今日の試合速報

開幕招待
開幕招待

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第10節 栃木 vs 岐阜】レポート:波乱は起こらず。順位通りの順当な結果に終わる。理想的な試合運びで栃木は暫定5位に浮上。岐阜は最下位から抜け出せず。(13.04.22)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
菊岡拓朗とクリスティアーノの間には暗黙の了解がある。ゴールから近い位置でのFKは菊岡が担当し、遠い位置はクリスティアーノが担う。前半のアディショナルタイムに得たFKは、互いの担当エリアのほぼ中間くらいの微妙な位置だった。菊岡とクリスティアーノは、こんなやり取りをしたそうだ。菊岡が明かす。
「1本目はクリスが『蹴りたい』と言って蹴ったので、今度は俺だろうと。ちょうど2本目はいい位置だったし。決められて良かった」
菊岡の右足から放たれたシュートはGK時久省吾の伸ばした手を弾きゴールへと吸い込まれた。「そろそろ初ゴールを決めたい」。岐阜戦前にそう渇望していた菊岡。その言葉通り世界基準のFKを突き刺し、前半に先制する、という直近の課題に対して最高の解答を出した。しかし、いい感触を残した今季初ゴールにも浮かれる様子は全くない。むしろ反省の言葉ばかりが口をついた。
「ゴール前に出て行き、そこで決めるのが自分の仕事。流れの中で自分の役割を果たせていない。しっかり反省して次に繋げないといけない」
菊岡が悔やんだのは54分のシーンだ。廣瀬浩二の右からの折り返しを、ペナルティボックス内でフリーの状態でトラップ。GKもDFも対応が遅れていただけに確実に決め切りたかったが、慎重になりすぎたのかシュートは枠を逸れた。
止めを刺す3点目は奪えなかったものの、前節の徳島戦から本来の高い位置でのプレーが可能となり、シュート数も増えている。花粉症に悩まされた時期も過ぎ去り、いよいよクラッキ(名手)が本領発揮する時がやってきた。

「必然的にボールを支配する時間帯が長くなると思っていたが、そこで焦れずにボールを動かして相手の体力を奪うことが今季の戦い方のひとつ。それが出来たことは良かった」(菅和範)
慢心や気の緩みが懸念された栃木だが、最下位・岐阜を相手にしても勢いよく試合に入れた。守備に人数を割く岐阜に対して焦れずにボールを動かし、コンビネーションプレーを駆使してはゴールに迫った。流れを失いそうなミスを冒しもしたが、相手にも助けられ迅速に立て直しを図ることに成功。流れを手放さなかったことが、最終的には菊岡のゴールとして結実した。一方の岐阜は個々の距離感が悪く、「ずっと守備に追われていた印象が強い」と、リーグ戦初先発の柴原誠が言うように攻守両面でチグハグさが目立った。後手を踏み続けたことで失点を招いてしまった。

後半の頭、一気に2枚の交代カードを切った岐阜。攻勢に転じるはずが、「もう一つ回転数が上がらなかった」(行徳浩二監督)。歯車が噛み合わない岐阜を尻目に、栃木は開始4分であっさりと追加点を奪った。決めたのはクリスティアーノ。廣瀬が左から折り返したボールに対して左足を振り抜き、来日初ゴールをマークした。その後、「ファビオ選手が前線に入ったり樋口選手がワイドに出て、その変化が岐阜さんにとっていいように回った」(松田浩監督)ことで栃木は劣勢に立たされる。だが、苦しい時間帯でも体を張り、岐阜のサイド攻撃を凌ぎ切った。今季2度目の連勝を2‐0という理想的なスコアで飾った。

「自分たちのやらなければいけないことがピッチの上で表現できなかったし、しなかった。残念なゲーム」
行徳監督は試合をそう総括した。前節の富山戦と同様、岐阜のエンジンがかかったのはビハインドを背負ってから。「0‐2になってからでは非常に遅いし、もう少し早めにやらなければいけなかった。戦わなければいけなかった」と行徳監督は嘆いた。終盤に盛り返す力があるならば、指揮官が繰り返した執着心を最初から前面に押し出して戦うべきだった。まずは守備の修正が求められるが、攻撃面に関しても「今は各々が個人の発想でやっているところが多い」と田中秀人が言うように場当たり的な感は否めない。次節こそ最下位から抜け出すために、限られた時間の中で見えた問題点を克服したい。

下位からしっかりと勝点3を取った栃木だが、「2点取ってからの試合運びが課題として残る」とはGK榎本達也。榎本は続ける。
「2‐0なので相手は前に出て来てくれる。その時に間でボールを受ける、前はもっと飛び出すことで相手を間延びさせる。やりたいことができたのに、出来ないことが多かった」
岐阜が出力を高めたと同時に、栃木にも緩慢なミスが散見され、そのため榎本が言うようにリードした時の試合の進め方が出来なかった。下位は見逃してくれても、上位陣は隙を見せたらすぐにつけ込んでくる。昇格争いから脱落しないための新たな課題が栃木に突きつけられた。状態が上向いている今、早めに塗り潰しておきたい。

以上

2013.04.22 Reported by 大塚秀毅
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着