リーグ2試合を消化したなかで、明暗を分けている2チームが対戦する。今季4年ぶりにJ1に復活した大分は1分1敗。前評判通り厳しい戦いを強いられている。一方の浦和は、万全の横綱相撲で15年ぶりの連勝スタートを切った。さらに今週水曜日のACLで圧勝し、勢いづいてアウェイに乗り込む。
まず大分から言うと、J1との実力差は明確で、その差は簡単に埋まるものではない。田坂和昭監督は「2試合を終えて課題が明確になった。細かいことを言えば切りがないが、自分たちのサッカーを貫けば十分戦える」と気丈に振る舞うが、「J1とのレベル差にカルチャーショックを受けた」(森島康仁)というのが本音だろう。大分はチームとしても個人としてもJ2の3年間で大きな成長を遂げたが、J1で戦うチームはそれ以上のスピードで実力を積み上げた。2試合を見る限り、そう感じたサポーターは多いはず。J1の舞台をはじめて経験している2年目の若狭大志は、「身体の強さ、パスのスピード、クロスの精度、1対1の対応など、個人能力の高さがすべて違う」と大きな差を痛感した。ただ、個の能力で劣っても、組織で戦えば太刀打ちできない相手はいない、というのがチーム全体の考えである。
大分は弱者であることを認め、弱者の戦いを知っている。「全員守備・全員攻撃」である。「押し込まれても失点しなければいい。ひとりが抜かれたとしても、次のひとりがカバーすればいい。攻撃も同じ。個で仕掛けることができなければ全体でボールを動かし、ゴールを奪えばいい」と指揮官の考えは十分チームに浸透している。そして、小が大を倒す番狂わせの痛快さも知っている。がっぷり四つに組み合えば簡単に押し切られるが、組み手を変えれば面白い試合になる。「浦和とは同じシステムだがミスマッチが起きる場所がある。そこで球際で優位に経ち、ボールを保持し、動かすことができれば勝機はある」(田坂監督)。
ジャイアントキリングに偶然はない。確かな理屈に裏付けられた必然があることを証明してくれるはずだ。
一方の浦和は、今オフに攻撃的なタレントを揃え、2年目のペトロヴィッチ監督のスタイルを着実に構築している。「攻撃的スタンスを貫いている。守備から攻撃のボールの動かし方など、同じ指導者として勉強になる」とは田坂監督。ペトロヴィッチ監督が広島を率いていた頃から毎試合チェックしており、大分が一昨年前に4バックから3バックにシステムを変更したときに、「ミシャの3バック」を参考にした。田坂監督が賛辞する全員でボールを動かし、ピッチの幅を使い、そのなかで中央突破も織り交ぜる理想のサッカーは、昨年より個のレベルアップしたことで、スピードが増しパワーアップした。新加入の興梠慎三、関口訓充らの活躍も含め、ここまで結果も伴い、付け入る隙はない。
ただ、浦和が危惧することがあるとすれば、大分銀行ドームでの勝率であろう。直近の5試合で1分4敗と勝てていない。そのうち3試合で高松大樹にゴールを決められている。浦和にとって鬼門のアウェイ大分で、高松が待ち構えている。
以上
2013.03.15 Reported by 柚野真也
J’s GOALニュース
一覧へ【J1:第3節 大分 vs 浦和】プレビュー:横綱・浦和に小兵力士・大分が組み手を変え挑む(13.03.15)
- 終盤戦特集2025
- アウォーズ2025
- 明治安田J1昇格プレーオフ2025
- 明治安田J2昇格プレーオフ2025
- J3・JFL入れ替え戦
- AFCチャンピオンズリーグエリート2024/25
- AFCチャンピオンズリーグ2 2024/25
- はじめてのJリーグ
- Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアーfor a Sustainable Future supported by 明治安田
- 明治安田Jリーグ百年構想リーグ
- 2025 月間表彰
- 2025 移籍情報
- 2025 大会概要
- J.LEAGUE FANTASY CARD
- 2025 Jリーグインターナショナルユースカップ
- シャレン Jリーグ社会連携
- Jリーグ気候アクション
- Jリーグ公式試合での写真・動画のSNS投稿ガイドライン
- J.LEAGUE CORPORATE SITE













