ここ2試合、神戸は先制しながら逆転負けを続けていた。二度ある事は三度あるではないが、今節のC大阪戦も逆転負け。しかも、後半途中から退場者を出したC大阪を相手に。試合終了のホイッスルがスタジアムに響いた瞬間、C大阪ベンチは選手やスタッフが抱き合って喜び、神戸の選手たちは何人かがピッチに倒れ、しゃがみ込んだ相馬崇人は呆然と宙を見つめていた。
C大阪戦の数日前、相馬は逆転負けした磐田戦と仙台戦について「逃げ切れなかったというよりは、(追加点を)決めていれば…という感じですね。チャンスの場面でもう少しリスクを犯してでも行ければ、もっとチャンスは増えると思う」と話していた。その言葉通り、C大阪戦では前半7分に小川慶治朗が先制点を挙げた後、神戸はリスクを背負って攻め続け、17分に追加点を挙げる。得点したのが相馬だ。右サイドバックで先発した茂木弘人と都倉賢のパス交換から始まったカウンターの形を、バイタルエリアでボールを受けた大久保嘉人がミドルシュート。こぼれ球を野沢拓也が中央に折返し、最後は猛スピードで前線へ走り込んだ相馬が押し込んだ。センターライン付近で茂木がパスを出た直後から、すでに相馬は前線へと走り始めている。リスクを犯して決めたゴールだった。
先制ゴールを挙げた小川が「あの時間で2点取れたのは今までになかった形なので良かったと思います」と振り返るように、神戸にとって今節は最高の入り方だったと言える。
だが、極端な言い方をすれば、神戸の時間はここまでだった。前半22分。C大阪の丸橋祐介が強烈なブレ球のミドルシュートを放ち、GKが弾いたところをシンプリシオに押し込まれて1点を返されると、徐々に主導権はC大阪へと渡り始める。しかも、33分にはキャッチ&スローのモーションに入ったC大阪・GKキム ジンヒョンと神戸・DFイ グァンソンが接触、イ グァンソンがイエローカードを受けるなどゲームはやや荒れ模様に。結局、前半は神戸が2−1でリードを守ったが、どちらがリードしているチームか分からないような雰囲気で折り返すことになる。
後半に入って、C大阪の勢いが加速する。神戸のお株を奪うようなハイプレスでボールを奪うと、ショートカウンターとポゼッションサッカーを使い分けながらゲームを支配。そして60分に丸橋の一発退場で10人になった後の73分には、柿谷曜一朗の技ありクロスをシンプリシオが頭でこの日2点目のゴールを叩き込み同点に。そして試合は、ここから激しい選手交代劇が展開される。
66分にC大阪はケンペスに代えて杉本健勇を投入。神戸は68分にこの日イエローカード1枚を受けているイ グァンソンに代えて高木和道をピッチに送り込む。77分には都倉を下げてスピードのあるフェルナンド、78分にボランチの田中英雄と森岡亮太を交代。10分間で神戸は立て続けに3枚のカードを使い切り、リスクを回避しながらも追加点を狙うシフトを組む。C大阪も78分に運動量の落ちたヘベルチを下げて枝村匠馬を投入。めまぐるしく采配が動くなかで、勢いを加速させたのは10人のC大阪だった。81分。枝村へのロングスローを神戸の高木が目測を誤って背後にボールを流すと、そのボールを拾った枝村がDF北本久仁衛との間合いを取りながらドリブルでペナルティエリア内へ侵入。豪快に振り抜いた右足のシュートが神戸ゴールに突き刺さった。これでC大阪が3−2と逆転。85分には柿谷に替えて、前線での守備力が高い播戸竜二を送り込み、1点リードを守りきったC大阪がアウェイでの貴重な勝点3をつかんだ。
試合後、C大阪のレヴィークルピ監督は「退場した後、扇原貴宏を左サイドに置いて、山口螢とファビオ(シンプリシオ)の2人をボランチ、さらに柿谷曜一朗とケンペスを前に置くという形で続けました。いいディフェンスをしてくれたと思いますし、10人でもゲームをコントロールできることを選手たちはしっかりと見せてくれた」と選手たちの労をねぎらった。決勝点を挙げた枝村は「10人で勝てたのは大きかったと思います」と自分の得点よりもチームの勝利を喜んだ。
一方、神戸の西野朗監督は「今日の流れを作ったのは自分の責任だと思っています。(中略)チームとしての課題はたくさんあると感じますけれど、間違いなく今日は自分の戦い方のプランが誤っている、采配が間違っていることに尽きると思います」と振り返る。質疑応答の場面では「後半の1枚目の交代カードは必要だったか必要ではなかったかという部分もあるし、結果、うまく機能していないというのは、そういうカードの切り方とか、ゲームプランが誤っているとしか言いようがない。起用もしかり、ピッチに送るメッセージも足りなかったのかなと思います」と、自分を責めた。
結果論では采配に問題があったのかもしれないが、小川が「前半の終わりくらいから悪い流れがずっとあった。でも、何かのきっかけがないと変えられないようじゃ勝てないと思います」と話すように、選手たちは自分たちの責任だと強調する。都倉も「1失点目以降から少しバタバタしていました。でもそれを決してメンタル的なもので済ませてはいけないと思う。ゲームを読む力とか、発揮する力とか一つ一つが最終的に勝敗を分けたと思います」と振り返っている。チームスポーツにおいて、敗因は誰か特定の一人ではないのは今さら言うまでもない。
ただ、残り7試合。順位を1つ落として14位となった神戸は、“いいサッカーはできていたけれど…”では終われない正念場に突入するのも確かである。
以上
2012.09.30 Reported by 白井邦彦
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