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【ヤマザキナビスコカップ 柏 vs 鹿島】レポート:柏、13年ぶりの決勝進出ならず。タイトル慣れした鹿島が理想的な試合展開を披露し、国立行きのチケットを手にする(12.10.14)

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試合の流れを決定付けたポイントは、間違いなく序盤の攻防にあった。
柏の選手たちは皆、「試合の入りは良かった」と振り返っている。日立台の雰囲気にも後押しされ、高いテンションで入った柏の出来は確かに悪くはなく、むしろ鹿島を上回っているとさえ感じさせた。その中で5分に迎えた最初の決定機。左サイドの田中順也から、ペナルティエリア内のジョルジ ワグネルへパスが通り、そのこぼれ球がフリーの水野晃樹の前に転がったが、水野のシュートはゴール右に逸れた。
一方の鹿島は12分、ドゥトラからパスを受けた大迫勇也は、一度はミドルシュートを狙うも、その跳ね返りをディフェンスラインの背後へ飛び出したドゥトラへスルーパスを通す。「自分たちが予想していた飛び出しの形」というネルシーニョ監督の言葉からすれば、柏は鹿島の2列目からの飛び出しをスカウティングできていたはずなのだが、橋本和から那須大亮の受け渡しは全くできておらず、ディフェンスラインも近藤直也が1枚残り気味だったためオフサイドも取れない。右の藤田優人も中に絞り切れていなかった。大迫とドゥトラが狙ったのは、そんな柏の守備組織にできた“エアポケット”である。ドゥトラの左足シュートがゴール右に突き刺さった。
「前半最初の決定機で得点が出来たのが大きかった」(新井場徹)。序盤に迎えた最初の決定機を外した柏とモノにした鹿島。もともと第1戦のアドバンテージがあっただけに、鹿島の優位は盤石になり、しかも柏にすれば出来は良かっただけに、この一撃には通常の1点以上に重みがあり、選手たちのメンタル状況にも大打撃を与えたことだろう。

そこに追い打ちをかけたのが24分の鹿島の追加点だ。柏のコーナーキックがルーズボールになると、そこから鹿島は怒涛のカウンターを発動。自陣のゴール前から3本のパス、時間にしてわずか10秒ほど。最後はフリーの大迫がゴール右に流し込み、2−0とリードを広げた。
この2失点に共通していることは、柏の選手は人数はいても、全員がボールウォッチャーになり、人を捕まえ切れていないところにあった。そこは第1戦でも鹿島は徹底的に突いてきており、柏にとっては今後改善すべき大きな課題である。

37分、柏はジョルジが直接フリーキックを決め、1点差に詰め寄る。39分に献上したPKも菅野孝憲が決死のセーブを見せ、窮地を救った。この時は、何かが起こる雰囲気を醸し出していたが、冷静に考えれば依然として鹿島がリードを保つ。同じ1点のビハインドでも、0−1ならば2点を奪えば柏は勝ち切れるが、1−2では仮に2点を奪ったとしても90分では勝ち切れない。柏が90分以内で勝つためには3点が必要だった。

こうなると試合展開は自ずと決まってくる。
「後半ネット バイアーノが入ってきてパワープレーで来ることはわかっていた」(青木剛)、「相手がサイドから崩してくるのはわかっていたので、(センターバックの)僕たち2人が引き出されないようにしていた」(岩政大樹)。鹿島の2センターバックの言葉が物語る通り、自分たちがリードした時の柏の出方を想定していた鹿島は、プラン通りに試合を進めていく。
柏は4−3−3に変更し、3トップの中央にネット バイアーノを据えた。リスクを承知で攻め上がる柏の両サイドバックが、ネットの高さに一縷の望みをかけ、クロスボールを送り続ける。ここで岩政と青木は2人が同時に競ることも、逆にお見合いをするシーンもなく、徹底したチャレンジ&カバーの動きでどちらかがネットと競り、もう一方がスペースをケアした。クロスボールを弾き返せば、自陣にリトリートされたコンパクトな陣形を取るゆえ、セカンドボールのほとんどを鹿島が支配。そして手薄な柏守備陣を突き、レナト、ドゥトラ、大迫、遠藤康らがカウンターで一気にフィニッシュまで持ち込む。後半の45分間は終始そのような展開が続き、果敢に攻めながら完全にはめられている柏よりも、鋭いカウンターを仕掛ける鹿島のほうに、追加点が生まれる可能性が高いと感じられた。
ただ、その後しばらくは双方に得点がなく、柏が増嶋竜也のロングスローからネットが同点弾を決めたが、すでに後半アディショナルタイム。2戦のトータルスコアで5−4。鹿島が理想的な展開に持ち込み、逃げ切りに成功した。

ゲームの運び方、駆け引きなど、あらゆる局面で鹿島は柏の一枚上手を行った。敗れた時というのは、何かしらのエクスキューズを用いて自分たちを正当化したくなるものだが、その余地がないほど鹿島の戦いぶりは見事であり、13年ぶりの決勝戦進出を目指した柏に対し、2年連続7回目の決勝戦進出となった鹿島には、カップ戦独特の雰囲気にも流されず、アドバンテージを有効活用するなど“タイトル慣れ”とでも言うべき強さが存在していた。そしてそこが、昨シーズンのJ1を制したとはいえ、タイトル慣れしていない柏との大きな差だった。
その鹿島の強さを認め、偉大なファイナリストとして称えつつ、11月3日、国立のピッチでは彼らがどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか、清水との決勝戦が名勝負となることを大いに期待したい。

以上

2012.10.14 Reported by 鈴木潤
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