がりに良くなっているからである。実際それを証明するように前節、前々節では続けて複数得点を記録したし、特に前節では山形の堅守を見事な組み立てで破り2度もネットを揺らして見せた。それだけに、グッと出てきた成長をここで一気に伸ばし、続くリーグでも安定発揮できるものへと固めておきたい。
またさらに掘り下げれば、そうした攻撃の中でもグループ連携を絡めたサイドからの崩しはチーム全体としてより強く構築しておきたいところだ。前記した前節・山形戦の2ゴールがどちらも左タッチライン際からの攻めであったように、それを機能させられた時には得点の可能性が大きく高まるのだから。
そう考えると今週の徳島のカギを握るのは両サイドハーフであろう。好調を維持している太田圭輔はほぼ間違いないとして、もう1人は徳重隆明か宮崎光平が先発有力だが、誰が起用されてもそこを担う選手の働きが非常に重要となってくると思われる。サイドバックが駆け上がる際には内側への絞り込みでタイミングよい空間作りを必要とされるし、津田知宏ら最前線の選手が流れてボールを受ける時には効果的な距離でのサポートへ常に入らなくてはならない。加えて、自らの積極的な仕掛けもその位置の選手には不可欠と言えよう。それもあれば相手にはいっそうの守り難さを与えることが出来、チームの攻撃はよりバリエーション豊かなものへ進化していける。
とは言え、対するファジアーノ岡山ネクストも、そのような徳島の思惑を簡単に許すほど甘くはないだろう。野心を燃やす選手たちは激しく球際で戦い、意欲とエネルギーに満ちた攻守で金星を狙ってくるに違いない。また1回戦をタフに戦い、4−0で勝ち上がったことで得た勢いは間違いなくプラスアルファの力となってこよう。もし彼らが粘り強さを出して拮抗した戦況に持ち込めたなら、その勢いが驚きを起こすことも十分にあり得る。
8日のゲームは天皇杯。だが、今の徳島にとってそれは紛れもなくリーグと同一線上の戦いだ。果たして選手たちはその90分でどのようなパフォーマンスを見せ、どう自らの準備へ結び付けていくのだろうか。注目が集まる。
以上
2012.09.07 Reported by 松下英樹
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