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【J1:第27節 清水 vs 仙台】レポート:前半を支配した仙台は退場者を出して自滅。清水は2トップの大活躍で鮮やかな逆転勝利(12.09.30)

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「日本平の平らなピッチで、自分たちから坂道を作って、自分たちから転がってしまった」と手倉森誠監督が語った通り、仙台にとっては完全に自滅してしまったゲームだった。ただし、それでも鮮やかな逆転勝ちを果たした清水にとっては、本当に大きな価値のある1勝だったことは間違いない。

試合前日にアレックスの移籍が発表され、小野伸二の移籍も決定的となった清水は、前4人の平均年齢が21.25歳という若さ。また、ボランチの村松大輔が出場停止のため、8月に加わった三吉聖王を右サイドバックとして初先発させ、河井陽介はボランチに移動させて、杉山浩太との2ボランチ。さらにGKを山本海人から林彰洋に代えて、この試合に臨んだ。
対する仙台は、出場停止明けの富田晋伍が松下年宏に代わってボランチに入った以外は前節と同じメンバー。ただ、日差しの強い午後1時のキックオフで、気温28.2度という条件は、前日まで地元はかなり涼しかったという仙台のほうに不利な要素ではあった。

立ち上がりは、どちらも集中した入り方ができ、初先発の三吉も落ち着いたプレーを見せた。また清水は、ボランチの位置に杉山と河井が並んだことで中盤のボール回しがスムーズになり、立ち上がりからボールポゼッションで上回っていった。
しかし、そんな中で先制点は意外なほど早く生まれた。前半14分、裏へのロングボールで深い位置でのスローインを得た仙台は、素早くリスタートして太田吉彰がフリーの状況を作り、狙いすました右足クロスを入れると、ニアサイドに走り込んだ右サイドバックの菅井直樹がこれまたフリーでヘッド。これがループシュートになってGK林の頭上を越え、逆サイドのネットを揺らした。
仙台の側から見れば、相手のスキを抜け目なく突き、陰のストライカー・菅井が決めたということで、まさにしてやったりの先制点。しかし、清水の側から見れば、あまりにもあっさりとしたもったいない失点。ハーフタイムにゴトビ監督が「ボールアウトになった時も、ボールから目を離すな!」と激しい檄を飛ばしたが、これは試合前から言われ続けていたこと。早いリスタートに対する反応が遅れて組織が混乱してしまう点は、早急に修正しなければいけない悪癖だ。
その後は、仙台が冷静にコントロールしながら試合を進めるようになり、カウンターでも恐さを発揮。逆に清水のほうは、そのカウンターに対する恐さもあって、ボールは支配しているが思い切りの良い攻めができず、仙台の非常にコレクティブな守りの前になかなかシュートまでいけない。清水の前半のシュートは、開始2分の石毛秀樹のミドルシュート1本だけ。前半45分間は完全に仙台のものだったが、カウンターでの決定機がいくつかあった中で追加点を奪えなかったことが、結果的には勝敗に大きく影響した。

後半に入ると、「前半は後ろへのパスが多かったので、後半はどんどん前に前に行こうと決めていた」(八反田康平)という中で、清水が思い切った前へのパスやサイドチェンジを増やし、押し込む場面を増やしていく。そして、後半14分に左CKからの三吉のヘッド、15分に裏への飛び出しからの大前元紀のシュートなど、続けざまに決定機も作った。
その直後、清水のカウンターから八反田がドリブルで突破しかけたところを鎌田次郎が倒し、2枚目のイエローカードを受けて退場。後半11分の1枚目も、報復行為としてレッドカードが出てもおかしくない状況でのイエローだっただけに、本当に悔やまれる自滅だった。
これで主導権は完全に清水のもの。さらに清水は、後半20分に三吉に代えて特別指定選手の瀬沼優司(筑波大)を入れて前線を2トップに変更し、河井を右サイドバックに移動。この交代策が抜群の効果を発揮した。数的優位になってボールを自由に回せるようになり、サイドからのクロスはどんどん入れられる状況の中で、ゴール前には186cmの金賢聖と185cmの瀬沼。2人ともクロスに対する入り方を得意にしているだけに、単純な放り込みでも十分に仙台ゴールを脅かすだけの迫力があった。
それによって、さらに押し込む時間が多くなった後半25分、左サイドで八反田がドリブルで仕掛けてタメを作り、落としたボールからヨン ア ピンが1タッチでクロスを入れると、DFより一瞬早くニアに飛び込んだ金がヘディングシュート。これが逆サイドのポストに当たりながら決まり、ついに清水が同点ゴールを奪うことに成功した。
金にとっては本当にうれしい日本での初ゴールが決まり、その後も清水が押せ押せ。一方、仙台のほうは後半32分に上本大海が金との激突で脳しんとうを起こして交代せざるをえなくなり、クロス対応の柱を失って、まさに泣きっ面にハチ状態。それでもゴール前でよく耐えていたが、後半39分の大前の右CKから瀬沼に頭で決められ、ついに逆転ゴールを許してしまった。
その決勝点を決めた瀬沼は、まだプロ契約をしていない選手ながら、ヤマザキナビスコカップのデビュー戦ではピッチに入って4分で初ゴールを決め、この試合でもピッチに立って19分でリーグ戦初ゴール。トータルでも出場時間31分(アディショナルタイムを含まず)で2得点と、おそらくJナンバー1の得点率を記録している。ゴール前以外の動きやプレーも堅実で質が高く、ゴトビ監督が「私の家の閉じこめておきたい」(大学に戻したくない)と言いたくなる気持ちもよくわかる。

これで実質的に試合は決まり、清水がアディショナルタイムにも金のラッキーなロングシュートでダメ押し点を決めて、3-1でタイムアップ。これで清水は6位に上がり、仙台は2位の座は守ったが、首位・広島とは勝点5差に開き、3位・浦和には勝点で並ばれた。
それにしても仙台は、上本の負傷も含めて悪いことが重なり、アウスタはまさに鬼門。ただ、そのイヤなムードを解消するには、自分たちがもう一皮むけなければいけないということは、監督も選手たちも自ら口にしている。
勝った清水のほうは、運を味方につけた面もあったが、金にようやく初ゴールが生まれ、瀬沼が試合の流れを一気に変えたことも含めて、非常に自信や勢いにつながる勝利。これで4位の磐田とは勝点1差。次節の静岡ダービーがますます楽しみになってくる。

以上

2012.09.30 Reported by 前島芳雄
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