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【J2:第35節 北九州 vs 甲府】プレビュー:後半戦絶好調同士の対戦。積み上げが開花する北九州が、16戦負けなしの甲府を迎え撃つ。(12.09.23)

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シーズン後半戦を波に乗って前進し続けている北九州と甲府が対戦する。首位・甲府は16戦負けなし。北九州も8戦負けなしとチーム記録を更新中で、直近に限れば4連勝。「キャンプ中から積み上げてきたもの」(三浦泰年監督)が結果に直結してきている。

北九州の好調の要因を探せばいくつも思い当たる。結果に直結するところから拾っていくと、FWがきっちりと点を取っていることや、ボールを不用意に失わなくなったこと、ハードディフェンスによってピンチを摘んでいること――。戦術を実行に移す力も、試合の入り方も、頭に浮かぶすべてが要因としては正解だろうし、それを一つに凝縮すれば冒頭の三浦監督に言葉になる。
そして、この好調は必ずしも、1から10まで選手たちが『監督の言う通りに動いた』から得られた結果ではない。マリオネットを演じるのではなく、相手のストロングポイントとウィークポイントを把握したうえで、最後は選手たちがプレーを選択した。

前節の千葉戦。北九州は序盤、長いボールを使って相手の背後を突いた。守備のほころびを狙うためのロングフィードの有効性は、おそらく、コーチングスタッフを含めチーム全体で共有されていただろう。ただ、最後に判断したのは選手だった。木村祐志は「始まる前にピッチが堅かったので、監督の指示ではなく、自分たちで考えて決めた」と振り返る。
これは穿った見方かもしれないが、判断をしなければいけないほどにサッカーのオプションが増えてきたとも言えるだろう。三浦監督が植え付け、育てている戦術と技術とメンタリティ――三浦監督はよく『テクニカルな部分』『タクティクス』『メンタリティ』をキーワードに挙げる――によって、選手たちができるプレーの幅が拡大。ボールをただ繋ぐだけでなく、どういうボールで、どこに繋ぐかという選択肢は確実に増えてきている。「自分たちで判断ができている」と木村。北九州が昨年から挑み続けている考えるサッカーは一つのゴールに到達しつつあると言えるだろう。

もっとも、どれだけたくさんの戦略的なオプションを持っていたとしても、90分を簡単に進められるわけではない。特に今節は首位・甲府を本城に迎え撃つ。個の力のある相手に北九州はどう挑んでいくか、積み上げの成果が試される試合となる。

センターバックのキローラン木鈴は、ここまで25得点のFWダヴィを強く意識。「ゴールに背を向けた状態を作りたい」としたうえで、「J2の中にはいないようなタイプ。(ダヴィに)決められなければ自分たちの自信にもなる」と対抗心を燃やしている。
4月の前回対戦ではDF宮本亨がダヴィへのマークを徹底。プレーの自由を抑えこみ、ダヴィが放った4本のシュートがネットを揺らすことはなかった。それから5カ月余り。当時のセンターバックは宮本と登尾顕徳だったが、現在の北九州はキローラン木鈴と金鐘必の若いコンビで先発することが多い。しかしこの2人への不安はなく、ラインコントロールやマークも的確だ。金鐘必の日本語の上達も目覚ましく、「鐘必にだけ言葉を選んで指示するということはなくなった。他の選手と同じように伝えられる」とGK佐藤優也。GKを含めた守備陣の連係で、今節もダヴィへの注意を徹底したい。

ただ、必勝を期して北九州に乗り込む甲府は、前回対戦にはない武器を携えて試合に臨む。そう、フェルナンジーニョだ。
2004年から06年までG大阪に在籍、その後も京都や大分で活躍し、J1通算184試合で47得点を挙げた説明不要のストライカー。ことし7月の甲府移籍の際には「1日も早くチームに慣れ自分の特徴であるスピード、ドリブル、得点力でチームのJ1昇格に貢献できるように頑張ります」とのコメントを出しているが、その言葉の通りスピードもゴールへの嗅覚も健在と言えるだろう。北九州がダヴィに引き寄せられるなら、フェルナンジーニョが前を向ける場面も出てくるだろうし、フェルナンジーニョ自らの突破によってコースを開拓する可能性もある。北九州のハードディフェンスにいらいらを募らせなければ、甲府にとってゴールは遠くはない。

北九州の攻撃陣も好調で、端戸仁は3試合連続でゴールを決めている。前節の千葉戦では安田のフィードに呼応して裏を突き、前半に2点を挙げた。第33節の岐阜戦でも勝敗を決する貴重な追加点。ただ、好調の端戸は現在の結果に傲ることはなく、「前半戦に比べて自分でも自信が出だした。自分がチームを勝たせるという気持ちがより強くなった」と話し、チームの勝利が第一だと力を込める。「6位以内は誰も諦めていない」。端戸が静かな闘志を燃やし、甲府戦のピッチに立つ。

どちらにも負けられない戦いだ。北九州は34試合をかけて積み上げてきた全てを出し切れるか。対する甲府は相手のハードワークを排してゴールを引き寄せられるか。戦力と戦術と、気持ちの真っ向勝負が幕を開く。

以上

2012.09.22 Reported by 上田真之介
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