激しい風雨にさらされた湘南とのリーグ戦から中3日。川崎Fは疲労の度合いを推し図りながらヤマザキナビスコカップの清水戦を迎える。
2日前までの激しい風雨が嘘のような晴天の下、川崎F麻生練習場では清水戦を控えての準備が着々と行われた。自陣からパスを繋ぐ川崎Fにとって、多数の相手選手がゴール前に陣取る光景は見慣れたものとなっている。そのため、この日はそうした状況を想定したシュート練習なども行われた。また、狭くしたピッチで行われる事の多かった紅白戦をフルコートで実施。狭いピッチでは難しいラインの裏に抜け出そうとする攻撃陣と、それを抑えようとする守備陣との駆け引きなどが見られた。
裏に抜け出そうとする小林悠やパトリックに絶妙なスルーパスを通した風間宏希は「ああいうのは狙っていますが、まだだとは思っています。自分の中では思い通りのプレーはできていないですね。自分の頭と体を取り戻したいです」と述べ、今は意識的に出すパスを無意識に出せるレベルにまで高めたいと表情を引き締めていた。
また、風間宏希からのパスを引き出しオフサイドにかかることなくラインの裏に飛び出した小林悠は「いい動きをすればどこからでも出てくる」と、そうしたスルーパスの出し手に事欠かないチーム事情を口にしつつ「裏を取る意識は持っているし、みんなもわかってる。練習が身になっている」と話し、日々の練習の重要性を述べていた。ちなみに決定的な場面を作った小林は、その後GKをかわした際のボールコントロールをミスし、シュートをポストに当てた自らのプレーを反省。もっと精度を上げる必要があると話していた。
彼らのようないい状態を保つ選手がいる一方で、過密日程もあり、選手のコンディションにばらつきが出つつある。この日の紅白戦には、久野智昭コーチと共に、GKの高木駿、新井章太が左サイドバックとして交代で出場。足りないフィールドプレーヤーの穴を埋めた。ちなみに新井は、小林と度々マッチアップ。ペナルティエリア内での接触プレーにより小林が倒れるという場面もあったがノーファール。練習後に新井に聞いた所「一杯一杯です。あのプレーはPKじゃないですよ。PK取られたらやばかったです(チームメイトに申し訳ないという意味で)」と苦笑いしていた。
GKやコーチがフィールドに立つ現状について風間八宏監督は、選手に蓄積する疲労があることを認めつつ「まだまだ連戦はあるし、ここまでずっとやってきた選手もいる」と話し「ベストなメンバーで行こうと思っています」と述べていた。川崎Fはここまでの戦いの中でフォーメーションや選手起用について柔軟さを見せている。この清水戦も大胆な選手起用が行われる可能性はありそうだ。
そんな川崎Fと対戦する清水は、リーグ戦では未勝利の川崎Fに先んじて、堅守の鳥栖をアウェイで下し今季初白星を手にしている。1対1の局面での厳しいチャレンジはもちろん、守備の場面では多くの選手を帰陣させて固いブロックを作ることで失点を防ぐ一方、守備から攻撃への切り替えも早く、手堅い内容のサッカーを実践してのものだった。
決勝点を決めたのは、今季から日本に復帰したバレーである。スローインからのボールをシンプルにトップのバレーに預けると、マーカーの存在をものともしない技巧的なターンで前を向き、右足を振り抜いたものだった。清水期待のFWとなるものと思われていたバレーは、このゴールが移籍後初得点。カタールでの最後の5カ月間は思うようにサッカーができていなかったようで、試合勘に問題があった可能性をゴトビ監督が指摘している。つまり逆の言い方をすると、徐々に試合勘を取り戻しつつある可能性があり、そういう意味で警戒が必要であろう。
ただそれにしても清水の現状は厳しい。ヤマザキナビスコカップでは2試合を消化して1分1敗と出遅れ気味。2得点6失点の成績が残っている。ちなみにリーグ戦では、5試合を消化して4得点12失点と同じ比率の得失点になっており攻守のバランスをどう取るのかが課題になっている。失点を減らすためには守備意識を高める必要があるが、そうするとただでさえ少ないシュート数を増やすことができない(リーグ戦5試合で33本はリーグ最少)。そういう意味で、どのようにチームを作ってきたのかが気になるところだ。
ヤマザキナビスコカップAグループは混戦模様となっており、一戦ごとに順位が入れ替わる可能性がある。消化試合が1試合少ない川崎Fにしてみれば勝てば上位陣に追いすがる事ができるが、それは最下位の清水にとっても同じことである。まずはこの試合での勝点3を。そして予選リーグ2位以内を目指した激しい戦いを期待したいところだ。
以上
2013.04.09 Reported by 江藤高志
J’s GOALニュース
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