2012年3月4日に始まったJリーグディビジョン2も、いよいよ大詰めを迎えている。長かったようであっという間の8か月。そして福岡は4日、ホーム最終戦を迎える。
振り返れば思うように行かなかったシーズンだった。今シーズンの最大にして無二の目標だった「J2優勝、J1昇格」が叶わなかったばかりか、昇格争いに一度も絡むことが出来ず、あらゆるデータがクラブ史上最悪の数値を示す。「なぜ?」。「どうして?」。チームも、サポーターも、そして福岡に関わる多くの人たちが悩み続けた。それでも答えは出ない。福岡はまだトンネルの中にいる。
しかし、前を向く力をなくしてしまったわけじゃない。戦う気力を失ってしまったわけじゃない。苦しかった日々は新たな道を見つけるための糧。悔しい想いは新たな戦いに向けての原動力。どんなに辛くても下を向いたら、すべてが終わる。選手たちは自らを鼓舞し、自らの体を押し、戦いに向かう。ひとつの結果は出たが、戦いが終わったわけじゃない。残る2試合は新たな戦いに向けてのスタート。苦しんだシーズンだったからこそ、思うように行かなかったシーズンだからこそ、この2試合で自分たちが積み重ねてきた想いを余すことなく表現しなければならない。そして、どんな時でも熱い声援を送りつつけたサポーターに「戦うアビスパ」の姿を見せる必要がある。今シーズンのチームキャプテンである高橋泰は話す。
「1年間やってきたことを少しでも多くピッチの上で表現できるように準備してきた。サポーターには、満足する結果を見せることが出来ず、ふがいない想いにさせてしまい申し訳ない気持ちが強いが、1分でも多く自分たちのサッカーを見せられるように、そして勝って、みんなで喜びあえるように、ホーム最終戦を終えたい。雨の中でも、遠いアウェイのスタジアムにも駆けつけてくれるサポーターは、自分たちにとって心強い存在。結果が出ていない中でも熱い声援を飛ばし続けてくれたサポーターのために、いい内容、いい結果を見せたい」
それはチームに所属する、すべての者に共通した想いでもある。
そして、この1年間の想いをぶつける試合という意味では、対戦相手の京都も変わらない。昨年の天皇杯準優勝チームは、開幕前からJ1昇格の有力候補と見られ、そして常に昇格争いの真っただ中に身を置いて1シーズンを戦ってきた。40試合を過ごしての成績は勝点70で2位。福岡との戦いに勝利すれば、他会場の結果によってはJ1自動昇格権が与えられる2位以内を確定させるところまでやってきた。しかし、昇格争いは例年にも増して大混戦。2位から6位までが勝点4差の中にひしめき合う戦いの中では、ひとつでも勝点を落とせば立場は逆転。どちらに転ぶか神のみぞ知る一発勝負のJ1昇格プレーオフに回らざるを得なくなる可能性もある。その立場の違いは雲泥の差。痺れるようなプレッシャーの中での戦いを続けている。そのプレッシャーに押しつぶされてしまうのか。それとも、そのプレッシャーを力に代えてJ1への扉を開けるのか。それは、この1年間で積み重ねてきた想いの強さで決まる。過去の成績は未来を保証するものではない。残された2試合に、どれだけの想いをこめられるか。京都もまた、すべての力を福岡との戦いに注いでくる。
単なる順位の比較なら京都の優位は否めない。多くの場合、技術、チーム戦術、そして個人戦術の差が勝敗を分けるのも事実だ。しかし、それだけで勝敗が決まるわけではないのがサッカーというスポーツ。特に互いの想いと想いがぶつかり合う試合では、その一瞬、そのひとつのプレーに込めた想いの強いチームが、勝利のホイッスルを聞く権利を得ることができる。そして福岡は、聖地・レベルファイブスタジアムに足を運ぶサポーターのためにも、京都の後塵を拝することはできない。石津大介は言う。
「ホームで戦った甲府戦では、目の前でJ2優勝を決められた。あの気分を味わされるのは絶対に嫌。来年に向けてチームが良くなっていけるように必ず勝つ」
この1年は、福岡に関わる人たちにいろんな想いを抱かせるシーズンになったが、京都戦は今シーズン最後のホームゲーム。そして、今のメンバーで戦える最後のゲーム。様々な想いを心の奥にしまって、スタジアムが一体となってボールを追い、心をひとつにしてゴールへ向かいたい。そして「これが福岡だ」という姿を見せたい。そのために必要なものは勝利の二文字だ。
以上
2012.11.03 Reported by 中倉一志
J’s GOALニュース
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