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【J1:第29節 大宮 vs 新潟】プレビュー:残された唯一の残留争い直接対決! 大宮と新潟、生き残りをかけたオレンジダービー(12.10.19)

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残り6試合、いよいよ地獄の門が開く――。勝点32で15位の大宮が、ホームNACK5スタジアム大宮に勝点30で16位の新潟を迎える一戦。前後には勝点34で14位の神戸と、勝点29で17位のG大阪。この4チームが生き残りをかけ、2つの椅子をめぐって争うことになるが、当該チームによる直接対決は今節のこのカードしか残されていない。両チームにとっては文字通り、生き残りをかけた大一番だ。

似たチーム同士の戦いと言えなくもない。一つは近い過去に鈴木淳監督に率いられ、その指導を受けた選手が多く在籍していること。今シーズン、ともに序盤で監督を解任して6月から新監督が就任したこと。そして最近の戦績だ。リーグ戦の過去5戦、大宮は2勝3分と負けなしで、新潟も1勝3分1敗と1敗しかしていない。その間の失点も大宮が1、新潟が2と少なく、得点においても、大宮は札幌戦、新潟は名古屋戦で5−0の大勝を収めた以外は、ともに0か1というスコアが並ぶ。新潟について大宮の選手に話を聞くと「守りが堅く、カウンターに特徴があるチーム」(東 慶悟)との印象が支配的だが、おそらく新潟の選手に大宮の印象を聞いても同じ答が返ってくるだろう。
要するに現在の大宮も新潟も、“守れるが、点の取れない”。勝点1を積み重ねていくのも悪くないが、この順位でそんな悠長なことは言っていられない。まして直接対決であれば、目の前の相手から勝点3を奪うことは「勝点的に倍の価値がある」(ベルデニック監督)。大宮は順位的にやや余裕があるようにも見えるが、新潟の後ろから追いかけているのが「勢いに乗ると怖い」(下平 匠)G大阪である。最終的に新潟の上位でフィニッシュしても、G大阪に抜かれては意味がなく、大宮も目指すは勝点3のみだ。

残りの残留争いを見すえ、互いに前節までとは多少違った戦い方を選択してきそうだ。まず新潟は、13日に行われた練習試合で守護神・東口順昭が右ひざ前十字じん帯を断裂し、全治8か月の重傷を負った。今季24試合に出場し23失点、GK防御率0.96はリーグトップ(20試合以上出場のGK中)。過去5戦でも、大勝した名古屋戦を除けばどの試合も相手にシュート数では上回られているように、新潟の堅守は東口のセーブ力によるところが大きい。その東口がいない以上、自陣に引き込んで多少はシュートを撃たせても良いという守備では難しくなる。より高い位置からハードワークし、相手に自由を与えず、ボールを奪っていかに速いカウンターにつなげられるかが勝負となるだろう。

大宮はズラタンが代表招集を辞退してチームに残ったことで、ベルデニック監督の念願だったノヴァコヴィッチとの“スロベニアン・デュオ”がこの試合で満を持してベールを脱ぐ。ボックス内の密集で仕事ができ決定力の高いノヴァコヴィッチと、スペースを突くスピードがありアシストもできるズラタンは、「言葉だけでなく互いのプレースタイルを理解しあっている」(ベルデニック監督)。ハイボールへの高さとともに、この2人のコンビネーションは相手にとって脅威となるはずだ。東は左サイドハーフに入る見込みだが、指揮官は「中に入ってのスルーパスやFWとのコンビネーション」にも期待しており、「ポジションにこだわらず、自由に良いイメージで」(東)プレーする。練習でも中に切れ込んでのミドルシュートを積極的に見せており、「タイミングは一瞬。ためらわずに瞬間の判断で」(東)、新潟のGKが落ち着かないうちにどんどん遠目からでもねらっていきたい。さらに、「新潟の守備はサイドに激しくプレッシャーに来るけど、それをかいくぐれば逆サイドに大きなスペースが空く」(下平)だけに、右サイドハーフのカルリーニョスから、中に絞った東 慶悟を越えて、左サイドを駆け上がった下平へのダイナミックな展開が見たい。

点の取れないチーム同士が、どうしても点を取って勝たなければならない。しかし、複数得点にはさほど期待が持てない以上、失点も絶対に避けたい。ともに堅守からのカウンターを得意とし、「悪いボールの失い方をすると一転してピンチになる」(ベルデニック監督)だけに、試合運びは慎重にならざるを得ないだろう。そうなるとベンチワークが重要になってくる。0−0で推移するにしても、どちらかがリードして折り返すにしても、後半に入ればベンチが積極的に動いてくるはずだ。大宮は今季チーム得点王で好調を維持している長谷川 悠、個人で突破できるチョ ヨンチョル、パスをつなげる渡邉大剛がベンチに控える。新潟も矢野貴章、平井将生、アラン ミネイロ、さらに鈴木武蔵とタイプの違う切り札をそろえている。「途中出場の選手がいかに流れを変えられるかが試合を決定付けると思う」と渡邉が語るように、両指揮官のゲームを読む力、あるいは持っている運が大きく左右する試合になりそうだ。

大宮はこの試合を落とすと降格圏に転落するし、新潟が敗れると残留ラインに勝点4以上離される。この試合の敗者が、結果的に16位以下で終わる可能性が高い。大宮の北野貴之、チョ ヨンチョル、新潟の坪内秀介にとっては、生き残るために自らの手で古巣を叩き沈めなければならない試合であり、「こういう形で戦いたくなかった」(北野)というのが本音には違いない。
それでも「プロフェッショナルとして、その気持ちはシャットアウトして勝負に徹する」と北野は言う。北野はもちろん、両チームのどの選手も、この一戦に気持ちの入っていない選手がいるわけはない。ここまで来たら、選手を信じ、チームを信じるしかない。両サポーターには力の限りの声援を望む。10月20日、NACK5スタジアム大宮は一面のオレンジに染まり、歴史に残る死闘がくり広げられるだろう。

以上

2012.10.19 Reported by 芥川和久
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