今シーズンも残り5試合、愛媛のホームゲームは3試合。リーグも終幕が近づく中、今回ニンジニアスタジアムで戦う愛媛と鳥取は共に下位に甘んじている。この順位なら、昨シーズンまでは目標を見つけることが難しい時期ではあるが、今シーズンから下位チームはJFLとの入れ替えを避けるべく戦い続ける必要がある。その争いに巻き込まれるのは不本意だが、現在のところ愛媛が18位、鳥取は21位。鳥取は最下位の町田など下位グループの中で激しい争いを続けているが、愛媛も可能性は少ないとはいえ、数字上は残り5試合の結果次第で最下位に転落する位置にいる。「J2残留が決まったわけじゃないし、鳥取からは勝点を取らないと」と愛媛のキャプテン前野貴徳も気を引き締めるように、下位同士の直接対決は生き残りをかけた重要な一戦。今シーズン最後の『PRIDE OF 中四国』は両者にとって勝点3が求められる試合になる。
その両チームだが、直近の試合を振り返ると愛媛はシーズン中盤からの未勝利の時期を乗り越え、ここ3試合は1勝2分。岡山戦で競り勝ってトンネルを抜け、千葉、湘南と上位を相手に引き分けた。4バックから3バックにシステムを変更し、守備の安定感が増したことで勝点を積み重ねはじめた。「3バックになって、最終ラインのチャレンジ&カバーがはっきりしてきた」と田森大己は指摘するが、浦田延尚も「この3試合は集中できているし、守備の形もできてきた。狙ったとおりボールを奪うこともできている」と愛媛の守備陣は確かな手ごたえを語る。岡山戦、湘南戦を無失点で切り抜け、結果が出ている点も選手たちの自信につながっている。
一方の鳥取は直近の3試合で1勝2敗。松本に1−7の大敗を喫した直後は草津を2−0で下して立ち直りを見せたものの、前節は残留を争うライバル富山に敗れてしまった。そして、今週の水曜日は天皇杯で鹿島と対戦。延長の末に敗れてしまったが、鹿島を追い詰めたという点では自信をつけたはずだ。ただ、マイナス要因はアウェイでの連戦が続くこと。リーグ戦の前節は富山に乗り込み、天皇杯は鹿島での試合。そして今回は愛媛。このアウェイ3連戦は今シーズン最後の難関かもしれない。愛媛戦後、残りのリーグ戦4試合中3試合はホームで戦えることを考えても、ここは踏ん張りどころ。鳥取は勝って勢いをつけてホームに帰りたいところだ。
しかし、鳥取のコンディションが厳しいのは確か。天皇杯もなく、ホームで戦う愛媛には大きなアドバンテージだ。その点において、愛媛はこの3試合で続けている守備での高い集中力を維持しつつ、焦らず鳥取の綻びを突いていきたい。そこで鍵を握るのが中盤のアウトサイドからの攻撃。「まずは守備で無失点、という気持ちはある」と右サイドの石井謙伍はバランスを強調するが、「それでも自分が前に上がらないと攻めにならない。100%で守備をして、その中から何回出ていけるか」と攻撃への意欲も見せる。もちろん、石井は本来FWの選手。「このポジションをやるからには人と違うことをしなければ。それを考えたら、もともとFWなので得点に直結するプレーをしないと。逆サイドからクロスが入れば飛び込んで、自分らしさを出したい」とゴールにもこだわる。
左の前野も「今シーズンは1試合をのぞいて36試合に出ているけど、得点に絡めていない」と、攻撃面では自身のパフォーマンスに物足りなさを感じている。また、「ひとつでも上の順位にいかないと。そのために、残りの試合で多くの勝点を積み重ねたい」と続けたが、個人としてもチームとしても残り5試合で意地を見せる覚悟だ。そして石井も「最後の5試合は一緒に苦しんだサポーターのために、そして自分たちのプライドのためにも絶対に大事な5試合。それは選手みんなが感じていること」語っているが、愛媛の選手たちにとっては残留争いというよりも、あくまでも上を向いた戦いにしたい。そしてこれまでの鬱憤を晴らす上でも、勝ち続けなければならない5試合が残されているといえるだろう。
以上
2012.10.13 Reported by 近藤義博
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