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【J2:第4節 山形 vs 栃木】レポート:静の前半と動の後半。接戦を制した山形がホームで連勝を飾る。(13.03.21)

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試合を終えた山形・奥野僚右監督が前半を振り返った。「気温も高いなか、思った以上に両チームの消耗が激しく、栃木さんにおいては非常に整理された守備からの攻撃というものを展開されるなかで、同じ形を取っている山形としてもがっぷり四つのゲームになりました。なかなか思うようにボールと足が運べずに、ボール奪取される相手の強みというものが多少出た部分もありました」

前節、山形は長崎を相手に17本のシュートを、栃木は千葉を相手に19本のシュートを放っているが、ともに先発メンバーに変更がないなかで対戦したこの試合ではゴールはより遠く見えていただろう。特に前半は山形4本、栃木3本のシュート数にとどまった。

そのなかで、優位に進めていたのは山形。萬代宏樹がタイミングのいい飛び出しや的確なポジショニングで7分、10分と立て続けに決定機を迎え、ここでは決めきることができなかったが、よりボランチを押し上げてセカンドボールをものにし、ボールの支配率を高めていた。ただし、中村太亮がクロスを上げる場面ではゴール前に十分な人数を送り込むことができず、敵陣に押し込んでから前線に送るボールがアプローチしてきた相手に引っかかるシーンも多く見られるなど、バイタルエリアを締める相手に手を焼いた。

一方、ほとんどチャンスをつくれなかった栃木は38分、チャ ヨンファンのインターセプトからカウンターを仕掛けたが、ここは近藤祐介がオフサイド。41分には前方のスペースを見て持ち上がったチャがそのままミドルシュートを放ったが、GK常澤聡の好セーブに阻まれ、直後のコーナーキックからのチャンスでも得点が奪えなかった。「このピッチ状態では締まった試合をやれば0-0にしかならないのかなと。どこかで運があれば最終的に1-0、と思っていた」。栃木・松田浩監督もまた、最少スコアでの決着を頭に描いていた。

後半、試合を動かし主導権を握ったのは、「前半はあまりよくなかった。単純なミスが多かった」(パウリーニョ)と劣勢だった栃木。「相手のラインが高かったので、背後を狙おうというのはハーフタイムに話したのと、前半やってみて思ったよりグラウンドが悪かったので、背後をどんどん狙っていこうというのはチームとして話をした」(高木和正)とシンプルに蹴り圧力をかける方向へと舵を切った。これが奏功。マイナスにファーサイドへ飛ばすコーナーキックからフリーで打つ態勢に持ち込んだほか、山形のバックパスからのつなぎのプレーを狙った59分には、クリスティアーノが弾き出したボールを近藤がシュート。62分にもショートカウンターからクリスティアーノがシュートを放った。「山形さんがあのグラウンドではできないようなプレーをして、ピンチを招いていた。我々はそこを決めていれば、そういうプレーをしたチームにしっかりとペナルティーを下して、勝ちに持っていける試合だった」と松田監督は振り返ったが、ここでも立ちはだかったGK常澤に先制点の機会を奪われた。

山形は、このピンチをチャンスに変える。68分、奥野監督は2枚目のカードとして、ボランチの宮阪政樹に代えて比嘉厚平を投入。比嘉をサイドハーフに置いて相手の背後や間で受けるプレーを要求する一方、「彼の球際の強さと突破力を期待していた」とロメロ フランクをサイドからボランチにスライド。さらにトップ中島裕希と途中出場でサイドハーフでプレーしていた山崎雅人のポジションも入れ替えた。この起用が見事に的中したのが74分の先制シーン。GK常澤のパントキックから萬代、中島と左サイドを縦に運ぶと、裏を取った中島に栃木のボランチ・パウリーニョが対応。パスをニアで受けた比嘉は自分での仕掛けも考えたが、2人に囲まれた状況と「比嘉!比嘉!比嘉!」と大声で呼ぶロメロ フランクの声が聞こえたため、「シンプルにやろうと思いました」とそのまま中央へパス。広くスペースが空いていたバイタルエリアを切り裂いて走り込んだロメロ フランクが「しっかりいいボールが来たので、抑えてシュート打ちました」。當間建文の背中をかすめ、わずかにコースを変えたボールは左隅をとらえた。

試合はここからめまぐるしく動く。山形の先制ゴールから4分後、栃木がコーナーキックからサビアがヘディングシュートを決めて追いついたが、その3分後、先制のシーンと同じように左サイドで起点をつくった山形は、比嘉から中央のロメロ フランクへ。ここで栃木はゴール前に十分な人数をかけていたためシュートコースはなかったが、右サイドの大きなスペースが空いていた。ていねいに流し込んだパスを、上がってきた山田拓巳はアプローチを受ける前にダイレクトでゴール前へ。ワンバウンドしたボールを赤井秀行がクリアしようとしたが、山崎のニアに潰れる動きで一瞬ブラインドになったことや、バウンドでイレギュラーしたことも重なり、左膝に当たったボールはそのままゴールマウスに吸い込まれた。再びリードを許した栃木は、同点で一度ベンチに戻していた湯澤洋介を急遽投入して追い上げを図るが、ファウルによるフリーキックやスローインなど山形に落ち着いて時間を使われ、アディショナルタイムのコーナーキックやロングスローでも得点はならず。山形が2-1で連勝を飾った。

松田監督は「失点した時間帯は勝ちにいっていたので、それくらいのリスクがあっても責められない。我慢しながらやっていた選手や、クリエイティブな部分が報われなかった」と、またも内容を結果に結びつけることができなかった試合を振り返った。シーズンはまだ序盤。勝点や順位はいくらでも挽回できるが、もっとも怖いことは自信をなくし、方向性を失うこと。「結果はほんのちょっとしたことで決まる。それにとらわれ過ぎるよりは、自分たちが90分やってきたことを冷静に見て、次の試合でどういう戦い方をするか。変えるべきなのか、続けたほうがいいのか。その中では、自分たちのサッカーを続けたほうがいいと思います」。松田監督はここまでのスタイルを続けることであと一歩を突き詰める姿勢を示した。

2連敗から2連勝、ホーム連戦の利も活かし、山形は7位まで急浮上した。萬代は「次が一番大事だし、一番きついと思います。でも監督も言っているように、チームが一つになれば勝てると思う」と話し、ロメロ フランクも「ここ最近、チームがまとまってる」と好調の要因を語る。昨シーズン同様、好調時にはスコアラーの名前が試合ごとに変わるが、その背景について奥野監督は、「最後勝ちきることが目的ですから、このホームゲームでは本当にサポーターのみんなとよろこびを分かち合いたい。でも、そこにはサブメンバー、ベンチ外のメンバー含めて、それぞれが培ってきたものというのが表現できたんじゃないか」と説明する。3連戦の最後、アウェイで迎える次節・北九州戦で、チームの力が真の意味で試されることになる。

以上

2013.03.21 Reported by 佐藤円
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