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【第92回天皇杯 3回戦 清水 vs 東京V】レポート:内容では東京Vが上回ったが、ゴール前の要所では清水がJ1の力を発揮。虎の子の1点を守りきって4回戦に進出(12.10.11)

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試合内容だけで判定すれば、東京Vの勝ちと言っても良いようなゲームだった。しかし、勝敗を決める力という意味では、J1の清水が一枚上手であることを示した。

試合前、両チームともある程度のメンバー変更は予想されたが、予想外だったのは、挑戦者である東京Vのほうがスタメンの入れ替えが多かったこと。清水は4日前、東京Vは3日前に戦った前節と比べて、清水が6人、東京Vが7人を変更。ともに4バックのDFラインのうち、清水が1人変わっただけなのに対して、東京Vは3人が変わったことも対照的な部分だった。

そんな中で、選手たちのパフォーマンスも対照的だった。報道する側として、こういう試合では「出場機会を得たフレッシュな選手たちが生き生きと……」といった定番フレーズを使いたくなるものだが、東京Vにはそうした要素は観られたものの、清水にはそんな雰囲気がほとんど感じられない。とくに前半の内容は、ゴトビ監督がハーフタイムに「くだらないものを見せられた! エネルギー、魂が出ていない! 汗かいているのか?」と酷評したように、清水の選手たちのプレーに覇気が感じられず、ボールに対する出足も遅れ気味だった。
対する東京Vのほうは、少しだけリトリートして態勢を整えたところからジワジワと前線からのプレッシャーをかけていき、縦パスが入ったところにも厳しくプレスをかけて、ボールを前に運ばせない。前線の動きに後ろも連動しているため中盤が間延びすることもなく、清水がパスを回す余裕を効果的に奪っていった。

逆に清水の側は、中盤を久しぶりの1ボランチ(姜成浩)&トップ下2枚(河井陽介と八反田康平)という形にしたが、姜がビルドアップの際になかなか機能しない。それもあって、DFラインでボールを持ったところからなかなか前に運べず、GKに戻したり、出し所がなくなって大きく蹴ったりの繰り返し。チャレンジして縦パスを入れたり、前を向いてドリブルで仕掛けたりしても、そこで奪われてカウンターを食らうというパターンが多かった。つまり、東京Vの狙いに完全にはまっていたと言える。
そのため前半の途中からは、河井か八反田のどちらかが下がってボールを受け、そこから組み立てていくという形に自己修正。それにより少しずつビルドアップのリズムは出ていったが、前半のうちに大きな改善を見せることはできなかった。
ただ、主導権を握った東京Vのほうも、最後の決定機を作るという意味では十分とは言えない。清水の最後の砦をなかなか崩しきれず、前半のシュート数は4本。本当に決定的な場面を作ることはなかなかできなかった。逆に言えば、清水がセンターバックのレギュラー2人(ヨン ア ピンと平岡康裕)とサイドバック(今回は左)の吉田豊を残したことが、劣勢の中で効果を発揮していた。

後半に入ると、前述のようなゴトビ監督の激しい檄で清水の選手たちが気合を入れ直し、ミスは目立ったものの攻撃の出足と迫力を増していく。そんな中での後半9分、左クロスのこぼれ球を河井が頭でゴール前につなぎ、競り合いのこぼれ球を白崎凌兵が抜け目なく押し込んで、先制点を奪うことに成功。限られたチャンスを生かしたところは、清水が面目躍如した部分と言える。
その後は、攻撃の選手を次々に投入する東京Vに対して、清水は杉山浩太(後半11分〜)、金賢聖(後半20分〜)、村松大輔(後半38分〜)とレギュラー陣を入れて組織の安定を図る。それでも1点を追う東京Vがリスクを冒して攻め立て、終盤は押し込む時間帯をかなり作った。そんな中で惜しいチャンスも2度、3度とあったが、それを決めきれなかったことが、東京Vとしてはもっとも悔しいところ。後半15分に小池純輝が裏に飛び出したビッグチャンスを平岡が粘り強いスライディングで阻止した場面など、大事なところで個の力の差が表われたシーンも散見された。

結局、清水は最後まで内容で上回ることはできなかったが、要所では個人の差を見せて虎の子の1点を守りきり、4回戦にコマを進めるという最低限のノルマは果たした。また、思うように力を発揮できなかった若手選手にも、同情すべきところはある。サテライトリーグがなくなり、ゴトビ監督は練習試合もあまり組まないため、実戦経験や試合勘を養う場が少ないからだ。それでいきなり公式戦に使われても、初めから自分の力を存分に発揮することは難しいだろう。
一方、東京Vのほうは、天皇杯はこれで終わったが、J1昇格をかけた残りのリーグ戦に向けて、戦力的な掘り起こしができたことはひとつの収穫。中2日、中3日で行なわれる次の大事な戦いに向けて、両チームの選手たちは足早にバスに乗り込んでいった。

以上

2012.10.11 Reported by 前島芳雄
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