インターナショナルマッチウィークを終え再び始まるリーグ戦。この29節、札幌市の厚別公園競技場では現在、勝点13で18位の札幌が同37で13位の鹿島を迎え撃つ。札幌にとっては厚別競技場で行われる今シーズン最後のホームゲームとなる。
札幌の前節は敵地で浦和と対戦し、2−1のスコアで勝利。前々節の川崎F戦での敗戦により今シーズンの16位以下が確定し来シーズンのJ2降格が決まってしまったが、その直後の試合で意地を見せた格好だ。
なかでも光ったのが若い選手の活躍である。ハモン、ジェイド ノース、金載桓といった外国籍選手たちが軒並み負傷欠場するという苦しい台所事情で挑んだのだが、最終ラインには奈良竜樹、櫛引一紀という十代の選手が並び、3バックの中央で引き締めたのが23歳の宮澤裕樹。右サイドでも19歳の前貴之が躍動した。そして極め付きは21歳の古田寛幸が2得点を挙げる活躍。J2降格という憂き目のなかでも、札幌は大きな財産を手にしていることを、見事に内容と結果で示したと言っていい。そしてこの勝利は今シーズンのアウェイゲーム初勝利。敵地に足を運んだファンに快心の勝利をプレゼントしている。
この試合を前に古田はこのように話していた。
「J2降格が決まったが、残り試合の大事さは少しも変わらない。来シーズンのためにも、結果の部分にはとにかくこだわっていきたい。『結果』というのは、チームとしてはもちろん勝利。そして個人的には得点です」
「こんなに不甲斐ない成績になってしまい、本当に情けない」とも古田は浦和戦前に発していたが、だからこそJ2降格が決まって最初の試合となった浦和戦には期するものがあったのだろう。札幌のモチベーションは少しも低下していない。今シーズン初の連勝に向けて、この鹿島戦に挑んでいく。
一方、対する鹿島は直近の試合である13日のヤマザキナビスコカップ準決勝第2戦を敵地で柏と戦い2−2のドロー。2試合合計で勝利し、見事に決勝戦への切符を手にしている。
試合運びもまた見事なものだった。12分にドゥトラ、24分に大迫勇也がそれぞれ持ち味であるスピードを生かした形で得点しリードすると、その後は落ち着いた戦いを継続。2点を失ったものの、第1戦で得たアドバンテージを上手く生かしてそのまま悠々と勝ち切ってしまった。
そしてジョルジーニョ監督はこう話す。「決勝に行けることはチームにプラス作用はあるし、それにリーグ戦にも自ずと影響していくんじゃないかと思います」。そう、リーグ戦とカップ戦はまったく別な大会ではあるものの、同じチームが戦っている以上は必ず互いに影響を与え合う。カップ戦で得た自信をそのままリーグ戦にもつなげていこうと指揮官は考えているようだ。
ジョルジーニョ監督はこうも続ける。「リーグ戦での優勝はもう不可能と言わざるを得ないところです。ただ、4位以内は目指せるのではないか、そういった意識を持って選手は取り組んでいるだろうし、4位以内を目指してヤマザキナビスコカップ、天皇杯でしっかり勝ち進んで、ACL(AFCアジアチャンピオンズリーグ)の出場枠を手にすることができればと考えてやっています」。
前述したように現在の鹿島の順位は13位。4位との勝点差は7で、残り試合数を考えれば、十分に可能な数字ではありながらも、決して簡単な状況にはない。だが、それでも前向きにACLを目指せるメンタリティは、やはりカップ戦での躍進が生み出しているのだろう。ファイナリストの座を掴んだ鹿島の残り試合には、大きな注目が集まるところだ。
5月に行われた前回対戦は7−0という大差で鹿島が勝利している。だが、今度はホームで戦う札幌にとっては、その雪辱を何としても果たさなければいけないし、違う姿をサポーターに見せなければいけない。
札幌と鹿島、それぞれ目標は異なるものの、目の前の試合に勝たなければいけない状況は同じ。真正面からぶつかり合う、激しい試合が期待できそうだ。
以上
2012.10.19 Reported by 斉藤宏則
J’s GOALニュース
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