山形は岐阜対策を入念にしてきた。山形はハーフウェイライン付近でサイドに展開すると、岐阜守備陣をボールサイドに引き付けてから、早い段階で逆サイドにサイドチェンジを入れて、揺さぶりをかけてきた。8分には左を駆け上がったFW中島裕希のセンタリングを、ニアでFW山崎雅人がボレーで狙うが、これはGK時久省吾の手に収まった。13分には揺さぶりから中央に出来たスペースでボールを受けた山崎がミドルシュートを放つが、これもGK時久が抑えた。
その戦法に気付いたのか、岐阜はラインを下げ、李漢宰と服部年宏のダブルボランチは平行に並んで、DFラインの前で強固なブロックを作って、揺さぶりに対して中央を固めることで応対した。これが見事にはまって、山形の攻撃の自由を奪うと、試合は膠着状態に陥った。
前半0-0。この結果は岐阜の狙い通りに見えたし、山形にとってはフラストレーションがたまる展開に見えた。後半に入っても展開は変わらなかった。先に動いたのは岐阜。
54分、FW佐藤洸一に代えてFW梅田直哉を投入。61分にはMF井上平に代えてFWアブダを投入。これに対し、山形も63分に精彩を欠いていたMF永田亮太に代えてMFブランキーニョを、71分に山崎に代えてMF廣瀬智靖を、74分にMF宮阪政樹に代えてMF船山祐二を投入。共に攻撃陣にテコ入れをしてきた。だが、どれもなかなか意図に結びつかなかった。拙攻を繰り返す山形、守備に忙殺される岐阜。シュートまで至らない展開が後半に入っても続いてしまった。
試合はそのままスコアレスドローで着地。共にチャンスらしいチャンスを作れぬまま、当然の結果と言えるスコアレスドローだった。
だが、この結果をポジティブに捉えるならば、山形を拙攻に陥れたのは、岐阜の守備がほぼ完璧だったから。「ゲームプランとして山形にボールを持たれるだろうと思っていた。その上で石川竜也、中島、山崎の左サイドを中心にパスで崩してくると思って、戦術的にブロックを作って崩されないようにした。だが、山形は長いボールで左から右で蹴り込んできて、右の永田が高い位置に仕掛けてくるやり方できたけど、選手たちがゲームの中で修正が出来ていた」と行徳浩二監督が語った様に、田中秀人と関田寛士の両CB、服部と李のダブルボランチが、最後まで集中力を切らすことなく、下手に相手の揺さぶりに食いつくことなく、冷静に2列のラインコントロール。相手の左サイドを封じるブロックを作るゲーム前戦術を、左右のバランスを整え、ラインを低くした強固なブロックディフェンスを形成して、中央を割らせなかった。シュートを打たれても、コースを限定しているからこそ、山形のシュートはほぼすべてGKの正面を突いた。
だが、その副作用として、「高い位置で奪えなくなったし、相手のDFラインが上がってこなかったので、背後を狙えなかった」(行徳監督)ことで、攻め手を失ってしまったからこそ、このような展開に着地をした。
痛み分け。ただ、山形にとっては上位が揃って負けていただけに、痛いと言えば痛いが、勝点1分、上位に迫れたことを考えると、プラスと言えばプラス。
「勝点1を取るのに終わった。複雑な心境です。目標は勝点3を奪いにきたのですが」と、奥野僚右監督が語れば、孤軍奮闘に終わった中島は、「全体的に攻めが足りなかった。この勝点1は…上位陣も負けていたので、痛いと言えば痛いし、でも少しは差を縮められた…。複雑ですね」と語った。まさに複雑な勝点1だった。
岐阜にとっても富山が勝利をしたため、これで順位を一つ落としてしまっただけに、痛い勝点1だったか。だが、守備は非常にいい流れに来ている。4戦負けなしは非常にいい流れと捉え、ポジティブに前に進まないといけないか。痛い勝点1を、ポジティブにしていくチーム力を期待したい。残留に向けて。岐阜は最後の関門となるアウェイ3連戦に挑む。
以上
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