手ぶらでは帰れない。浦和は韓国に乗り込んで全北現代とのアウェイゲームに挑むが、相手に地の利があろうとも負けるわけにはいかない。前節の敗戦で順位が入れ替わった浦和と全北現代の勝点差は2、トップを走る広州恒大とは4差ある。もし、この一戦を落とすようなことがあれば、決勝トーナメント進出は非常に厳しくなる。
ホームでやられた借りはアウェイで返すしかない。3日に行われた全北現代とのホームゲームでは、前半45分間は内容で圧倒しながら後半にセットプレーから2失点を喫すると、槙野智章が「チームの規律、戦術のなかで戦うことができずに、最後はバラバラになってしまっていた」と肩を落としたように、そこから組織としての機能性が消失。チームとしてのまとまり、規律を欠くチグハグなサッカーを見せてしまい、もったいない星を落とすことになった。
そのショッキングな敗戦から3日後、同じくホームで行われた磐田戦では1試合を通してボールを支配し、後半アディショナルタイムでの決勝弾で逆転勝利を収めた。ACLの敗戦を引きずらず、いつも通りのサッカーを貫いて白星を掴みとったが、それだけでは傷は癒えない。
「悔しい気持ちがすごい強い。それは韓国のチームに勝たないと晴れないと思うし、勝てば自分たちが順位が上になるので、内容がどうであれ勝てるようにやりたい」とは原口元気。煮え湯を飲まされた相手にリベンジできれば順位も入れ替わる。これほどわかりやすい構図はない。直接対決で叩いて、借りを返す。
全北現代は勝手知ったるスタジアムで浦和を迎え撃つことになるが、前回の試合の反省点を踏まえてくるなら、今回は最初から後半のような戦い方をしてくるだろう。埼玉スタジアムで戦った時の全北現代は前半と後半で2つの顔を見せていた。
前半の全北現代は後方からパスをつなぐ近代的なスタイルで戦おうとしていたが、全然うまくいかなかった。中途半端にキレイなサッカーをしようとしたことで浦和の格好の餌食となった。後半は重量級FWのエース、イ・ドングッを投入し、前半は1トップで苦労していたケビンと前線に2枚並ばせることでターゲットの的を増やして浦和のマークを分散。パワーと高さのある前線2枚で強引に起点を作ることで浦和の守備陣を困らせた。
前半も後半も縦に蹴るという意味ではそこまで大きな違いは見られなかったかもしれないが、苦しくなって1枚しかないターゲットに蹴るのと、セカンドボール拾いを最初から視野に入れて2枚に蹴ってくるのでは守備対応の難しさが違った。後半の戦い方はいかにも韓国のチームらしい力強さが光った。ホームの大声援を受ける今回の一戦では自然と闘志も高まり、前回以上に球際に厳しく、パワフルなプレーで浦和に襲い掛かってくるだろう。
絶対に負けるわけにはいかない浦和としては、まずはセットプレーに対する集中だけは切らさないようにしたい。浦和はこの数日間の戦いでセットプレーの怖さも威力も痛感したはずだ。全北現代戦では前半を圧倒的に支配し、先制点も奪っておきながら、後半のセットプレー2発でリズムを壊されてガタガタになった。その3日後の磐田戦ではビハインドを跳ね返そうと押し込み続けながらも最後の局面で跳ね返されていたが、CKから森脇良太が同点ゴールを決めると、磐田の攻守のバランスが崩れ、アディショナルタイムの原口元気の決勝弾につながった。
もし、磐田がセットプレーでゴールを許さずにリードする展開が続いていたら、失点時にもう少しセーフティな対応をして、DFラインの裏を完璧に破られるということはなかっただろう。セットプレーの一発が状況をいかに変えてしまうものなのか、浦和はたった数日間でいい目も悪い目にもあってきた。
那須大亮が「ACLの負けはセットプレーと明確だった」と話したように、前節の敗因ははっきりしている。であればこそ、今回は絶対にセットプレーで失点を喫するわけにはいかない。前回の対戦は「自分たちで壊したような試合」(平川忠亮)だった。負けが許されない今回の一戦で同じ轍を踏むわけにはいかない。
以上
2013.04.08 Reported by 神谷正明
J’s GOALニュース
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