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【J2:第9節 東京V vs 山形】プレビュー:互いに攻撃陣にタレントが揃う楽しみな一戦。守備陣の奮闘も大きな鍵となる。(13.04.16)

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勝点12の山形と、同11の東京V。差はわずか1ポイントだが、その勝点の積み上げ方をみると、4勝0分4敗と引き分け無しで、白黒はっきりつけてきた山形と、2勝5分1敗としぶとく勝点1ずつをコツコツ積んできた東京Vとでは、実に対照的ともいえるのではないだろうか。第9節を迎え、そろそろ各チームの特色が見え始めてきた。その中で、東京V、山形、どちらが自分たちらしさを見せるか。また、結果に対してどのようなこだわりをみせるのか。非常に興味深い。

結果という意味では、東京Vは今、非常にポジティブな状況にある。というのは、開幕戦を落とし、その後4試合ドローが続いた中、三浦泰年監督は「この引き分けを“負けてない”とポジティブなものにするのか、“勝ててない”のネガティブなものにするのかは今後の自分たち次第」と、選手たちに諭し続けた。そして、第6節vs岐阜戦で勝利したことで、見事“負けてない”への転換へ成功した。その後、前々節vsG大阪戦でドロー、前節vs鳥取戦で白星と、着実に勝点を積み重ねられているのである。

好結果は、『自信』を生む。鳥取戦後、選手たちの口から続々と「岐阜戦で勝利したときから、自分たちがやろうとしているサッカーができるようになってきた」と、内容的な手応えも聞かれるようになった。上昇ムードで、今節に挑む。

迎え撃つ山形に対し、「堅いチーム」との印象をもつと、鈴木惇(東京V)は話す。「J2の中でも個人のレベルが上の選手が揃っている。でも、決して個人に頼らずしっかりと組織で戦ってくる」との言葉通り、山崎雅人、中島裕希、萬代宏樹と、特に前線にはJ1でのプレー経験をもつ猛者が名を連ねる。さらにロメロ フランク、秋葉勝、宮阪政樹など、ポテンシャルの高い選手も交えて構成される中盤は強力で、山形の攻撃力の高さの象徴とも言えよう。東京Vの守備陣は、3試合連続無失点中など、千葉と並んでリーグ屈指の堅守を誇る。山形がどのようにして牙城を崩すのか。この試合の大きな見どころとなりそうだ。

また、東京Vサポーターにとっては、林陵平の存在も気になるところだろう。2010年の柏在籍時での対戦ではゴールを決められているように、古巣対決に燃える林は曲者である。今季は途中出場が主だが、少ないチャンスで結果を残せてしまう彼のここ一番の“モッてる度”には要注意だ。

高い攻撃力の一方、若干気になるのが守備力か。第3節vs長崎戦を除いて全試合で失点し、すでに2桁失点を記録してしまっているだけにそう受け取れなくはないが、開幕2試合以降は最少失点に留めていることも確かである。ここ2試合は連敗を喫しているが、神戸、G大阪というJ1クラスの破壊力抜群の両チームを相手にそれぞれ1失点は許容範囲ではないだろうか。守備面も、確実に改善されていると捉えていいだろう。

その山形の守備網を、東京Vがいかに破るか。鈴木も「簡単にはいかない。我慢の試合になる」と展開を読み、「攻撃も守備も、焦らずに攻めることができるか」をポイントに挙げている。そこで鍵を握るのが、まずは高原直泰だろう。ここ3試合ほどチームが機能していると実感できているのは、高原が主にゴール前での仕事に専念できているからである。たとえ思い通りにボールが運べなかったとしても、なんとか焦れず、高原がボールを触りに下がらざるを得ない状況だけは絶対に避けたい。できれば、前節のように、相手のリズムに苦戦しながらも早い時間に先制点を奪い、徐々に流れを自分たちの引き寄せ、たたみかけたいところだ。「どんな相手でも、自分たちのサッカーさえできれば負けない自信はある」と、東京Vの選手たち。チームのために、個を生かしあってどんな相乗効果を生むか、楽しみである。その中で、特に熱い思いを燃やしているのが鈴木だ。去年までは福岡で攻撃的な位置で躍動してきた彼にとって、アンカーという、ある意味で守備での貢献も大いに求められる役割はチャレンジである。「福岡ではやりたい放題だった」という彼にとって、高原直泰、飯尾一慶、西紀寛といった強烈な個性をもったタレントが攻撃陣にいる状況に「最初は面喰らった」と明かす。だが、だからこそ、「その中で自分の個性もチームの力として必要とされたい」という。「正直、まだ自分の特徴を100%周りにわかってもらえてないと思います」。チームのために、もっともっと味方を生かし、生かされることを考え続けている。「まずは、FKとかで、周りの信頼を得たい。信頼を得られれば、もっとボールも回ってくるだろうし、状況が変わってくるはず」。個性派揃いの前線へボールを配する、“隠れ個性派”の存在にも、大いに注目したい。

以上

2013.04.16 Reported by 上岡真里江
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