川勝前監督の辞任後最初の試合となった9月8日の天皇杯2回戦(vsHOYO大分)に3-0で勝ち、東京Vは6試合ぶりの公式戦勝利を挙げた。さらに8試合ぶりの複数得点を挙げることができた試合でもあったが、相手とのカテゴリー差(JFLとJ2)を考慮した中での『3点』という数字、そして全体的な内容からも、選手たちから楽観的な言葉はほとんど聞かれなかった。中でも森勇介は「あの試合は“勝つこと”が大事だったから、それだけが収穫」とし、HOYO大分戦勝利が、J1昇格実現に正念場を迎えているリーグ戦へ向けてチームが改善されているかの「参考にはぜんぜんならない」と、あえて厳しい言葉を口にしている。そして、「だからこそ、次の福岡戦が最高に重要」だと位置づける。「福岡戦で、今の自分たちの力がどのくらいかわかる」と、キャプテン森。今節、東京Vにとって命運かかる一戦となりそうだ。
その大事な今節を前に、11日に正式に就任が発表された高橋真一郎新監督が選手たちに話したのが、「やり方の再確認」だったという。「やることを明確にして、それをもう一度確認しただけ。あとは、実際にピッチでやるのは選手。ポイントポイントではアドリブ力のある能力の高い選手ばかり揃っているので、彼らのそれに任せたい。ただ、その中でも『“個”の前にチームとしての優先順位を考えよう』とだけは言った」。前監督が約2年半かけて築き上げてきたサッカーを引き継ぎつつ、いかに選手たち自身が“創造力”を共有し、発展させて結果へと結びつけていけるか。残り10試合、高橋ヴェルディ最大のテーマとなる。
高橋監督は、目指すサッカーについて「基本的にはまずしっかりとした守備」と語っている。監督代行を任された直後には「もっともっと攻撃的なサッカーをしたい」と明言していただけに、一見、真逆とも受け取れなくはないが、「しっかりと良い攻撃をしていればカウンターに備えることができる」というのが真意だという。そういう意味でも、今節は「いかにカウンターを食らわないか」を最大のポイントとして挙げたい。
そのためには「とにかくパスミスをしないとか、ちょっとしたところでのミスをなくすこと」が絶対条件だと森は語る。「やっぱり、これから攻めるって時にパスミスしたりして相手に取られると、そこから切り替えて全力で戻るのは体力的にもキツイ。それを恐れて上がれなくなると、攻撃に厚みがなくなってしまう。まずは取られないこと。もし取られても、すぐに人数をかけて奪いにいくとか、リスクマネジメントだけは全員でしっかりと意識してやりたい」。(森)
攻撃面では、やはり阿部拓馬に注目したい。ここしばらく、本人が納得できる形でのゴールからは遠ざかっているが、「調子は悪くないです」と、エース。実は、7月以降なかなか得点数が上がらない状況が続いているが、日頃周りの声に左右されない「マイペース」と評される阿部ですら、さすがにナーバスになったと明かす。「いろんな人から『点取ってないけど、どうしたの?』とか『調子悪いじゃん』とか言われて、気にしないようにしようと思っても、どこかで気にしてしまって…」あまり感情を顔に出すタイプではない阿部が、東京Vのエースと認知されて以降、久しぶりに口にしたネガティブな感情だった。
だが、どうやらそれも完全に吹っ切れたようだ。「よく考えたら、点を取れば研究されるのは当たり前。J1に行けばもっともっと言われることだと思う。メッシ(FCバルセロナ/スペインリーグ)なんて、1試合取らないだけで言われますもんね。それに比べたら、ボクなんて全然楽です」。今では一変、自分が上のステージへ進んでいくために必要な試練だとすっかりポジティブなモチベーションへと変わっている。「もうチームも自分もブレないでいきます」迷いの消えたエースから目が離せそうにない。
対するのは福岡だ。開幕前は昇格候補の一角として名前も挙がっていたが、ここまで16位と今季は苦しいシーズンとなっている。それでも、「メンバー的にスゴい人が揃っているというイメージ」だと、東京V・阿部は印象を語る。実際、DF古賀正紘をはじめ、坂田大輔、成岡翔、鈴木惇、城後寿といった世代別日本代表経験を持つ選手が名を連ねている。中でも、坂田と新加入・オズマールの2トップは強力だ。スピードある突破と破壊力抜群のシュートでゴールを量産する。今節も迷いなくゴールを狙ってくるだろう。その強力2トップを両サイドでサポートする成岡、城後の攻撃センスも非常に高い。総得点数「44」だけみれば、プレーオフ進出圏内の6位以内に位置していても全く遜色ない数字である。
その一方で、現在の順位に甘んじる最大の原因は守備だろう。総失点数「51」は、鳥取の「64」に続いてのワースト2位では、やはり厳しいと言わざるを得ない。和田拓三、キム・ミンジェの両サイドバック含め攻撃的な選手が多く、破壊力ある攻撃の反面、やはり守備への比重が軽くなりがちに見える。攻撃にかける枚数の状況判断、攻撃の際のポジショニング、絞る、下がるなど攻撃選手の守備での約束事の徹底など、守備面でのチーム全体の意識統一こそ、最大のテーマとなりそうだ。第27節での無失点勝利以来、ここ5試合は複数失点が続いてしまっている。まず、シャットアウトを目指したい。
「この時期になると、内容にもこだわっていきながら、それ以上にとにかく結果を出さなければいけない。自分たちのサッカーをしながら勝ちたい。でも、それができなかった時でも、しっかりと勝てるようにしていきたい」J2もいよいよ残り10試合となった。森の言葉は、すべてのチームに当てはまると言えるだろう。
以上
2012.09.13 Reported by 上岡真里江
J’s GOALニュース
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