残留を争う新潟と神戸は0-0で引き分けた。新潟は勝点30で16位と、1つ順位を上げた。神戸は勝点34で14位のまま。
生き残りにかけた執念は、闘志と同時に慎重さも生んだ。新潟、神戸、ともに中盤で激しくボールを奪い合った。ただ、奪ってからの攻撃が不発。ともに決定的なチャンスを作ることができずに90分を終えた。
「ひどい試合」。新潟の柳下正明監督は厳しい言葉を口にした。シュートは5本、コーナーキックは3回。神戸のシュート10本、コーナーキック7回の半分だった。
「相手が嫌がるプレーをほとんどしていない」。柳下監督は数字に見えた攻撃以上に、迫力を欠いたことを嘆いた。
本間勲、三門雄大のボランチ陣が。中盤の競り合いからボールを奪ってサイドに展開。または、中央にパスを通す。だが、そこからが詰め切れない。バイタル付近でのパス交換で呼吸が合わず、簡単にボールを奪われる。またはキープしつつも、パスコースを見つけられないままペースダウンする。球離れが遅く、苦しまぎれに自力突破を図って失う。
前節名古屋戦では5得点で大勝した。短い距離でテンポよくパスをつなぎ、足を止めないまま攻撃に人数をかけた。この日は違った。「相手のプレッシャーが速く、どんどん来た」。田中亜土夢が言うように、神戸のしつこいプレッシャーを交わしきれず、押された中でのパスが多かった。司令塔のミシェウには相手が複数でプレスをかけた。時間の経過とともに、ロングボールで凌ぐ場面が増えていった。「長いボールが多くなると、そこに気持ちが向いてしまう選手もでてきてしまう」。本間はロングボールを当てた後の攻撃に工夫がになかったことを反省した。
もっとも、柳下監督は「プレッシャーはなかった。相手のDFとボランチの間にスペースもあった」とばっさり。神戸のハイプレッシャーは想定内。それを踏まえてトレーニングしてきた。1対1の強さを求めて実戦形式を繰り返した。それが出せなかった。相手を怖がらずに自信を持って戦わなければ勝利にはつながらない。大事なところで強気になりきれなかった選手たちへの喝だった。
神戸・西野朗監督もゴール前で精度を欠いたことを、勝ち切れなかった要因として指摘した。「中盤のハードワークがゴールに結びつかなかった」。新潟と同様にボランチ陣が奮戦。田中英雄、橋本英郎がセカンドボールを奪い合って展開する。そこから大久保嘉人、小川慶治朗らがサイドで起点を作っても、その先の攻撃が薄かった。
ゴール前に飛び出す場面が少なく、持ち込んでも相手の守備に摘み取られる。カウンターではなく、ボールをつないできた新潟と、「がっぷり四つに組んだ」(西野監督)。プレッシャーをかけてボールを奪い合った。結果、新潟にショートカウンターを出させる場面は少なかった。ただ、自分たちもセカンドボールを拾い切れなかった。それが最後の場面で積極性を欠くことに。「お互いが自分たちの良さを消しあった」。橋本が言うように、長所を発揮し切れなかった結果の引き分けだった。
新潟は1つ順位を上げたとはいえ、まだ降格圏内。神戸は圏外にいるが、まだ安心できる差ではない。次節、この勝点1を生かせるかどうかが、今後に大きく影響する。
以上
2012.10.07 Reported by 斎藤慎一郎(ニューズ・ライン)















