3月24日に第５節を迎えるJ2リーグ戦。４試合を終えて全勝しているチームはいなくなり、勝点を見てもいきなりの混戦模様となっている。そんな中、今節、ガンバ大阪はジェフ千葉を迎えてのホーム戦。前節同様、日本代表選出のためMF遠藤保仁、MF今野泰幸を欠いての戦いとなるが、相手は昇格候補として呼び声高い千葉。J2リーグは先の長い戦いとはいえ、ホーム戦だけにしっかりと勝点を積み上げたいところだ。
「初勝利を経て２勝目を挙げたり、ホームで勝つことができればチームは乗ってくる。今、今乗り切れないのはそれが理由の１つでもある。千葉は個の能力が高いJ1クラスのチーム。こういう試合をどう戦えるか。真価を問われる試合になると思います。（長谷川健太監督）」

ガンバ大阪は前節、ロアッソ熊本と対戦。立ち上がりこそバタついたのものFWレアンドロと今季初先発となったMF武井択也のゴールで２点を先行。落ち着いて試合を運ぶかと思われたが、結果的に後半に２点を失って引き分けに。またしても勝点３は掴めなかった。とはいえ、中２日の試合、代表不在ということや、これだけ毎試合、相手が『対G大阪』ということに対して執念を燃やして挑んできていることを踏まえても、相手に屈せず『勝点１』を積み重ねている事実はプラスに捉えたい。「中3日での試合だけに、メンタルの部分をしっかり切り替えて試合に臨みたい」と話す長谷川健太監督の言葉通り、前節を引きずらずに、気持ちの部分でしっかりと前を向いて千葉戦を迎えたい。
注目は前節に続き先発出場が濃厚なMF武井択也。今季初先発となった前節では特に後半、ビルドアップがうまくいかず、攻撃にスムーズさを欠いたという反省から「個人としても、チーム全体としてもしっかり修正して千葉戦に臨みたい」と本人。今週金曜、土曜日と非公開で行われたトレーニングでは、ダブルボランチの関係性、選手同士の距離感、前線の選手との連動性などの確認を行ったようだが、G大阪のサッカーでは“心臓”とも言えるボランチの選手が安定したプレーを示せれば、間違いなく攻守に落ち着いて試合を運べるはず。MF遠藤不在をものともしないパフォーマンスを期待したい。

千葉は、開幕の札幌戦こそ黒星スタートとなったものの、以降３試合は負けなし。G大阪と同じく前節のガイナーレ鳥取戦は先行しながらも追いつかれ、引き分ける結果となった。その中で課題として浮き彫りになっているのが攻撃の迫力不足。前節の後半然り、スコアレスで終わった栃木戦然り、未だ攻撃における連携、連動面でスムーズさを欠いていることがチームの勢いを失速させている印象も強い。ただ守備においては、GK岡本昌弘や元G大阪のDF山口智を中心に試合を重ねるごとに安定したパフォーマンスを示しつつあるだけに、攻撃の部分でエンジンがかかれば、勢いに乗る可能性は十分にある。
注目はやはりDF山口智。昨年、G大阪から千葉に移籍し、１年での昇格を目指したDF山口にとっては、自分たちが昇格できなかったことも、また、G大阪がJ2に降格し、今季はJ2リーグでの対戦を強いられることも予想外だったはず。おそらくは、複雑な心境で試合を迎えるはずだが、キックオフのホイッスルが鳴れば、真のプロフェッショナルイズムを備えるDF山口のこと。持ち前の統率力で千葉を牽引するのみならず、G大阪のサッカー、選手の特徴を熟知しているからこそ、その持ち味を封印するべくパフォーマンスをしっかりと示すことだろう。

両者のJリーグにおける対戦成績はG大阪が１１勝4分7敗と勝ち越し。しかも、近年では06年の対戦以降、千葉がJ1リーグでプレーした09年まで、G大阪が7勝1分と圧勝している。ただ、ここ４試合の戦いを振り返ってもそうであるように、一筋縄ではいかないJ2リーグ戦。加えて、千葉の方がJ2リーグにおける経験値が高いと考えても、厳しい試合になることは間違いないはずだ。

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2013.03.23 Reported by 高村美砂