暗闇のトンネルは未だ抜け切れない。岐阜が京都の前に0-3の完敗。Jリーグ記録となる開幕からの無得点記録を7に更新し、7試合で勝点2という不名誉以外他にない状況に陥った。
この試合、2連敗中の京都は、この試合のフォーメーションを【3-1-4-2】の攻撃型システムに切り替えてきた。これはアンカーに田森大己を置き、1.5列目に左から安藤淳、横谷繁、工藤浩平、三平和司を並べ、前線に宮吉拓実と原一樹の2トップを置いたもの。岐阜は6試合ノーゴールで、ここ2試合は失点4というチーム状況を見ても、勝利が欲しい京都は攻めて勝つという選択肢を取った。
中盤の人数で上回る京都に対し、岐阜は怪我から復帰した服部年宏と李漢宰のダブルボランチを軸に、ツーラインのブロックディフェンスを敷いて応対。服部を中心に統率のとれた守備と、ゴール裏の看板をも吹き飛ばす強風の影響もあり、京都は全くと言っていいほどボールポゼッションが出来なかった。
狙いを実行できず、組み立てに苦心する京都。それでも岐阜のカウンターの脅威が少ないことで、徐々に落ち着いてボールを持てるようになっていく。その中で存在感を放ったのが、横谷と工藤の2シャドーだった。中盤で彼らがボールを持つと可能性を感じさせてくれた。共に確かなテクニックとパスセンスで、前に仕掛けて起点となった。特にデズモンドを出場停止、関田寛士を怪我で欠き、益山司と田中秀人のCBコンビとなった、岐阜の急造とも言えるDFラインの背後を2人は徹底して狙った。
20分には横谷がバイタルエリアでボールを持つと、「寄せて来ないし、前を向くことが出来て、2対1の局面を作ることが出来た」と語った様に、プレスに来ない岐阜の守備陣形をじっくりと見ると、背後に抜け出した三平にループパスを出し、GKと1対1に。35分には今度は工藤がバイタルエリアで前を向くと、背後に抜け出した宮吉にループパス。いずれもビッグチャンスだったが、相手のシュートミスに助けられた。
岐阜は33分に右サイドバックに入っていた野垣内俊が負傷し、MF山崎正登を投入。山崎をトップ下に、トップ下の美尾敦を左MFに、左MFだった森安洋文を右サイドバックに配置転換をした。すると右サイドバックに入った森安が、ボールサイドに引き寄せられ、京都の左MFの安藤をフリーにしてしまうシーンが多くなった。だが、京都は安藤を効果的に生かせなかった。前述した直後の宮吉のビッグチャンスを生かし切れないと、そのままチャンスを作れず、0-0で前半を折り返した。
前半終了直後に京都サポーターからブーイングが飛んだように、京都はフォーメーションを変えた狙いを生かし切れず、しかも崩れる可能性があった岐阜守備陣を崩し切れなかった歯がゆさを抱えたまま、後半を迎えた。
後半、一向に改善が見られない岐阜の守備が、京都のフラストレーションを晴らすこととなった。前半、あれほど安藤をフリーにし、横谷と工藤に前を向いてボールを持たれてチャンスを作られたのにもかかわらず、彼等へのマークが修正されることなく、ルーズのままであった。
55分にDF尾泉大樹の軽率なスローインから、一気に右サイドに縦パスを通され、原に突破を許す。そして原のクロスに対し、ファーサイドに飛び込んだ安藤に誰もマークに行っていなかった。安藤のボレーシュートは幸い枠を外れたが、これでリズムを取り戻した京都は、56分に左FKからDFバヤリッツァにヘッドを浴び、57分には左CKを横谷に直接狙われる。いずれもGK時久省吾のファインセーブに助けられたが、確実に京都は岐阜のゴールに近づいていた。
そして61分、失点はやはりここからだった。京都は自陣でボールを奪うと、左の安藤がバイタルエリアに顔を出した横谷に素早くロングパス。横谷は先ほどと同様にプレッシャーを受けない状態でボールを受けると、素早くペナルティーエリア内に仕掛けて、DFを食いつかせ、右をフリーで駆け上がってきた三平へ正確なスルーパス。これを受けた三平が、ニアサイドを強襲するシュートを突き刺し、京都がついに均衡を崩した。
こうなると、岐阜に反撃するパワーはなかった。単調な攻撃に終始すると、81分にはあっさりペナルティーエリア内の原にクサビを受けさせ、原の落としたボールを受けた三平を益山が倒し、PKを献上。これを原がキッチリと決め、2-0。これで勝負はあった。90分には工藤のスルーパスから、途中出場のFWサヌが抜けだし、GKを交わし中央の原へ折り返す。これを原が無人のゴールに蹴り込んで、3-0。
「攻めきれず、守備面でも簡単に食いついて、仕事をする選手に仕事をさせてしまう。後手に回って、交代のカードを切っても勢いが増すわけでもなく、逆に途中から入ったのに運動量が少なく後ろの負担が増えて、悪循環の交代になった。悪くない時間もあるのに点が取れない」。
試合後の記者会見。行徳監督が話す姿は、非常に重苦しい雰囲気が漂っていた。点が取れない、勝てない。だが、これを運がないとか、チャンスをモノに出来なかったという言葉で片付けてはいけない。確かに崩すチャンスはあった。「前半はよくなかった」と大木武監督を始め、選手たちが異口同音したように、この試合の京都は決してよかったわけではなかった。しかし、岐阜のバラバラなサッカーが、京都が立て直す時間を充分に与えてしまった。それはチャンスをモノに出来なかったことだけが原因ではない。守備の連動性、ハードワーク、攻撃への意識、サポートの意識。すべてが欠如していたことが招いた結果だ。厳しく言えば、プロ意識にまで言及しなければいけないのかもしれない。現にファビオが74分に攻撃のギアを入れるために投入されたのにもかかわらず、怪我でもなく、単にパフォーマンスが低いという理由で、僅か11分後に交代させられている事実がそれを物語っている。
正直、褒め言葉が出て来ない。強いてポジティブに言うならば、落ちるところまで落ちたのだから、もう這い上がるしかない。今はそれしか言えない。
以上
2013.04.08 Reported by 安藤隆人
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