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【第92回天皇杯 4回戦 浦和 vs 横浜FM】レポート:浦和完敗。横浜FMが思い通りのサッカーで準々決勝へ(12.12.16)

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「スタイルを持った浦和に対してリアクションにならないで相手の良さを消せるか、そして自分たちの良さを出せるか」。横浜FMの樋口靖洋監督はそういったテーマを持ってこの試合に臨んだというが、果たして思惑通りの展開となった。

リーグ最少失点を誇る横浜FMの守備はやはり堅牢だった。最前線の小野裕二、トップ下の中村俊輔から守備をまったくサボらず相手を追い込んでいく。ボールホルダーにプレッシャーをかけながら、同時に中央へのパスコースを巧みに切っていくことで浦和の選択肢を削っていく。浦和が攻撃のスイッチを握る2シャドーにボールを入れようとしても、横浜FMのセンターバック中澤佑二と栗原勇蔵、ボランチ富澤清太郎と中町公祐のボックスがしっかりとケアしているため、いいボールがほとんど入らなかった。

横浜FMは浦和に対して枚数を合わせることはせず、自分たちのスタイルで相手の攻撃を無力化した。シーズン後半戦から採用している4−2−3−1のフォーメーションで、相手の選択肢を1つずつ奪う組織的な守備で浦和を追い込んでいった。
「相手のシステムに当てはめて、3バックに変更してやることもあるが、うちは基本的にリアクションはしない。4バック、ダブルボランチというベースを持ってどうするかということでやった。背後に相手を置いてもパスのコースを切ってしまう形を作れた。そこが一番のポイントだった」とは樋口監督の弁だ。
効果的な縦パスを入れられない浦和はワイドにボールをつけて崩しにかかるが、横浜FMは中央の守りが固いため、なかなかフィニッシュまで持っていけない。序盤は主に平川忠亮の折り返しに2列目の選手が合わせるという形でシュートまで持っていくことが何回かあったが、そのパターンも徐々に抑え込まれるようになっていくと手詰まりになった。

いい守備ができれば攻撃のテンポも良くなる。横浜FMは2人の司令塔を中心にうまくゲームを作った。トップ下に入った中村はショートパスで攻撃のリズムを作るのと同時に、逆サイドの守備が薄いと見るや高精度のミドルパスをピタリと通して浦和の守備を揺さぶった。前半8分に狩野健太に通したダイアゴナルパスは、狩野が惜しくもゴールに結び付けられなかったものの、中村らしい決定的なパスだった。
そしてもう1人、ゲームメークの場面で光っていたのが中町公祐だ。ボランチの中町はいろんなところに顔を出して攻撃をうまくつないでいた。リスクマネジメントは相棒の富澤に任せ、相手が嫌がるポイントに入っていってゲームを作った。中村が「気の利いたことができる」と称えるように、攻撃にアクセントを加える存在として躍動していた。

前半28分に狩野のアシストから兵藤慎剛のゴールで先手を取った横浜FMは、後半開始早々の48分といういい時間帯に狩野が追加点を奪った。「いい流れでサイドでポイントを作り、サイドに持っていって2列目から飛び出した選手が決めるというコレクティブなカウンターができた」と指揮官が絶賛した追加点で試合の趨勢は決まってしまった。
横浜FMは後半、シュートまで持っていく場面がほとんどなかったが、2点リードの状況を考えた盤石の試合運びだったと言っていいだろう。守備するエリアを全体的に下げてリスクを軽減し、前線から全員で守る献身性を保ってブロックに穴を空けなかった。
思うようにプレーできなかった浦和・柏木陽介は、横浜FMの統率が取れたディフェンスを称えるしかなかった。「今シーズンやってきたなかでもすごくいい守備だったし、スペースのない中でやらないといけない状況だった」。槙野智章も悔しさをにじませながら「こんなに自分たちがゲームを作れなかったのは初めてじゃないかと思う」と下を向いた。浦和は完敗という形で今シーズンの幕を閉じることになり、去りゆく人たちを笑顔で送り出す願いは叶わなかった。

以上

2012.12.16 Reported by 神谷正明
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