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【第92回天皇杯 3回戦 今治 vs 町田】プレビュー:広島戦に続く二度目の“ジャイキリ”はあるか!?四国リーグのFC今治が、J2町田に立ち向かう(12.10.09)

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天皇杯の歴史に残る“ジャイアントキリング”だろう。9/8の天皇杯2回戦。敗者はJ1で首位を争うサンフレッチェ広島。勝者はJ1から数えて“4部”に相当する、四国リーグのFC今治だった。高田大樹の決勝ゴールは、NHKのニュースで全国に繰り返し流された。高田は「朝起きたらメールが50通くらい入っていた」と、試合後の反響を振り返る。「立ち上がりの5分はプレスを掛ける。万が一でも1点取れたら、9人が守ってカウンター」(高田)という狙い通り、今治が開始3分に先制。J1得点ランク首位・佐藤寿人のゴールで同点に追いつかれるも、87分に高田が決めて逃げ切った。高田は「広島がもう1点を取りに来てくれた。延長戦もアリという戦い方で来られていたら、キツかったと思う」と展開を振り返るが、持ち味の運動量、裏への抜け出しで前がかりの裏を突き、カウンターアタックを成功させた。

今治は純然たるアマチュアチームだ。年間予算は約1千万円。土日や祝日は練習場を転々とし、シャワーもロッカーもない“野球場”で練習することがザラだ。選手たちは午前中に練習し、午後はそれぞれの職場に向かう生活を続けている。NPO法人今治しまなみスポーツクラブで施設管理、少年少女の指導などを担当しているスタッフが、高田や稲田圭哉主将ら5名。他にも地元スポンサー“ありがとうグループ”から仕事の斡旋があり、広島戦で先制点を挙げた森川龍誠は系列のモスバーガーに勤めている。

今治は昨年まで「愛媛FCしまなみ」の名称で、J2愛媛のセカンドチームとして活動していた。しかし今年は愛媛FCの傘下から離れ、練習拠点や名称を変えて再出発。JFLを目指す単独クラブとして、四国リーグ王者に出場資格がある地域リーグ決勝大会にも今年は参加する。しかしシーズン前はクラブを離れたり、他クラブのセレクションに参加する選手が多く、2月の初練習に参加したのはわずか3名。木村孝洋監督は「試合に出るためには11人いる。まずそこにエネルギーを注いだ」のだと言う。開幕後に加入した選手とコーチ3名を含めても、現在の登録は22名。「常に16人か17人で公式戦を戦っているから、メンバー提出用紙に空欄ができる」「練習はいつも7対7」(木村監督)という小所帯である。

スタッフも手厚いとは言いがたくドクター、トレーナーが不在。コーチも仕事の都合で公式戦に参加できないことがあり、昨年はJ2岐阜で采配を振るっていた木村監督が、自ら「メンバー表を手書きで4部書く」こともある。クラブは3回戦を前に、今治名物のゆるキャラ“バリィさん”を絵柄に使ったチームフラッグを新調している。Jや大学リーグで旗は必須アイテムだが、今治にとっては「サンフレッチェ戦の前に『チームフラッグを出してください』と言われたのが最初」(木村監督)なのだと言う。それが四国リーグの“日常”だ。

主将でCBの稲田圭哉は「運動量が多くて、最後まで諦めない」とチームの特長を分析する。稲田に「天皇杯以外でサッカー人生最大の晴れ舞台は?」と問うと、高知高1年の選手権で「優勝候補だった星稜に1-0で勝った」試合を挙げる。余談だがこの試合で、稲田と同じピッチに立っていた星稜高の1年生に本田圭佑がいる。「前に速い選手がいる」(稲田)という中で、狙いはやはりカウンターだろう。広島戦で得点を挙げた高田大樹、森川龍誠はカウンターで生きるタイプ。「Jリーガーという目標があるので、結果を残してアピールしたい」と意気込む森川は、名門・市立船橋高で背番号9を背負っていたドリブラーだ。「僕はJ相手だと結構強いんですよ」と密かな自信を見せ、「(広島戦だけでなく)岡山や徳島との練習試合でも点を取っている。町田戦も期待してください」と語る彼にも注目だ。大型FW柏木健太郎、チーム唯一の元Jリーガー岡本剛史も加えた前線の4人は楽しみにしていい。

会場の広島広域公園第一球技場に向けて、今治発の“応援ツアー”が企画され、百名近くが参加するとのこと。「一人二人コアなサポーターがいる中でスタート」(木村監督)した今治だが、広島戦の勝利で地元の注目は高まっている。木村監督は「正直力の差はある」「プロはまだまだ雲の上」と戦力や体制の違いを認めつつ、「心の持ち方やコンディション、ゲームプランで、結果が変わることもある」と野心を口にする。今治には広島を破った実績、自信がある。四国リーグが終わって2週間、この試合に向けてじっくり調整できたというアドバンテージも無視できない。二度目の番狂わせも、有り得るだろう。

FC町田ゼルビアにとって、東京クラシックの激戦から中2日で迎える今治戦は、難しい戦いとなる。J2残留という至上命題がある中で、過度な消耗を避けたいというのは本音だろう。とはいえ天皇杯は、最下位に低迷するチームが「『オレたちはこんなものじゃない』と示せる舞台」(太田康介)だ。アルディレス監督は「何人かはフィジカル的な面で交代もあり得ます」と明かすが、今の町田は怪我で実戦から離れている選手もおらず、リザーブと先発の実力差が小さい。北九州戦の120分を生かし、プロの意地を見せてリーグ戦に弾みをつけるためにも、この天皇杯3回戦は落とせない。

以上
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