この試合を迎えた横浜FCと神戸の状況は対照的だった。9試合で勝点22で首位と絶好のスタートダッシュを決めた神戸と、自らのスタイルは出しながら、試合運びの点で勝点を失う試合が続く横浜FC。この試合の結果は、その状況をストレートに反映したものであった。
前半の立ち上がり、良い入りを見せたのは横浜FC、今季2試合目の出場となる青木翔大が2トップに入り、つなぎ役をこなすと、2分に大久保哲哉、8分には青木がシュートチャンスを得る。しかし、その後10分にポポの強烈なフリーキックがマウスをとらえると、その後は完全に神戸のペースに。馬力のあるポポ、マジーニョを生かすパスワークを見せる神戸が、横浜FCを徐々に押し込める。25分にはポポのミドルシュート、その後も6本のCKを獲得する。しかし、横浜FCもこの状況に冷静に対応、常に数的優位を作り、決定的なピンチを作ることはなかった。横浜FC・山口素弘監督は「前半も狙いを持ったゲーム運びができた」と振り返ったが、押し込む神戸に対して、横浜FCが守備のタスクを冷静にこなしながらカウンターを狙う構図のまま、前半は0対0で終了する。
後半立ち上がりは、一転横浜FCが左サイドの小野瀬康介を中心にプッシュを仕掛けるが、いみじくも山口監督が「(サッカーには)表と裏があって、攻撃しているからチャンスかというとそうではなくて、ボールを前に運ぶようになれば裏にはカウンターを受けるスペースを作る」と振り返ったように、それまで数的優位でポポを封じていた構図が一瞬崩れる。50分、中央で田代有三がボールを収めると、杉浦恭平を経由して、ボールはポポに。そのポポがそのまま持ち込んで先制ゴールを挙げる。
ある意味、首位の勢いを目の当たりにしたシーン。通常なら「また負けか」という雰囲気が広がるが、この日のニッパツ三ツ沢球技場は違った。62分に中里崇宏が投入されると、左右に幅をもったボール回しが増える。そして、徐々に波状攻撃を仕掛けると74分、相手DFのクリアを拾った野上結貴が絶妙のクロスを上げ、ペ スンジンがヘッドで合わせて同点に。選手交代による好循環と、三ツ沢の臨場感が連動した同点劇だった。
しかし、最後に勝点3を奪ったのはアウェイ神戸。83分に2枚同時に選手交代を行い、下げた田代に代わって、途中出場の「三ツ沢育ち」吉田孝行がFWの位置に入る。そして、同じ83分、相馬崇人のピンポイントのアーリークロスに吉田がヘッドで合わせ勝ち越しゴールを決める。これが首位の力といわんばかりのねじ伏せ方で、その後同点を狙う横浜FCを封じ込めた。
横浜FCにとっては、またもホームで勝てなかったという事実は残った。10試合終了時点で勝点9は、昨年と同じ成績。一方で、「また負けた」という印象は残らなかったのではないだろうか。それは、試合終了後のゴール裏が、精一杯の「横浜コール」を監督・選手に送ったことからも想像できる。神戸の強力な個の力による失点の後に、自らのスタイルで立て直し、3試合連続でクロスからのゴールを決めて同点に追いついた流れは、絶対に今後に繋がっていくだろう。もちろん、2失点したのは事実で、失点を減らさないことには勝点が伸びていかないのは事実。それも、「昨年は低い位置で受け身になりながらきわどく点を取っていっていた。今年は、自分からアクションを起こして、カウンターを受けている。やりたいサッカーができている感じがあるのは今年の方。だから、守備陣で声を掛け合ってリスクマネジメントを心がけないと」というペ スンジンが述べるように、チームの成長に伴う乗り越えないといけない山。その先には、より成長したチームが見えるはずだ。
神戸は、2連勝で6戦負け無しとなった。持っているストロングポイントを十分に活かすスタイルは、この試合でも十分にモノを言った形となった。怪我人が多く出てきている中で得た勝点3は非常に貴重なもの。これから、岡山、福岡、G大阪と難敵が続くが、その難敵を、そのスタイルで打ち破り続けるのか、興味深いところだ。
ハイレベルの試合、というには、まだまだミスの多い試合であったが、お互いの意地のぶつかり合いという意味では、見所の多い試合だった。三ツ沢をホームにして同点劇を演じた横浜FCを、「三ツ沢がプロ生活の原点。横浜FCのチームカラーを見ると懐かしいし、やりやすいスタジアム」と語る吉田が退ける構図は、三ツ沢の良さと歴史を感じさせた。両チームともに、次への活力を得たのではないだろうか。
以上
2013.04.22 Reported by 松尾真一郎
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