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【J2:第7節 徳島 vs 長崎】プレビュー:シーズン序盤の成長比べ。徳島はそれで長崎を上回り、さらなる加速を纏いたい!(13.04.07)

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昇格候補と目されるG大阪と山形にこそ敗れたものの、シーズン序盤の6戦を五分の戦績(2勝2分2敗)。今季がJ2初年度にもかかわらず、長崎は全くそうと思わせない堂々の戦いをここまで見せていると言えよう。そのうえ内容に目を向けても、1年目らしからぬ組織連携のクオリティが随所に感じられる。もちろん主力には山口貴弘や佐藤洸一らJリーグでの活躍実績を持った選手たちが名を連ねているとあって、それを可能にする個の基盤は持っていると言えるが、しかしそうしたピースが集まったからと言って連携の質は容易に作れるものでない。そこにはやはり高木琢也監督と選手全員の妥協なき努力が存在し、それによって長崎は着実に成長を果たしているということだろう。

ただ、その長崎をホームに迎える徳島も今、成長という点においては特筆に値する状態にあると言っていい。
事実それを物語るように徳島は開幕3戦で見られた様々な課題を4節・福岡戦からひとつひとつ改善。結果、それによってその4節で今季初勝利をもぎ取ると、前節でも精度を向上させたプレーを見せて京都を降し、チームは昨季成し得なかった3連勝を今季早6節の時点で達成して見せた。前節終了後には小林伸二監督も「変わってきたなという印象を今日のゲームではすごく受けた」とコメントしていたが、選手たちのいい変化は今や誰の目にも明らかなところだ。
さらに徳島の成長に関して掘り下げると、特に守備面が急速なそれを遂げていると言って間違いない。開幕直後のような全体の連動感欠如やマークの曖昧さ、局面の甘さなどはその後確実に消し去られ、前節にはもう安心して見ていられるほどの安定感まで醸し出していたのだから。

とは言えもちろん、そうした成長も継続があって初めて真の評価に繋がる。そして、前述した守備の安定をより増せるかどうかは徳島における今節最大のポイントともなるはずだけに、選手たちにはいっそうの意識アップとハードワークが求められよう。
というのも、対する長崎は冒頭でも記した通り全員が連動性高く動いて攻撃を仕掛けてくる相手。前線の選手たちは周囲を活かすための労を惜しまないフリーランニングも積極的に行うし、前節(鳥取戦)の3点目に見られたように、それによって生み出された空間にはボランチ陣もが果敢に飛び出してくるからだ。そこで徳島には当然、的確なマークの受け渡しとスライド、また危険なスペースをいち早く察知して埋める気配りの行き届いたポジショニングも必要となる。それらによって前節では京都のリズムをかなり奪い取ったが、それでも後半幾度かのピンチを作られたことを反省すれば、この一戦ではもう一段その精度をアップさせて長崎を自分たちが敷くブロックの前で完全停滞させなくては。
またそれを実践することは、「いい守備からの攻撃という形を出せた(斉藤大介)」前節同様、効果的な攻めにも結び付くに違いない。高い位置でのボール奪取によって、冴えを見せているショートカウンターなどの前へ早い崩しが再び可能になるということだ。

そこでそうした戦いをするためのキーマンとしては青山隼が浮上する。京都戦でバランスよく中央エリアを締め、相手ボールホルダーへの激しいアプローチでも存在感を見せて、しかもそうしたアプローチからチームの先制点まで導き出したこの大型ボランチが今節の重要なカギを握っていると言えるだろう。「攻めも守りもうまくまとまってきた」と現在のチームの充実を語った彼が自身の精力的な働きをキープし、中盤を支えられたなら、徳島はピッチ上のイニシアチブをがっちり握ることが出来るに違いない。

徳島と長崎。現在顕著な成長を見せている両者の激突だけに、この一戦が非常に激しい戦いとなるのは必至。だからこそ目が離せないし、実際今節のJ2において大きな注目を集めるカードのひとつと言ってもいいであろう。
果たして、このゲームを制し白星を続けて(徳島は4連勝が懸かり、長崎は2連勝が懸かる)、自らの成長をより加速させていくのはどちらか!?キックオフの時が今から待ち遠しい。

以上

2013.04.05 Reported by 松下英樹
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