2連勝の後の3連敗。最高の形で2013シーズンをスタートさせた福岡だったが、5試合を終えて最初の壁にぶつかっている。その現状を、マリヤン・プシュニク監督は次のように語る。
「いいスタートを切ったにも拘わらず、その後の試合では安易な形で相手にゴールを与えてしまい、満足はしていない。その理由はいろいろとあるが、しかしいまは、それについてどうこう言うことに、あまり価値はない。我々は前を向かなければならないし、次節の水戸戦に向けて、いい準備をしなければならない。選手たちもそれに気づいてくれているはず。前節に犯したミスを修正して、いいパフォーマンスを出してくれるものと思っている。その結果、得点をして、失点をせず、そして我々が勝つ」
その言葉を反映するかのように、札幌戦後の1週間はハードな日々だった。普段はクールダウンに当てている月曜日のトレーニングは、異例の2時間以上に渡るもの。火曜日には、フル出場した選手も含めて全員でミーティングを行い、水曜日以降も、まるでシーズン前のような激しいトレーニングが続いた。そして、選手たちも、それに応えた。
「きつい想いをしなければ上には上がれない。きつい想いをしたからこそ上がれると思うし、上がった時の喜びも大きなものになると思う。休みがあるとか、ないとかは気にしていない。負けているのに休んでいるようじゃいけない」(城後寿)
「アグレッシブにプレーすることだけを考えてやってきた。きついけれど、コンディションが上がっているのを実感している」(石津大介)
「練習量が増えたが、負けているので当たり前のこと。しっかりとトレーニングを積んで、次の試合で結果を出して、ここで連敗を食い止めるだけ」(西田剛)
誰もが同じ言葉を口にし、激しくボールを奪い合い、激しく体をぶつけ合った。そんな選手たちの姿を見ながら、「ポジティブに取り組んでくれている。次の試合につながるのではないか」とプシュニク監督は話す。ピッチの上で表現するのは、アグレッシブでスピーディなサッカー。福岡は自分たちのサッカーを改めて徹底することで連敗からの脱出を図る。
そして、自分たちのサッカーを徹底するということでは、対戦相手の水戸も同じだろう。「俺の一番嫌いなゲームを、彼らは2回もやりました。鳥取戦に続いて今日。僕が一番大事にしている『戦う』『ファイトする』ことに対して、まだ緩い選手がいる。その辺が自分的にとても悲しい」とは、前節の愛媛戦終了後の記者会見での柱谷哲二監督(水戸)の言葉。心身ともに充実している時は非常に質の高いパフォーマンスを見せるが、そうでない時には違う顔を見せてしまうという課題を抱えている。強者と弱者の両面を持つ水戸にとって、立ち上がりから、しっかりと自分たちのサッカーを展開し、局面でファイト出来るかどうかが、最大のポイントになるだろう。しかし、だからと言って、福岡が水戸を組みやすしと捉えれば、確実に足元をすくわれる。戦い方に波があるのは、J2に所属する全てのチームに共通する課題。それは福岡とて例外ではなく、試合の入り方を間違えれば、その瞬間に立場が入れ替わるのがJ2の舞台だ。だからこそ「万全の準備をしなければいけない」と、プシュニク監督は話す。
対戦相手がどうであれ、自分たちの流れもあれば、相手の流れもあるのがサッカーというスポーツ。その中では、思うような展開が出来ない時に、どのように対応するかが勝敗を分ける。福岡が、試合をコントロールしながら3連敗を喫したのも、我慢すべき時に我慢しきれなかったからに他ならない。城後寿は話す。
「まずは練習でやっていることを試合に出すこと。しかし、練習の全てを公式戦でやれるかと言ったらそうではない。出来なかったときにどうするか、それが、去年からの自分たちの課題。自分たちが目指すサッカーをベースに戦いながら、ピッチの中で選手が状況を感じながら、どう対応するかが大事。最終的な責任は選手にある。自分も含めて責任あるプレーをピッチの上で示したい」
福岡は3連敗の2勝3敗。水戸は3戦勝なしの1勝2分2敗。互いに苦しい状況にいる。そして、それを打破するのは、自分たちを信じ、勝利を目指す気持ちをプレーで表わし、自分たちのサッカーを余すことなく相手にぶつけることであることも、両チームにとって変わらない。気持ちと気持ちがぶつかり合う激しい試合。レベルファイブスタジアムで熱い戦いが繰り広げられることは間違いない。
以上
2013.03.30 Reported by 中倉一志
J’s GOALニュース
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