耐えて、耐えて、耐え抜いてつかんだ勝点1だった。
仙台にとってACLでのアウェイ戦はこの江蘇戦が初めてのこと。だがこの試合でプロ入り後公式戦初先発を果たした蜂須賀孝治が「3、4試合分の経験値を積んだような…」と話したように、J1の舞台でもお目にかかれないようなアウェイの洗礼を受けた格好だ。44785人の公式入場者中44500人を超えていたであろう相手サポーターの大声援やブーイングなどによる威嚇、ハーフタイムから降り出した豪雨など、過酷な条件を挙げればきりがないくらいだ。
そして初戦を落としていた江蘇は、初めて迎えるホームゲームでなんとしても勝利が欲しかった。立ち上がりからALEKSANDAR JEVTICとLU BOFEIを中心に仙台の最終ラインの裏を狙って圧力をかけ、決定機を作る。
しかしこの展開で、仙台はじっくり耐えてチャンスを待つ。直近のACLからメンバーを入れ替えて前述の蜂須賀らを先発起用して挑んだこの試合で、チャンスを得た選手達が守備で大きな破綻のない連係を見せた。やはり今季公式戦初先発となったジオゴは相手との激しい接触で負傷しながら、1対1での強さを見せて4-3-3の中盤の底をカバー。彼が競り合いのこぼれ球を拾って、ヘベルチと梁勇基にボールを託し、そこからの展開で逆襲を狙った。前半の途中からは手倉森誠監督が「組み立ての中で相手を少し相手を動かせた場面は良かった」と振り返ったように、ヘベルチやウイルソンが相手ゴール正面からシュートを放つ場面も出た。
後半も同様に立ち上がりは江蘇ペースで、仙台が同じように逆襲するかと思われた。しかし江蘇は60分にストライカー・HAMDI SALIHIを投入。2トップに変えて中央にボールを集めるパワープレーの要素を強める。この展開は手倉森監督たちもスカウティング済みだったが、予想以上の圧力で、セカンドボールが拾えなくなってしまった。
しかし「この素晴らしいピッチやスタジアムでできることの幸せをかみしめてプレーしていた」という守護神・林卓人が、前半に続きビッグセーブを連発してチームを鼓舞した。この日キャプテンマークを巻いていた背番号16が相手のハイボールやスルーパスにも抜群のタイミングで対応し、それに応えるように渡辺広大ら守備陣もクロスを跳ね返す。
「7、8回はチャンスがあったが、運悪く1つのゴールも奪えなかった」と江蘇のドラガン・オクカ監督は試合後に振り返ったが、江蘇がシュート精度を欠いたという運だけでなく、Jリーグ以上にタフなぶつかり合いが頻発する中でもしっかり体を寄せ続けていた仙台の守備が、このスコアレスドローという結果を導いた。
「技術のみならず、戦うメンタリティという部分でも成長を見せられた」と、手倉森監督はこの勝点1の価値を強調した。タフな戦いの末につかんだこの勝点を「大きかった」と振り返ることができるようになるために、ACLの戦いは続いていく。
以上
2013.03.13 Reported by 板垣晴朗
J’s GOALニュース
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