浦和は最終節で名古屋を退けると、ちょっとしたアシストにも恵まれて、逆転でACL行きの切符をつかんだ。昨シーズンは降格の危機に直面していたのに、わずか1年後には優勝争いに食い込む急上昇ぶり。ミハイロ ペトロヴィッチ体制1年目は大成功と言っていいだろう。
ただ、まだシーズンは終わっていない。今年を最後に浦和を離れる選手もいる。彼らと少しでも長く共に過ごすためには天皇杯で勝ち続けるしかない。「リーグ3位で終わったことでみんな満足感に浸りたいところはあるだろうけど、達也さんとポポを元日の決勝まで連れて行こうというのがチームの合言葉になっている。最後の最後まで戦えるようにしたい」と槙野智章。残念ながら別れの時はいつか訪れる。それならば、最後は笑って送り出したい。
田中達也にはスタメンの可能性が出てきている。レギュラーの原口元気は急性虫垂炎の手術を受け、戦線離脱中。マルシオ リシャルデスを1トップに入れる選択肢もあるが、シャドー役を担える梅崎司が名古屋戦で負傷してから別メニューが続いており、横浜FM戦は欠場濃厚。マルシオは普段のポジションでプレーする可能性が高い。今週の練習では田中がスタメン組の1トップに入ることが多かったことを考えると、最前線で背番号11が躍動する姿が見られそうだ。「1日でも多くみんなとサッカーをやるために勝たなければいけない」。田中も出番を待ち望んでいる。
チームメイトも全力でサポートするつもりだ。プライベートでも親しくしてきた柏木陽介は「もちろん優勝したい気持ちもあるけど、達也さんと少しでも長くやりたいというのが俺の一番のモチベーション」と闘志を燃やし、「達也さんがどこにいるかは常に確認している。見なくても出せる状況を作れたら良いなと思うし、そのパスでゴールを決めてほしい」と晴れ舞台をお膳立てするつもりだ。
対戦相手となる横浜FMはリーグ最少失点を誇る堅守が持ち味だ。田中も「守備が強いイメージがある」と話している。ディフェンスリーダーの中澤佑二はコンディション不良で浦和戦を欠場する可能性もあるが、最終ラインには栗原勇蔵という日本トップレベルのセンターバックがそびえ立ち、青山直晃のような実力のある選手もいるため、大崩れすることはなさそうだ。
樋口靖洋監督が頭を悩ませているのは攻撃陣の編成だろう。前線で軸となるマルキーニョスはリーグ戦から続いている故障が癒えておらず復帰の目処が立っていない様子。さらに個人技で局面を打開できる齋藤学もひざを痛め、出場が危ぶまれている。チーム得点王と2番手のスコアラーを同時に欠くことになれば迫力不足は否めないだけに、齋藤の状態は気になるところだ。
前回の浦和戦では小野裕二をサイドでスタメン起用し、電光石火のサイドアタックからファーサイドへのクロスという浦和の弱点を突くような攻撃を繰り出し出会い頭に先手を取った。ただ、ぶっつけ本番だったという奇襲の効果は長続きせず、逆転負けを喫した。今回、マルキーニョス不在の穴を埋めるため1トップに小野を据えるのか、それともサイドで突破力に期待するのか。1トップには競り合いに強い谷口博之を起用するという手もあり、大黒将志も控えている。樋口監督がどういった選択をするのか注目したい。
以上
2012.12.14 Reported by 神谷正明
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