まずは、頭の中を真っ白にして次の問いの答えを想像してほしい。
「2012年シーズンの残り6試合、7位と8位の対戦カードは…?」
シーズン当初はもとより、今季の試合が残り6試合となって、「勝点42で7位の名古屋と、勝点差1で追う8位の鳥栖の対戦」と答える人は少ないだろう。しかし、現実にその組み合わせで第29節が行われるのだからサッカーは面白い。
名古屋のサポーターは、「残り6試合となっているのに『何でこの位置(7位)に』いるのか」という思いが強いのではないだろうか。首位広島までの勝点差は12も離されている。シーズン開幕前の予想を現実にするためには、もう一敗も許されない。
鳥栖のサポーターにしてみれば、「残り6試合で『勝点も40を超え8位にいる』ことで大満足している」という思いを持っている人が多いのではないだろうか。しかし、降格圏の16位のチームと勝点差がわずかに11しかないので、少しでも上積みを望むところだろう。同じピッチで試合を行うのに、置かれている状況によっては一試合の重みは相当に違うものである。(と、勝手な筆者の思い込みで冒頭の問いの答えを考えてみたことをお許し願いたい)
さて、ここから真面目(?)なプレビューに移りたい。
名古屋と言えば、『高さあり、スピードあり、テクニックあり』の多彩な攻撃を真っ先に思いうかべる。これに、両サイドDFの攻撃に加え、CBまでが遠慮なく参加してくるので始末に負えない。高さと言えばFWケネディ。ケガの情報も漏れ聞こえるが、彼の高さは驚異以外の何物でもない。テクニックと言えばFW玉田圭司。ボールを扱うテクニックだけでなく、相手との駆け引きやポジショニングのテクニックも高い。彼の存在は絶大である。そして、スピードと言えばFW永井謙佑。もうここでの説明は不要だろう。一本のパスでゴールを奪うことができるからである。
注目すべきはここだけではない。MFにもダニルソンや小川佳純がいるし、セットプレーになると田中マルクス闘莉王や増川隆洋が加わってくる。サッカーでいう攻撃をどのシチュエーションでも見ることができるので、サッカーを知らずしても楽しむことができるのではないだろうか。あえて、不安材料をあげるとすれば、 今シーズンは固定的な選手起用や安定的なシステムなどを用いることができていないことか。攻撃力の裏側にある失点も多いことが気がかりである。鳥栖サイドから見ると、つけ込む隙はこのあたりではないだろうか。
その鳥栖であるが、前回の戦い(第5節豊田スタジアム)ではシュート本数こそ上回ったものの、内容では『上手さにねじ伏せられた』感があった。決定的なシーンも迎えたが、「楢さん(楢崎正剛)にうまく止められ」(FW豊田陽平)てしまった。そして、サイドでボールを奪われてのカウンターから失点をしてしまい、J1の厳しさを知らされた。その雪辱を果たす機会がこの第29節に訪れた。勝てば順位も入れ替わるというシチュエーションなのである。ここには、敗れてもいい理由などはない。勝点3を上積みするだけである。高さと強さ、そしてスピードのあるCBキムクナンに大きな期待を寄せておきたい。もちろん、一人で守れるわけではないので、ここまでの躍進を支えた『堅守』を見せて欲しい。前節のケガで戦列を離れたDF呂成海に代わり、経験あるDF小林久晃がDFラインを統率してくれるだろう。あとは、前回の対戦で抑え込まれたFW豊田や池田圭、好調なサイドMF水沼宏太と金民友の爆発に期待したい。名古屋サイドから見ると、鳥栖のカウンターには要注意である。
上位争いに残る資格を賭けた一戦は、佐賀県総合運動場陸上競技場で15時にキックオフである。
勝利を求めるには理由は要らない。敗戦の言い訳も必要ない。
必要なのは、目の前にあるボールを相手のゴールに運ぶこと。それができたら、おのずと結果はついてくる。
選手はボールを運び、サポーターはその選手を後押しする。
技術や戦術の高さでボールの運び方は変わるだろうし、そこにサポーターの想いの強さが加わっての結果が表れる。
勝つために試合を行い、シュートを放つためにプレーを続ける。
サッカーは、試合終了のホイッスルが鳴るまで結果は確定しないスポーツなのだから。
以上
2012.10.19 Reported by サカクラゲン
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