求められる結果を出すためには、それ相応の実力がいるのはどの世界でも当たり前。時には、運も味方にしないといけない。経験を積んだ者でも、結果を出すのは難しいもので、相手があるサッカーではなおさらのことである。今節の試合では、今季加入した選手の活躍を随所に見ることができた。
まず、鳥栖ではMF清武功暉を真っ先にあげないといけないだろう。
チームの中で最多のシュート4本を放ち、19分の池田圭の得点のアシストを記録した。44分には、自ら得たFKでゴールを狙うなど、積極的にゴールを目指すプレーが光った。特に、鳥栖唯一の得点となったアシストは、左サイドから自ら仕掛けてシュートを放っても、中央に走り込んだ豊田陽平にも合わせてもいいタイミングだった。その中での選択が、厳しいコースに走り込んだ池田圭へのラストパスだった。名古屋のGK楢崎正剛とっては、一番可能性の低い選択肢だったのではないだろうか。「出場というチャンスを貰っているので、アシストやゴールという結果を残したい」と有言実行の活躍だった。
次にMF末吉隼也をあげておく。
「福岡にいたら試合に出ることはできるかもしれないが、鳥栖で成長したい」と移籍の理由を語っていた彼が、この試合で鳥栖での公式戦初先発を飾った。持ち味の展開力だけでなく、前線とDFのバランスを取り、名古屋のボールの出し所を消すポジショニングが光った。
名古屋でも新加入選手の活躍が光った。
先制点をあげたMFヤキモフスキーは、鳥栖の高いDFの裏に抜け出す動きから、GKとの1対1を冷静にかわして先制点をあげた。新潟から移籍してきた矢野貴章も、セットプレーから高さと上手さを生かしてヘディングで決勝点となるゴールを決めた。田中マルクス闘莉王や小川佳純、藤本淳吾ら攻守の中心となる選手を欠いての戦いだっただけに、新しい選手たちがその存在感を示してくれたことで、今後の戦い方にある程度の目安ができたのではないだろうか。
リーグ戦とは違う雰囲気の中で、結果を求められるヤマザキナビスコカップ。
過密日程の中で、新加入選手がどれだけその存在感を示してくれるのかは、監督だけでなくサポーターやファンも気になるところだが、この試合においては勝った名古屋も敗れた鳥栖も次の公式戦であるリーグ第4節に期待を抱かせた内容ではなかっただろうか。
「この経験をチームに生かしていけるようにしないと」と公式戦初出場を果たしたハーフナー ニッキの言葉が、新加入選手の気持ちを代表している。
試合に関しては、お互いのストロングポイントを出した内容といえた。コンパクトな陣形の中で、奪ったボールを素早くシュートまで持っていこうとした鳥栖に対し、サイドからの展開と2列目からの飛び出しを果敢に繰り返した名古屋。最後までその狙いを崩すことなく、死力を尽くしたと言っていいだろう。強いて挙げれば、試合の運び方の上手さにおいて、名古屋が上回ったといえるだろう。「名古屋とやる時はいつも一緒。(中略)名古屋のペースにのまれてしまった感じ。そこにうち(鳥栖)の力不足を感じる」とは、鳥栖の守備をコントロールした小林久晃の振り返りである。この差が、この試合の得点差となったのだろう。次回の対戦が楽しみでもある。
シッカリとした技術で、シッカリとボールをつなぎながら相手を崩していくサッカーも面白い。
しかし、がむしゃらにボールを前に運ぶ粋の良さも見たいと思うのは贅沢だろうか。
攻守が目まぐるしく入れ替わるサッカーにおいて、得点を取れるセオリーは存在しない。
だからこそ、全員が走り、あらゆる可能性を求めてプレーするのである。
課題は伸びしろであり、失敗は成功の過程である。
サッカーほど、予測がつきにくいスポーツはない。
以上
2013.03.24 Reported by サカクラゲン













