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【第92回天皇杯 2回戦 広島 vs 今治】プレビュー:新戦力の躍動に期待を込めて。広島は難しい天皇杯初戦を四国の雄・FC今治と対峙する(12.09.07)

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ここ2年間、広島は天皇杯の初戦で苦戦し、その次の試合で敗退するパターンを繰り返している。2010年は中国リーグのデッツォーラ島根と対戦し、4−0と勝利したが前半はむしろ島根ペース。ハーフタイムにはペトロヴィッチ監督(当時、現浦和)が「サンフレッチェのシャツが似合うのは彼らのほうだ」と激怒したほどの試合内容だった。
昨年はツエーゲン金沢(JFL)と対戦。先制したものの一時は逆転を許し、再逆転した後も「あわや」というシーンを何度もつくられた。いかに天皇杯というトーナメントの初戦が難しいか、これらの歴史が証明している。

明日、広島と対戦するFC今治は、四国リーグで現在首位を走り、来季のJFL昇格を視野に入れたチームづくりを進めている。初戦は福山大と激戦を演じ、延長戦の末に2−1で勝利。かつて広島で指揮を執ったこともある木村孝洋監督は古巣との対決に向け「守備の時間は長くなると思うが、カウンターで少ないチャンスを活かしたい。勇気を持って闘いたい」とモチベーションを燃やしている。「最後まで身体を張ったプレーができた」と木村監督が評した初戦の闘いを彼らが続けてくれば、J1で首位戦線を闘う広島といえども容易に勝てる相手ではない。

実は今年4月29日、両チームは練習試合で対戦し、7-1で広島が勝利している。井波靖奈がハットトリックを記録するなど広島の若者たちが躍動し、内容・結果共に今治を圧倒した闘いだった。
しかし、練習試合で圧勝したからといって公式戦も同様の結果になると言い切れるほど、サッカーは甘くない。稲田圭哉主将(今治)は「失うものはない。波乱を起こすためにも頑張る」と闘志を燃やしており、J1上位のチームに挑戦する今治のモチベーションは十二分。広島がもし「下のカテゴリーだから」と気持ちを緩ませ、「うまいことやってやろう」などという「邪念」が入れば、そこに隙が生まれる。たたでさえ、広島は代表に水本裕貴や西川周作、ファン・ソッコが招集され、山岸智・中島浩司・ミキッチは負傷離脱中。リーグ戦前節の対磐田戦で腰を負傷した青山敏弘も出場が微妙と、メンバー編成が難しい情勢なのだ。

だが森保一監督は「僕らは、ヤマザキナビスコカップやリーグ戦でも、1試合1試合を集中して闘ってきた。代表や負傷者の影響で、メンバーは代わってしまうが、そのスタンスは同じ。週1回ペースの試合でリズムもつくりやすいですから」と冷静に語る。「タイトルを狙う」とはっきりと公言した森保監督とその仲間たちにとって、明日の試合は「元日・国立」への第一歩。結果・内容共に「次につながるサッカー」(森保監督)を見せつけたい。

それに主力を欠いた現状は、試合出場機会が乏しい選手たちにとってはビッグチャンス。例えばそれは、今年8月に水戸から移籍してきた塩谷司だ。
ここまで3試合連続メンバー入りを果たしているものの出場機会はゼロ。だが明日は最終ラインの選手に離脱者が多いこともあり、先発の可能性も濃厚だ。練習では局面の強さやパスセンスも発揮し、森保監督からの評価も上々。「練習試合ではボールを持ち上がっての攻撃参加も見せてくれているし、彼の攻撃的な特長を公式戦でも発揮してくれれば」と大きな期待を寄せている。
今季の水戸ではレギュラーとして25試合に出場。国士舘大時代からの恩師である柱谷哲二監督をはじめ、選手・ジャーナリスト・サポーターからも高い評価を勝ち得てきた塩谷ではあるが、広島ではまだレギュラーの牙城を崩せない。だが彼にはまだ、焦りはない。
「この移籍は僕にとって大きな挑戦。ちょっと試合に出られないからといって、悲観することもない」と冷静だ。「広島はスピードも速いし、ポジション取りにもまだ課題はある。でも自分では、かなりチームに馴染めてきたと思う」と手応えも感じている。千葉和彦も「シオは1対1も強いし、カバーリングもいい」と信頼を寄せ、森脇良太は「シオの良さを引き出すためにも、前向きな言葉をかけていきたい」とサポートを誓った。水戸での最後の試合でサポーターは「日本代表になれ」と彼に檄を飛ばしたが「それだけのポテンシャルを持っている」とJ2時代の彼を知る人は口を揃える。そんな塩谷が広島デビューを飾る可能性もあるわけで、それも明日の大きな楽しみの一つだろう。

「難しい試合になるとは思うが、自分たちから崩れないように闘いたい」と森脇は唇を噛み締める。翌週、仙台との首位決戦を控えている広島だが、その大一番に勢いをつける意味でも、明日の天皇杯初戦はしっかりと結果を出したい。試合会場となる福山のサッカーファンは、優勝戦線の主役となった広島のひたむきかつ美しいサッカーと、彼らに挑戦する今治の情熱とのぶつかり合いを、楽しみに待っている。

以上

2012.09.07 Reported by 中野和也
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