柏がAFCチャンピオンズリーグ出場権獲得するためには、浦和、名古屋、鳥栖の結果次第という部分はあるのだが、前節の横浜FM戦の勝利は、ラスト2試合へ期待感を抱かせた試合となった。大雨の影響もあり、内容に関しては改善の余地を残したにせよ、怪我で長らく戦列を離れていたレアンドロ ドミンゲスと近藤直也の復帰によって、攻撃には迫力と決定力が生まれ、守備も粘り強さが蘇ったのである。柏のサッカーには間違いなく1本の芯が通った。
今節のキーマンも、おそらくこの攻守の要の2人だ。懸念された試合勘も、横浜FM戦を90分間フルにこなしたことにより、彼らのパフォーマンスはさらに向上していくと思われる。前節の試合終了後、近藤は雨水を含んだ重たいグラウンドでのプレーに「正直、怖かった」と顔をしかめながら、怪我の再発を恐れていたことを明かしたが、逆に言えば、近藤もレアンドロも、重たいグラウンドでも水準以上のプレーができたことで、怪我に対する懸念は払拭できたのではないだろうか。
そういう状況下で迎えるホーム最終戦の相手は神戸である。残留争いの真っ只中にあるとはいえ、前節のF東京戦の勝利で、それまで続いた“10戦白星なし”を食い止め、15位に踏み止まった。柏と横浜FMの試合同様、大雨とぬかるんだピッチコンディションのため、試合内容や戦術面で言及する部分は少ないとしても、その分、彼らの「勝ちたい」という気持ちは存分に伝わってきており、球際の激しさや体を張った守備には執念さえ感じさせた。「選手全員一人ひとりが自覚を持って自分の出来る最大限の力を出そうという話はしました。精神的な話ですが、まずはそこから入りました」と記者会見で話した安達亮監督のコメントに思わず頷いてしまう。
第7節の前回対戦、21対6というシュート数が物語る通り、アウェイの地で柏は神戸を圧倒した。しかし、必ずしも試合内容と結果は一致するものではない。内容では遥かに上回った柏だったが、セットプレーとカウンターで少ないチャンスをモノにした神戸の前に屈したのである。
柏はACL出場権獲得、神戸は残留に向けて勝点3が欲しいという状況はどちらも一緒だ。ただ、前回対戦で神戸の策略にまんまとハマってしまった上に、柏は直近のホーム2試合、第30節大宮戦は1−4の大敗を喫し、第31節G大阪戦では試合終了間際に追い付かれるなど、対戦相手の残留に懸ける強い思いに後手を踏んでいる。こうした反省と教訓を踏まえれば、とにかく守備から入ることが先決だろう。そこで先述したキーマン2人の名前が挙がるわけである。横浜FM戦で体を張って守り抜いた守備陣にとって、やはり近藤の存在は大きかった。大久保嘉人、都倉賢、野沢拓也ら、個の力で打開できる神戸の攻撃は脅威だが、今回も粘り強い守備さえできれば、レアンドロの高速ドリブルを起点に怒涛のカウンターを仕掛けることができる。攻撃的に出るよりも、今シーズンは守備を重んじた時の方が、結果が出ているだけに、点を取ることよりも、まずは取られないことを念頭に置き、試合を進めたいところである。
今シーズンの柏は、ホームでの成績が芳しくなかった。ここまでリーグ戦16試合をこなし、5勝6敗5分と負け越し。それを受けて、工藤壮人はこう話す。「今年はホームで良い試合を見せられなかったので、ホーム最終戦は良い形で締め括りたい」。この度、ネルシーニョ監督の続投も発表された。すなわち、ネルシーニョ監督が求める規律を重んじたスタイルは来シーズンも続く。このホーム最終戦、柏らしい規律のあるサッカーで白星を収め、ホーム最終戦を飾ると同時に、ACL出場権獲得、天皇杯、そして来シーズンにつながる試合をぜひとも見せてほしい。
以上
2012.11.23 Reported by 鈴木潤
J’s GOALニュース
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