水曜日から中3日で迎える今節の試合。北九州は、前節の東京Vと話題の一戦を、新加入の、FWキムドンフィで先制するも、元日本代表の高原直泰にゴールを決められ、引き分けで試合を終えた。個人技で勝る相手に対して押される場面もあったが、チーム全体でしっかりと戦え、キャプテンの前田和哉も「皆んなの成長を感じる」と、チームとしての手応えを語った。

岡山戦からメンバーを固定した事で、選手同士の距離感、連携面も徐々にだが形として、攻守に表れる様になった。攻守のキーマン鈴木修人は「良いサッカーは出来始めている。まだ、ラストパスにミスが多かったので、あとは精度を高めようと、チーム全体で話している」と、攻撃での修正点を挙げてくれた。
連戦が続くので、新加入の選手、ディフェンス陣にベテランが多いのを危惧したが、選手の多くが「疲れは残っていない」と表情も明るい。チームが少しづつ上向きな事で、精神的にも肉体的にも充実している様だ。
柱谷幸一監督も「ホームの開幕戦は黒星、2戦目は引き分け。次は勝ちだね！」と口調も軽やかだった。

今節対戦する山形は、柱谷監督にとって、監督としてのキャリアをスタートさせた地。また、キャプテンの前田選手は、昨年まで在籍してクラブ。二人が揃って口にした言葉は「この時期の天童は、雪が多くて大変だったが、ボランティアやサポーターのお陰で、サッカーに専念する事が出来た。今でも感謝している」と話していた。
「元気な姿を見せる事が、山形の方々への恩返し」と付け加えた前田キャプテンだったが「まだ北九州に来て、ホームで白星を見せる事が出来て無いので、早くサポーター達と勝利を分かち合いたい」と、ホーム初勝利を、北九州のサポーターに誓ってくれた。

対する山形は、開幕から続いたアウェイ戦を2連敗と苦しんだが、長崎戦で初勝利、中2日で迎えた栃木戦とホームで連勝を飾り、立て直す事に成功した。
昨年から、攻撃サッカーを浸透させて来た奥野僚右監督。ここまでの4試合でも計42本、一試合当たり約11本のシュートを放っている。前線には、中島裕希、萬代宏樹、山崎雅人とタレントが豊富なだけに、今季獲得した、MFの伊東俊とロメロ フランクとの連携が向上すれば、さらに攻撃に厚みを持たせられるだろう。

北九州の鈴木修人は、今回の戦いを「お互い、同じ様なシステム、同じ様な戦い方をするチーム同士。ミラーゲームになると思う」と語ったが、ホーム初勝利、アウェイ初勝利を飾るのかは、最後の精度が勝負のポイントになりそうだ。

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2013.03.23 Reported by 坂本真