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【J2:第36節 徳島 vs 京都】プレビュー:仕切り直しの一戦。徳島は守備の充実を図って京都の連動した攻めを食い止められるか!?(12.10.24)

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徳島はこのシーズン終盤に来て攻撃の力をグっと高めている。特にサイドを効果的に使う幅のある展開は飛躍的に質が向上。実際それをベースとした攻めで多くの得点も生み出されており、その形は組織としての確かな積み上げと呼べるだけのものになってきたと言っていいだろう。

しかし、対して守備は遅々として安定感アップが進まない。前節こそ気持ちを見せて富山をゼロに抑え込んだものの、巻き返しを図りたかったそれまでの大事な時期にはなかなか相手を完封することが出来ず、結果的にそれはJ1昇格を逃す大きな要因にまでなってしまった…。そしてそのような状況を引きずることになっているのは、やはりプレスの連続性が必要なところまで強まらないことであろう。ひとつ目ふたつ目の圧力は掛けても、その後を途切れさせてしまうことが少なくないのである。

とは言え、その部分を怠ったままなら今節の勝利は得られないはず。理由はもちろん迎える相手が中村充孝ら高水準の技術を持った選手を揃え、組織としても完成度を感じさせている京都だからだ。
彼らの組み立ては決して単発で終わらない。ボールの出し手と受け手の繋がりに留まらず、そこへ3人目が素早く絡んで次の展開へ結び付けていく。それゆえ、その3人目へきっちり対応しなくては京都の進軍を止められないと言えよう。そこを自由にさせてしまえば確実に局面を破られ、流れに乗ったアタックを仕掛けられてしまう。

そのため、やはり徳島には前で触れたプレスの連続性が不可欠となろう。ひとつ目ふたつ目のアプローチを担当しない選手たちはボールウォッチャーにならないよう常に注意を払い、労を惜しまずポジショニングを細やかに修正して、京都の3人目を逃さず捕まえていかなくては。事実、小林伸二監督もそうした連続性のある包み込むような守備がこの一戦のポイントと考えているようだ。「京都は技術の高い選手がいて連動感ある攻めをするが、それを狭いエリアでやる傾向もある」と分析し、そこでの囲い込みをボール奪取の狙いとして挙げていた。
その上で、上里一将と濱田武の両ボランチを中心に前節後半のような早い守から攻への切り替えを実践できたなら、徳島はきっと勝機を見つけ出せるに違いない。そう言うにあたっての裏付けは、京都が29節から前節までの10戦にわたり毎試合必ず失点を喫していること。そのうちの8試合が1失点だけということから考えると大きな綻びではないだろうが、それでも徳島同様に京都もまた守備の構築を十分にはし切れていないのが実情のように思われる。

当初この一戦は前後に1週間のインターバルがある9/30開催のものであった。が、台風の影響によって延期され、タイトな日程の組み込みに。どちらの選手にとっても相当体に負担の掛かるキツい戦いになったと言えるだろう。またその延期されている間に徳島が目標への道を閉ざされたことから、両者の立ち位置には違いが生まれた。これはある意味京都にとって難しいシチュエーションとなったのではないだろうか。今座っている自動昇格圏の椅子をがっちり掴むための勝利が義務付けられる京都に対して、徳島はある種の開き直りをもって思い切り良くぶつかれるのだから。
果たして仕切り直しのこの一戦を制するのは、ホーム連勝で意地を見せたい徳島か、それとも昇格へまた一歩近付きたい京都か。この日行われる唯一のJリーグは目の離せない激突だ。

以上

2012.10.24 Reported by 松下英樹
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